TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

カッコウソウ咲く 鳴神山へ

2012-05-28 | 写真日記

群馬県桐生市にある標高980mの鳴神山は、この山だけに自生する日本固有種の花
カッコウソウが咲くということで、花を楽しみに出かけてきた。
カッコウソウはサクラソウ科の仲間で、5月にピンク色の美しい花を咲かせる。
だが、花は相次ぐ盗掘によって絶滅寸前となり、地元保存会の手により移植が行われ
そのご苦労のかいあってどうにか花は絶えずにいる。

いくつかある登山口のひとつ、コツナギ橋登山口より入山。

   

下山を大滝口にとって周回コースを歩こうと思い、林道中間地点の路肩に駐車。
雨上がりの爽やかな朝、卯の花が咲く沢沿いの林道を、「夏は来ぬ」を口ずさみながら歩く♪~(^ε^ )

  

10分ほど歩くとガードレールの小さな橋があり、その先に数台クルマがとめてあったので、
ここかな?と見ると、細い山道の入り口に小さくコツナギ橋登山口とあった。

 

  

コツナギ沢に沿って登る山道は、フカフカと落ち葉のクッションが効いた歩きやすい道で、
何度か沢を横切りながら緩やかに高度を上げていく。 沢を渡ってくる風が気持ちいい。

 

  

やがてポツンと咲くヤマブキソウの花に出会う。薄暗い樹林の中、山吹色の花がよく目立つ。

そして 
進むにつれてヤマブキソウは増えて、林床を点々と黄色く彩っていた。

 

  

ルイヨウボタンの小群落があった。地味な花だけど美しい。釣り糸を垂らしたウラシマソウ
どちらもなるほど!と思わせるネーミング。 ルイヨウボタンは「類用牡丹」と書き、葉が牡丹に
似ているから、ウラシマソウは、花から出る長い糸のようなものを浦島太郎の釣糸にたとえている。

 

   

すごく小さくて目立たない花、フタバアオイを初めて見た。
葉は、徳川家の家紋をデザインするのに使われたとは知っていたけど、こんなに
地味な花の葉がどうして家紋になったのか、いきさつが気になる。
しげしげと花を見て写真を撮っていたとき、「何かありますか?」と声をかけられた。
振り向くとビデオカメラを肩に担いでいて、カッコウソウの取材に来たNHKだった。
カッコウソウが咲いているか心配だったけど、NHKが花を撮りに来てるなら大丈夫。
それ、急げ!

 

  

カッコウソウ絶滅を危惧しての「種の保存法」が今年度5月1日に法律化され、採取したり傷をつけたり
すると、懲役一年以下、もしくは100万円以下の処罰となる旨の立て札があった。

 

    

本来カッコウソウは広葉樹林に自生していて、それが移植されていまは杉林に咲いている。
保存会のかたがパトロールをかねていらしてたのでお話を伺ってみると、やはり杉林での
生育は好ましくないとのことだった。杉の葉が落ちて花にかかることや、日照がさえぎられること
など、条件が花にとって厳しい。移植した当時は杉も小さかったので問題なかったらしい。

 

けれど、そうした条件のよくないなかでも、カッコウソウは健気に美しい花を咲かせていた。
保存会のかたがたの、花を守り育てる努力と情熱の賜だと思う。

 

 寒さがつづいた今年は開花が遅れ、見頃も例年より10日ほど遅く、この日16日でも
開花しているカッコウソウは少なめで、まだしばらくは花が楽しめそうだ。

 

鳴神山だけに咲くカッコウソウ、貴重な美しい花を多くの人たちがシェアして見る歓びを
いつまでも共有していくことができますよう願わずにいられない。

 

カッコウソウ咲く杉林をひと登り 
すると椚田峠で、ここから山頂へは明るい広葉樹林が広がる。

 

  

斜面にへばりつくように咲いていたフイリフモトスミレ。
花は小指の先に満たないほど小さく、葉脈に沿って白い斑が入っている。

 

山頂へつづく道は、眩いほどの明るい緑に包まれ、葉のひとつひとつが輝いている。
なんて気持ちのいい山道!

