武弘・Takehiroの部屋

万物は流転する 日一日の命
人生は 欲して成らず 成りて欲せず(ゲーテ)

野田佳彦における人間の研究

2012年08月08日 10時52分22秒 | 政治・外交・防衛

(1)哲学も信念もない

このところブロガーのご意見を聞いているうちに、野田佳彦(首相)という男の人間性に興味を持つようになった。まず思ったのが、この男は“人間失格”ではないかということだ。彼の有名な演説である「書いてあることは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです」という言葉は、全く逆の結果になった。政治家は多少はウソを言うこともあるだろうが、問題は大ウソをついても何ら恥じることもなく、謝罪もせずに平然としていることだ。つまり厚顔無恥、破廉恥、鉄面皮の代表みたいな男だと思ったのだ。
ところが、最近になって、この男には空虚な言葉だけあって、中身が“空っぽ”ではないかと思うようになった。つまり、知識や才覚はあるが、信念や政治哲学、思想というものが全くない。要するに「芯」がないのだ。
だから財務副大臣、財務大臣を歴任しているうちに、財務省の官僚にたっぷりと教え込まれ、消費増税をやらないというマニフェストの精神をすっかり忘れてしまったのだろう。

ある人が「野田は官僚の腹話術人形だ」と評したが、正にそうだと思う。腹話術人形だと少し可哀そうだから(笑)、官僚から教えられた通りに「しゃべるマシーン」とでも言っておこうか。 もともと哲学も信念も何もないから、その時々に応じて知識をひけらかす男なのだろう。こういう人間はけっこういる。たぶん財務官僚から持ち上げられ、おだてられたに違いない。
野田は根っからの消費増税論者ではないと思う。ただし幸か不幸か、財務省の副大臣、大臣を続けてやったから、財務官僚にその気にさせられたのだろう。官僚の方が“悪知恵”はずっと上だ。「消費増税をやれば、あなたは歴史に名を残します」などと言われたに違いない。実は“悪名”を残すことになるのだが。根が単純な男だから、増税の是非もよく考えずにそれにのめり込んだのだろう。その点は、同じく財務大臣から総理になった前任者の菅直人とよく似ている。

野田は松下政経塾の出身だから、塾の創設者・松下幸之助氏の「無税国家論」はよく知っていたはずである。ところが、思想も信念もない男だから、その時々に応じてクルクルと都合良く変わっていくのだ。政治家が変身することはよくある。しかし、それはあくまでも自らの信念、ヴィジョン、政治哲学の範囲内でなければならない。
ところが、野田にはそういう信念や哲学が何もない。だから、かえって都合良く変われるのかもしれない。こういう男には、政策なんて単なる「方便」でしかない。政策どころか、ウソも方便なのだ(笑)。その時々に応じて、勝手なことを言っていれば良い。こういうのを政治家ではなく“政治屋”と呼ぶが、もともと何もない男だから、恥ずかしいなどとは全く感じないのだ。

ただし、野田は雄弁である。なかなかの演説家だ。言葉は空虚だがいくらでもしゃべる。以前聞いた話だが、彼は選挙区内の船橋駅前で13時間も延々と演説したという。これは大したものだ。 しかし、中身はどうでもいい。要するに、しゃべるマシーン(機械)ということだろう。こういう男は演説しながら、自分の言葉に酔ってしまうのだ。先日も民主党の代議士会で「心から、心から、心から・・」と三度も言った。そういう所はテレビ向きだ。どこか小泉純一郎に似ている。しかし、自分を“ドジョウ”と呼ぶぐらいだから、小泉ほどには人気は出ない。
そろそろ閉めなければならないが、野田を見ていると、中身が空っぽな人間ほど自由に変われるものだと思った。ある意味でうらやましい(笑)。 なまじ思想や哲学があると、人間はそれに縛られる。しかし、野田は中身が空っぽだから全く縛られないのだ。良く言えば臨機応変で自由自在、悪く言えば無節操・無責任ということだが、政治屋にはそんなことはどうでもいいだろう。
ただし、そういう男が結果的にペテン師・詐欺師になるわけで、真面目に聞いていた国民がバカを見るようでは叶わない。 野田は弁論大会では優秀な成績を修めるだろうが、政治哲学も信念もない単なる演説屋、便利屋ということだ。

 

(2)単細胞で能天気

野田の体質は基本的に“保守反動”である。昨年9月の民主党代表選の前には「脱原発」の姿勢を明らかにし、原発の新設はやらない考えを示したが、当時から「再稼動できるものは稼動していく」との方針を打ち出している。これが先日の大飯原発再稼動の決定に繋がっているのだが、肝心の脱原発の姿勢はほとんど崩れたと見てよい。口ではその時々に応じて調子の良いことを言うが、基本的に保守反動の体質なのだ。
安全保障や防衛問題もそうである。3年前に民主党政権(鳩山内閣)が誕生した時、自衛官の息子である野田は防衛大臣就任かと取りざたされたが、彼が「集団的自衛権」に積極的だったため、社民党との連立をおもんぱかってその話は消えたという。それで財務副大臣に就任したのだ。野田は安全保障でも沖縄米軍基地問題でも、自民党以上に保守的で反動的な姿勢を感じる。だから、森本敏を新防衛大臣に据えたのか。

