TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

桜めぐり (高遠~山高神代桜~神田大糸一本桜)

2010-04-26 | 写真日記

真冬に逆戻りした天気は、季節外れの雪まで降らし、 4月とはいえない寒さに震えあがる春です。
さて、4月といえば桜、天候不順にもかわらず、各地の桜は綺麗に咲いているようです。
今年の花見はどこにしよう、、、晴れ間をねらって出かけてきたのは、
天下第一の桜と呼ばれる信州伊奈・高遠城址のタカトウコヒガンザクラ、
次に山梨県・日野春の山高神代桜、さらに足をのばして大糸一本桜と、桜めぐりをしてきました。

中央道飯田インターから高遠に向かうと、杖突峠からはを伊那谷の美しい山間の風景がひろがり、
高遠城址に近づくにつれ、景色は桜のピンクが増して、期待感を盛り上げてくれます。
アプローチからして素晴らしい高遠の桜、さて今年のサクラはどんなでしょう。

 

 

ようやく好天となったこの日、平日とはいえ午前9時には付近の駐車場は満車状態。
桜の人気スポットど真ん中ですものね~
それでも入り口近くに運よく一台の空きを見つけて駐車、こいつはハナから縁起がいいわい(^・^)

 

 

快晴の空を覆い隠すほどの満開の桜、ブルーとピンクのコントラストも美しいです。

 

 

 本丸跡のサクラです。
 ここにあるタカトウコヒガンザクラは、明治8年頃から植えられ、いまでは樹齢130年を越す老木
 も
ありますが、このように老いてもなお美しい花を咲かせています。

 

  

  小ぶりながらも紅が濃いめで可愛らしいタカトウコヒガンザクラ。


 
 

 

 

                     

 

豪華絢爛の桜景色を見せる高遠城址公園、その数は現在1500本あります。
昨日のニュースによると、一昨日降った季節外れの湿った雪が満開の花びらに積もり、
その重みに耐えきれず60本もの枝が折れてしまったそうです。
桜守のかたたちは、急ぎ折れた枝を切り落とし、防腐剤を塗布してサクラの手当てを行ったそうです。
ああ、、あの見事な桜が60本も被害にと思うと悲しいですが、
これも自然なるものの厳しさ、試練なのでしょうね。

 

 

 

 

 中央アルプスと南アルプスに抱かれた伊奈谷、タカトウコヒガンザクラの向こうに見えるのは
 木曽駒かな???

 

 

 

 城内を埋め尽くすサクラ、薄紅色に酔いしれる春を味わえる高遠、素敵なところです。

 

                          

 

 高遠城址をあとに、次に向かうは山梨県・日野春にある実相寺。
 寺の境内には日本最古で最大の桜、山高の神代桜があります。
 
 樹齢約2000年、目通り幹囲は10mを越す大きなサクラです。

   

 実相寺山門よこに並ぶソメイヨシノも見事です。 

 

 

 

 樹齢約2000年、、、ものすごい貫禄があります。
 花の見頃は一週間前でしたので、ほぼ咲き終わってはいますが、その風格たるや
 長い年月を見据え、毎年花を咲かせてきただけに、底知れぬものが伝わってきます。
 サクラの種類は彼岸桜の一種エドヒガンザクラで、中部地方特有のものだそうです。 
 三春の滝桜・根尾谷の薄墨桜とともに日本三大桜のひとつに数えられています。

 

 

 

 そして、お寺の庭には7000本の水仙がこれまた見事に桜とコラボ!

 

 

 

 さらに素晴らしい景観をつくりだしているのが、本堂後ろに聳える甲斐駒の眺め!
 南アルプスの秀峰、「山の団十郎」との呼び名もある甲斐駒ケ岳が
 咲き誇る桜をバックに眺められ、昨年秋にあの頂に立った私としては、感慨も一入でした。

 

 

                       

 

 実相寺で神代桜を見がてら小耳にはさんだ話では、この近くに名高い枝垂れ桜があるそうで、
 それっとばかりに次は小渕沢に向かいました。

 その桜は、神田(しんでん)の大糸桜といって、樹齢約400年のシダレザクラで、
 その昔ここには神社に捧げる米を作る田があり、その豊穣を願って植えられた桜だそうです。
 JR中央本線の車窓から、田園風景のなかにポツンと一本見える桜としても有名。

 

 

 わかりにくい田舎の細い道を何度か場所を尋ねながらたどり着きました
 空き地につくられた駐車場から5分ほど農道を歩いていった先の畑の中に、
 周囲を風よけネットでかこまれた枝垂桜が見えてきました。
 景観的にはネットは邪魔ですが、このときも風が強く、たしかにこれでは桜が風にやられて
 しまうなと実感。 左に富士山が見えて、ここでも桜と山のナイスビュー

 

 

 樹齢400年、幹回り7,5m、枝張り20m、堂々としたシダレザクラです!
 このあたり標高が高いせいか、花はまだ蕾がほとんどでしたが、満開となったときは
 さぞかしゴージャスな眺めとなることでしょう。

 この土地の人々には、桜の花がにぎやかに咲く年は豊作になる」との言い伝えが残っていて
 自然との共生のなかで自然に畏敬の念を感じ、つつましやかに自然の恵みを受けては
 感謝と親しみの気持ちを深めていったのではないかと思います。

 

 春は荒々しい季節、というのを今年ほど実感した年もありませんでした。
 そんな季節のなかで桜が私たちにもたらす幸福感、それを強く感じた年でもありました。
 山の峰々に積もった雪が、桜の開花を機にすこしづつとけていっては田や畑に豊かな水を、
 また、桜が咲く頃から陽射しは徐々に強まり、太陽のパワーが豊穣に導くといったことなど、
 桜と人々の暮らしが古き昔から密接な関わりをもっていたように、時代は変わっても、
 なぜか桜に対する愛着や親しみが薄れずにいるのは、そういったところにもあるのではないかと
 桜めぐりをしながら思いました。