 

ヒメイワカガミが咲いていますよ 
来る途中でおしえてもらった花情報に、あたりを注意深く見ながら歩く。
ありました!白花のイワカガミ

  

花弁のフリンジも可愛らしく、岩場にひっそりと咲いていた。

 

 

一気に展望が開ける鳴神山頂、それまでまったく展望がなかったのが、ピークに立つと
360度の大展望となって、そのギャップにうれしさ倍増。緑のグラデーションもくっきりと、
若葉に萌える5月の山、素晴らしい眺め!

 

ちょうど昼時でもあって 
山頂は大入り満員。なんとか隙間を見つけて座り、おにぎり一個とお茶の素早い昼食にする。
山頂に集う皆さん、どなたもニコニコ笑顔で、山を楽しんでいる様子が見てとれる。
展望できる山々が方向板で示されていて、なんでもぐるり32山が眺められるという。

奥には男体山や白根山の白く輝く峰々が望めた。
初夏の陽射しが降りそそぐ山頂を満喫して下山にかかる。

 

  

山頂直下の急坂を下った真下に神社があって、鳥居をくぐった先で道は二つに別れていた。
右は駒形へ、もう一方が大滝へ下る道らしい。ここの杉林にもカッコウソウの移植地がある。
保護ロープをたどって上へと登ったところに、5株ほど開花しているのが見られたが、大半は
まだ咲いていない。 大滝への下山は岩ザクの歩きづらい道がつづく。この道はもう歩きたくない。
次に来るときは駒形から登ってみよう。

カッコウソウにヒメイワカガミ、めずらしい花が見られた鳴神山、山頂からの大展望も素晴らしく、
いい山だった。そうそう、この山にはカッコウソウ同様、ナルカミスミレというこの山のみ
見られる
すみれ(花は純白で茎は緑色)があったのだが盗掘により絶滅、いまや幻の花となってしまったそうだ。
また、絶滅が危ぶまれるヒイラギソウも見ておきたい花。まだ小さなつぼみだった。
ゆっくり花を見ながら歩いても4時間弱のコースタイムなので、また花の時期に来てみようと思う。

 


西表/牛に引かれて由布島へ

2012-05-21 | 写真日記

西表島最終日となった3日目は、予定どおり由布島の亜熱帯植物園へ。
朝からよく晴れて気温は28℃。

  

レンタカーで由布島へ向かう途中、車道片側の法面を赤く染めているのを何だろうと
見てみると、3cmほどの花がびっしり咲いていて、ハナチョウジ(ゴマハノグサ科)とあとでわかった。

 

  

対岸の由布島。  出番まで休憩して待つ水牛。

由布島は44年のエルシー台風によって大きな被害を受け、島の大半の人が
西表島に移り住んだ。けれど「島をパラダイスガーデンに」のロマンを描いて島に残った
老夫婦がいて、一頭の水牛で島に土や堆肥を運び、ヤシや花を植え続けた。その情熱に
動かされた人々の支援を得て現在の由布島となった。

  

由布島名物の水牛車、植物園入園料込み往復で¥1,300。
乗り込むやいなやトイレタイムで立ち止まる牛、一回にバケツ4、5杯の水を飲むとあって、
出し切るのにやたら時間がかかる。やっと動きだすも、また止まってこんどは大きい方のトイレ
タイム(´Д`)、同時に出発した一方の水牛車に大きく遅れをとる。さらに3度目のトイレタイム
をやらかし、お尻をペンペンされてようやく歩きだす。
馭者のおじい曰く、水牛車は歩くよりスピードが遅いです。。
長靴があれば歩いて渡ったほうがぜんぜん早い。

とはいえ、由布島開拓に 
おおいに貢献した水牛クンはいまも島のシンボル的存在として活躍している。

 

  ブーゲンビリアはじめ

 

  南国の花に彩られた園内

 

まずはちょうちょう園へ。 
真っ赤な花ペンタスで吸蜜中のオオゴマダラ

 

オオゴマダラは日本最大の蝶、ほんとうに大きな蝶でびっくりΣ(゜д゜lll)
ふわんふわんと大きな翅でゆっくりと優雅に飛ぶ姿が印象的。
幼虫の食草がホウライカガミやホウライトマといったアルカロイドの毒をもつ葉を食べることで
体内に毒をためこみ、他の動物からの捕食を防いでるとあって、それでコワイものなし、
ゆるゆる飛んでいてもダイジョウ~ブ、といったところなのか???