前の記事で、野田は根が単純だと言ったが、要するに“単細胞”なのだろう。そのいい例が6年前の「永田メール問題」だった。これは日本中を騒がせたから覚えている人も多いだろう。詳しく説明する時間はないが、2006年2月、民主党の永田寿康(ひさやす)議員がいわゆる“堀江メール”なるものを国会で取り上げ、堀江某氏から自民党の武部幹事長側に3000万円が渡ったという衝撃的な質疑を行なったものだ。
このメールは真っ赤な偽物だったのだが、当時、民主党の国対委員長だった野田はよく確認もせず、永田議員をけしかけ「衝撃的な質疑で、大変重大な問題だ」と、鬼の首でも取ったかのようにはしゃいでいた。 しかし、すぐに偽物だと分かると、民主党は天下に恥をさらす結果となり、永田は議員を辞職、野田も責任を取って国対委員長を辞めた。民主党のブランドは地に落ち、当時の前原誠司代表も辞任に追い込まれた。

こんな大不祥事を起こしておきながら、野田という男は“能天気”と言うかいつもケロッとしている感じだ。大した神経の持ち主だ。うらやましいぐらいである(笑)。 永田は後に自殺したが、野田は同僚の議員に「(永田問題では)いろいろあったけど、墓場まで持っていくしかねぇな」と語ったという。言えないことが多々あるのだろう。 ちなみに、結党以来の危機に直面した民主党を救ったのは、この後 代表に就任した小沢一郎である。小沢は直後の衆議院千葉7区補欠選挙で、まさかの勝利を民主党にもたらした。あの時は驚いた。それから民主党はようやく立ち直っていったのだ。
話が小沢一郎に飛んでしまったが、要するに野田は単細胞で能天気、それに政治哲学や理念など何もないから、官僚から見るとこんなに使いやすい男はいない。言われた通りにどんどんやってくれるのだ。しかし、官僚にとっては“ベストの総理”かもしれないが、国民から見るとどうもそうではない。今回の消費増税がいい例だ。
前にも言ったが、頭が空っぽで中身がないから(哲学や理念がないということ)、その時々に応じてどこへでも猛進するきらいがある。単なる「便利屋」なのだ。その辺がどうも危ないと思う。

 参考・ウィキペディアの「野田佳彦」・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E7%94%B0%E4%BD%B3%E5%BD%A6

 

(3)しゃべるマシーン

野田は演説が上手い。これだけは認める。しかし、口先だけという感じだ。いや事実、口先だけだったではないか!(末尾に演説を載せておく)。 彼は故大平正芳氏(元首相)を尊敬していると聞いた。太平さんというのは旧大蔵省出身の政治家で、日本に初めて「一般消費税」を導入しようとして失敗した人である。一般消費税の是非は別にして、消費増税に狂奔する野田は大平元首相を見習っているのだろう。
それはともかく、大平氏は弁舌やスピーチが苦手だった。いつも「あ~、う~、あ~」と言うので“あーうー首相”というあだ名を付けられていた。しかし、言葉を慎重に選んで語るので一言一句に重みがあり、また真実味があった。 一方、野田の弁舌は立て板に水を流すようにペラペラペラペラと話す。全く淀みがない。まるで、アナウンサーが原稿を読んでいるみたいだ。 野田の話し方はたしかに上手いが、しかし重みとか真実味、真情が感じられない。時には、自分の演説に酔っているフシもある。その辺が、大平さんとはえらい違いだ。要するに「しゃべるマシーン」という感じで、しっかりした政治哲学や信念、思想といったものが伝わってこない。いや、そんなものは持っていないのだ。

頭が空っぽで単細胞だと、官僚に最も使われやすいと前に述べたが、そういう人間は案外 幸せかもしれない(笑)。頭が空っぽだと自由に変身、変節ができるからだ。民主党政権は初め「政治主導」などと言ったが、今や完全に「官僚主導」に道を譲った。その好例がまさに野田だが、財務官僚の言いなりである。
皮肉な言い方だが、仏教的見地から見れば、野田は“空”とか“無”の心境にあるのかもしれない。しかし、こういうのが一番始末に負えない。一種の悟りの境地だが、何と批判・非難されようが平然としているのである。 カエルの面に小便、いやドジョウの面に小便とはこのことか。恥も外聞もないのだ。だから厚顔無恥、恥知らず、無節操でいられるのだろう。しかし、最も迷惑を受けるのがわれわれ国民、有権者である。
以上、野田の人間性についていろいろ述べてきたが、私はもちろん彼とは面識がない。面識がなくて幸いだ!(笑)。 こんな単細胞の便利屋、政治屋を間近に見ていたら、日本の政治に絶望するだけだ。 問題は消費増税や原発再稼動だけではない。野田が総理をやっている間に日本はますます“反動化”するだろう。一日も早く辞めてもらいたいものだ。(終り)

 野田総理 マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行

 


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