 

またオオゴマダラは蛹が美しいこと 
でも有名で、ジュエリーのような蛹が逆さまにぶら下がっていた。 白と黒でデザインされた
成虫も美しいが、金色に輝く蛹もまたそれにまして美しい! 自然がつくりだす美は驚異的。
ところで、蛹の金色は構造色といわれるもので、それ自身に色がついているのではなく
薄い膜が何層にも重なった多層膜による構造が光の干渉によって見える色だという。

 

 

  

散策路を飾るコダチハヤズカズラ、園内で数多く見られた。

 

 島内いたるところで目につく花
シロバナセンダングサ。 蝶はこの花が好きなのかよく訪花している。

 

広げたときのブルーの翅が綺麗な 
ヤクシマルリシジミ

 

 

 沖縄では赤花と呼ばれる
ブッソウゲ(仏桑花)別名ハイビスカス、誰でも知ってる南国の花。

 

これはフウリンブッソウゲ 
風鈴のように垂れ下がった花柄の先端に雄しべがついた雰囲気のあるつくり。

 

園内にはさまざまな蝶が飛んでいるも、カメラに収めるのは容易くなく、
ブーゲンビリア・ガーデン裏の草地でじっと立ち止まってチャンスを待つ。

  

アオタテハモドキの♂が♀をしつこく追い回している。♂はよく目立つブルーの翅で、
♀は地味なブラウン系の翅。なかには♀でもブルーの翅がいるそうだ。
写真では色がうまく出ていないが、実際は鮮やかな濃いブルー。

 

園内は当然のことながら暑い(~Q~;)。海に抜ける遊歩道があったので浜辺に出てみた。
樹木に囲まれた園内から抜け出た解放感、それに潮風が肌にきもちいい。
浜辺に広がるグンバイヒルガオ。朝顔に似たピンクの花が咲き始めたところ。

 

風のとおる涼しい場所に 
飛んでいたリュウキュウアサギマダラ。 影絵のような翅、浅葱色が涼やかで美しい蝶。

 

 光の角度によって翅のブルーが違って見える。

 

 

      

沖縄で最も親しまれている花ゲットウ。葉や種などいろいろに利用されている。
右の花は不明。

 

いろんな貝殻と熱帯魚を展示した小屋があった。
浜辺をビーチコーミングしたら綺麗な貝殻が見つかるかもしれない。

貝殻を集めて吊るしたタペストリー  
波の音が聴こえてきそう、、、欲しくなってしまった、カワイ~

 

由布島を2時間ほど散策して、また水牛車に乗り渚を渡る。
帰りの乗船時間まで残すところ3時間。仲間川林道を散策する予定だったが、時間
の余裕が厳しいので上原港に戻ることにした。
途中、マングローブが繁る川の河口に駐車スペースがあったので寄ってみる。

  

海を見渡す展望台とマングローブの森へ延びる遊歩道がある海岸の森。

 

   

森ではヒヨドリバナにとまるアサギマダラやリュウキュウヒメジャノメが見られた。

 

川の河口となる岩場にはアオスジアゲハが 
ピュンピュンと飛び回っている。ナーラ滝でもたくさんのアオスジアゲハを見かけた。
この蝶は速いスピードで飛び、なかなか止まってくれないからシャッターチャンスがない。
しばらく飛ぶのを眺めていると、一頭が地面に止まって吸水、そのわずかな瞬間にダメもとで
シャッターを切ったらナントカ一枚だけ撮れた。

 

 涼しげな色あいの花、キキョウラン

 

    

ユニークな名前のナンバンギセル、見たいと思っていた花を西表で見ることが
できた。 葉緑素を持たないため光合成によって成育することができず、ススキ
など他の植物に寄生して養分を得る寄生植物の一つ。山歩きでは見かけたこと
がなかったが、ここでは車道の縁に繁る草むらに連なって生えていた。

 

                                      

 

上原港の近くのカフェでトーストにコーヒーの昼食を流し込み、急ぎレンタカーを
返却。レンタカーの受付で10分後に出る船に乗ると言うと、すぐにクルマを出して
目と鼻の先にある乗船場へ送ってくれた。ありがたや。

自然たっぷりの西表島を堪能するにはあまりに短く、ほんのサワリだけに終わったが、
初めて訪れてみて、短い日程なりに楽しめた。
蝶の種類の多さひとつとってみても、長い時間をかけて楽しめる要素がいっぱいだし、
島のあちこち、自然観察しながら歩いてみるのも面白そうだ。
とても遠いところだけど、またぜひ行きたい。


九鬼山

2012-05-15 | 写真日記

かれこれ20年ぶりに登る九鬼山、急傾斜の山道を降ったくらいの記憶しかなく、
登山口もどこだったか覚えていない。
とりあえず、
壬生駅と田野倉駅の間にある踏切を渡り、山に向かって進むと、
道路右手に駐車スペースが見えてきて、その少し先が登山口だった。

  

駐車場には桜の木が植わっていて、まだ半分ほど咲いている。
濃い紅色の蘂がよく目立つこの桜は何だろう?

 

九鬼山登山口 
道路を直進すると札金峠(ふだかねとうげ)で、右に入る山道は池の山コースと道標にある。
ヨシ、池の山コースを行くとしよう。まずは沢を渡って樹林の中へ。

 薄暗い樹林の山道には
ピンクの濃淡がきれいなイカリソウが点々と咲いている。

 

明るい尾根道に出ると、木が刈りはらわれた展望地があって、麓の景色と工事中のリニアが見渡せる。

 

足元にはアカネスミレが 

 あっちにもこっちにも。

山路きて 何やらゆかし すみれ草、、、芭蕉の句が思いだされる。

 

そして2番目の展望地に着くと、リニアの線路がさらに近くに見えるようになる。

 

  

芽吹きのはじまった山道を、春の陽射しに包まれながら歩く。
やがて壬生駅からの登山道が合流。ここから九鬼山まで50分とある。
暗い樹林になると急登となり、杉山新道を登りつめ、コースタイムどおりに山頂到着。

雲が広がって山頂からの眺めはよくない。
朽ちた丸太を並べたベンチというかテーブルがあるのみの寂しい山頂。
それでもいまは山梨百名山の杭が立てられているが、以前は手製の立札があるのみだった。

 

  

山頂から馬立山方向に歩きだす。センボンヤリが登山道に沿ってポツポツ咲いている。
この小さな花は春と秋の2回花をつけるそうで、秋の花はつぼみのまま終わる閉鎖花で
春のものとはぜんぜん違う。秋のセンボンヤリ、注意して見てみなくては、。

山頂からの山道は、右は猿橋駅、左が馬立山方向。

 

道に鮮やかなピンクの花が落ちているのを見つけ、ハッとして上を見ると、
ミツバツツジが咲いているではないの、、、たまには上も見なくちゃね~

 

  

山腹をトラバースする道はザレ場もあるが、親切なトラロープが渡してある。
前も後も物音ひとつしない静かな山道、うっかり道を踏み外さないよう注意しながら進む。
斜面にはぽつりぽつりスミレが咲いている。

  

シロバナナガバナノスミレサイシンと薄紫色のナガバノスミレサイシン

 

上のとは花弁の色が 
微妙に違うナガバノスミレサイシン
 

 

 これはマルバスミレ

 

そしてコレは?? 

 

キュートなピンクが際立つアケボノスミレ美しき三姉妹、
撮る角度をナントカしたいものの、滑り落ちそうな場所でどうにもならず…

 

 ユキザサはまだ堅いつぼみ

 

  

ひと休みしていきたくなる伸びやかな休憩スポット紺屋の休場と先につづく尾根道。

陽だまりの尾根道ではクサボケが陽射しを 
浴びて輝いている。気持ちよさそう~

 

   
道は杉林になって分岐を直進すると馬立山。左に降って田野倉へ。
降っていく足もとにはジュウニヒトエが連なって咲いている。

 

山道も終盤にさしかかる頃、山桜が谷に迫り出すように枝を広げていた。
淡い緑に染まる山肌に、ほんのり霞むような白さを添えていた。

 

 

  林道の出口のところで、お疲れさま!と
言ってくれるかのようにヤマブキが風に揺れている。眩しいほどに明るい黄色の花びらに
元気が湧いてくる。

 

やっぱ黄色はいいなぁ~ 
などと思いながら林道を歩いていたとき、ガードレールにとまった鳥が目に入った。
黄色いお腹のキセキレイだ。 沢の流れに沿って林道を進むと、

 

 

      

林道の法面にもタチツボスミレやマルバスミレ、アカネスミレがかたまって咲いている。
左の紫色が濃い、このスミレは何だろう?

のんびり一周して登山口へ戻ってきた。
寒い日が多かったせいか、思ったより花が少ない九鬼山だったけれど、ヤマザクラや
マメザクラなど桜が楽しめてよかった。
桜といえば、来る途中にソメイヨシノが満開で綺麗なところがあった。

 

峠道にある集落の川沿いに並ぶ桜 

 

4月も終りちかくになってお花見ができた。 山の春はこれから本番。 

 


西表島 仲良川からナーラの滝へ

2012-05-09 | 写真日記

西表の2日目は、白浜港よりシーカヤックで仲良川を上流へとパドリング、
さらにジャングルトレッキングでナーラ滝へ向かう。

ホタルの夕べから明けて翌朝はまずまずの天気

  

9時、ガイドさんお迎えのクルマで白浜港へ。  ひっそりとした朝の白浜集落。

 

 トレーラーに積まれた2艇のカヤック、
リバーカヤックとシーカヤックのうち、スピードの速いシーカヤックを使用。

出発の準備をしている間に 
空に雨雲がかかる。 シマッタ/(-_-)\、晴れてたからカッパを持ってこなかった、。
パラパラ~~ 雨が降りだすも、出発と同時に止む。
なんてったって最強晴れ女がいるからには、雨雲も離れざるをえない、、(^Д^)

海から川に入るまでは風が強く吹きつけ、何度か帽子が飛ばされる。
それっ、パドルパドル! 

 マングローブの森が広がる川

川に入ると風は穏やかになり、のんびりした気分に浸れる。ユーコン川カヌートリップ以来、
かれこれ15年ぶりになるパドリング、アメンボのごとく水面と一体になって進むカヌーの
心地よさが甦ってくる。これほどスローな乗り物もないんじゃないか、そう思えるほどに豊かな
時の流れを得られるのがいい。

  

赤い花をつけた木はオヒルギ。マングローブを構成する代表的な常緑高木。
枝から垂れ下がっている棒のようなものは種子で、胎生種子といい、ヒルギ類は木にぶら下がって
いる間に、根の元となる担根体(たんこんたい)を長く伸ばし、地面に落下後すぐに根を伸ばす
仕組みになっているそうだ。それで、落ちたときズボッと突き刺さりやすいような形をしているのかな?

 

  

1時間ほど漕いで中間地点に達したところで、休憩をとるためマングローブの森の中へ入る。
ここは午後になると干上がって、カヌーで進入できなくなるそうだ。

静かさのなか、アカショウビンの鳴き声が聴こえてくる。♀と♂では鳴き声が違う。
前方の枝にとまっているアカショウビンを発見! 一眼を持ってこなかったことを後悔(´Д`)
水没やらを心配してコンデジのみ持参したのだが、こういう時に役に立たない。
あっちにもこっちにもアカショウビンがいたのにぃ~~(´;ω;`)

 

 マングローブの森にカヌーをとめ、20分休憩。
そのときガイドさんからいただいたのが黒糖。口に含むと自然な甘さが溶けてひろがり
甘すぎることなく、ミネラルウォーターとの相性もイイ。 サトウキビを煮詰めただけの素朴な
食べ物だが、ビタミンやミネラルも含んでいて、アウトドアの行動食としても重宝すると思う。

 

オキナワシャリンバイ、別名モッコクモドキ 
とも呼ばれるバラ科の花

 

コンロンカ(崑崙花) 
白い葉のようなのは萼片で、花は黄色い星形をしている。

川岸には亜熱帯特有の植物がいろいろ見られ、一本だけだったが淡いピンクの花をつけたセイシカもあった。
マングローブの森を構成するヒルギも種類が数ある。ガイドさんがその都度名前をおしえてくれたものの
てんで覚えられない(~_~;)

 

  

白浜港からカヌーを漕いで2時間、川幅はだんだんと狭まり、やがてトレッキングポイントに着いた。

 

  

ここからナーラの滝まで30分、葉に覆われ、ジメジメした森の中を進む。いつもの山道と違い
伸び放題の葉が空を塞ぎ、あたりに迫ってくるので閉塞感があり息苦しさを感じる。
単独で歩くのは嫌だなぁと思った。

  

シダの葉もサイズがやたら大きいのがある。 葉の先がクルっとカール、これから開くのかな?
日本にはおよそ700種類のシダがあって、そのうちの200種が西表島に生えてるそうだ。

 

岩を乗り越えたり、沢をジャブジャブと歩いて進むうち、ジャングルがぽっかり開け
奥に滝が見えてきた。 この辺り、アオスジアゲハがたくさんいる。

 

沢沿いの岩場に 
群生しているヤエヤマスミレ。

   

左と右、葉の形がやや異なり、左の菱形をヤエヤマスミレ、右をイリオモテスミレ
区別するらしい。 真っ白な花弁の繊細なすみれだ。滝壷周辺でたくさん見られた。

 

ナーラの滝到着! 滝壷の周囲は明るく、砂岩のナメが張出していて休憩するのにいい。

 

  

滝を前に昼食の準備をするガイドの高野さん。メニューは八重山そば。
とても丁寧に作ってくださいました。

  

さあ、アッツアツの八重山そばが出来上がりました! いっただきま~す。
具に使用した細長い葉ですが、来る途中で現地調達してきた木の若芽。島ラー油も添えて。
味は、もうもうめっちゃオイシイです!
マイナスイオンいっぱい、滝の飛沫を浴びながらいただくアツアツの蕎麦、空きっ腹にしみわたる
旨さよ! これぞアウトドアの醍醐味
ちなみに数あるエコツアーの中から選んだポイントは、ガイド手作りの昼食付き。
弁当のところもありましたから、、。
ワイルドジャーニー高野さん、ゴハンも美味しく、いろいろ知識も豊富で楽しめました。

 

  

ナーラの滝でゆっくり過ごしたのち、来た道を引き返します。
晴れたり曇ったりのお天気でそれほど暑さを感じることもなく、たまにパラつく通り雨を木陰で
やり過ごして川を下っていく。 帰るときは川の水が引き、マングローブの根元が現れていた。
干潟ができたところには、大量の白い小さなカニがうごめいている。 
カニに近づくと、彼らは気配を感じてすぐに砂の中に逃げ込む。なかなか素早い。

中州に佇みコーヒーブレイク。川面を渡る風が、コーヒーの芳しい香りを運んでくる。
もう写真を撮るのも億劫になり、ただ風景に同化し、コーヒーを啜る。
日常では得られない静けさと、ごくゆったりとした時の流れに身を置くことができる川旅は素敵だ。

西表島の自然を肌で感じることができた楽しい一日だった。

 

ペンションに帰りすぐに夕食 
入浴後爆睡。 次回につづく