うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#62 【両エースの力】

2009-02-28 | #03 県決勝 選抜編
海南 72
陵南 63




海南のスローインから、開始。

「ん!?」




「陵南がゾーンだーー!!」

「いや、違う!!神にボックスワンだ!!」




「牧のペネトレイト、清田のドライブ、神の外を封じにきたか。」

「常套手段だな。だが、これで、牧を押えられるとは思えん。」

三井と赤木が話す。




牧がドリブルしながら、つぶやく。

「甘い。」


『キュ!』




「牧が突っ込んだーー!!」

「ペネトレイト!!」




前には、仙道が立ちはだかる。


『ダッダッダ!』


『キュ!!』


『ダムダム!!』


ハーキーから、キラークロスオーバーを仕掛ける牧。

仙道の重心バランスが崩れる。


(ぬっ!)


『キュ!』


その一瞬の隙を牧は見逃さない。




「牧が抜いたーーー!!」




福田、越野がヘルプにいく。


「福田、行くなーー!!」


3ファウルしている福田を越野が強引に押しのけ、牧に接触する。


『ドン!!』


『シュ!!』


だが、越野は吹っ飛ばされ、牧はシュートを放つ。



『ザシュ!!』




『ビィーーー!!』


「バスケットカウントーー!白#4プッシング!!」




「出たーー!牧の3点プレー!!」




「止められねー。」

越野が冷や汗を流す。


「わりー、抜かれちまった。」

苦笑いをする仙道であったが、心中は穏やかではない。

(さすがに強いな。だが、次はとめる。)



フリースローをなんなく決め、12点差となる。




海南 75
陵南 63




『キュ!』


『キュ!キュキュ!!』




「来たな。」

と花形。

「あぁ、当然だ。」

藤真が答える。




「キターーー!海南のオールコート!!」

「一気に決める気だーー!!」




「腰を低く、足を動かせ!15点差をつけるぞ!」

「おう!」




山岡には神、越野に清田、菅平に小菅、福田に高砂、仙道には牧がつく。




「ナメんなー!」

越野の声が高ぶる。



素早く、仙道にボールを入れる。



『キュ!』


牧が間合いをつめ、清田が囲いにかかる。



『ダムダム・・・。』


低い姿勢から、二人の間を縫うように、切れ込む。



「させるか!!」

清田が、ドリブルカットに狙う。



だが。




「レッグスルー!!」

「清田を抜いたーー!」




「くそ!」



牧が叫ぶ。

間合いをつめる。


「甘いぞ、仙道!」



『キュ!』



「何!?」



『ダム!!』




「キラークロスオーバーだーー!!」

「仙道がやり返したーー!!」




清田と牧を抜き去る仙道。

ドリブルの速度が増す。



『ダムダム!!』


神がヘルプにいく。



『バン!』


神の動きに素早く反応した仙道は、山岡にノールックバウンドパスを放ち、神を抜く。



『バチン!』


山岡は、仙道の考えを感じ取っているかのように、そのまま仙道にパスを弾き返した。




「神も抜かれたぞ!!」




仙道の汗が、ほとばしる。


清田、牧が仙道を追いかけるが、仙道のスピードは落ちない。




「小菅、ファウルだ!仙道を止めろ!!」

牧が叫ぶ。

(仙道にこれ以上調子付かせてはいかん!!)



小菅が仙道を掴みにいく。




「仙道さん、危ない!!」




だが。



最高速のバックロールで、小菅を置き去りにする。

ファウルさえさせない。




「ありえへん・・・。ミラクルアンビリーバブルーや・・・。」




会場全体が、仙道に釘付けである。

「仙道、止まらない!!」

「4人抜きだー!!」




「イカすわ、仙道君。」

記者席の弥生の目は、ハートになっている。




ゴール下では、3ファウルの高砂が待ち構えている。


『ダムダム・・・。』


『ダン!!』




仙道が、フリースローラインから、大きく踏み込んだ。

選手、両ベンチ、観客全ての人が、仙道に視線を注いでいる。




「あっ!」

「まさか・・・!!」

「フリースローから??」




仙道が、宙を舞っている。



高砂は、なすすべがない。



会場が静まり返った。



仙道が、ボールをワンハンドで掴む。



そして。



『ドガァァァァーー!!』



『ギシギシ・・・』



『ダン・・・ダンダンダン・・・』



『トン!』



リングの軋む音が、ボールの転がる音が、仙道が着地する音が会場に響いた。



「ふぅーーー。」

仙道が一息。



同時に・・・。




「うおぉぉぉぉーーーー!!」

「ワンハンドダンクーーー!!」

「5人抜きーーーーー!!!!」

「仙道ぉぉぉぉーーー!!!!」




本日一番の歓声が、会場を包み込んだ。

コート上の全ての音がかき消される。




「仙道!!」

「仙道さん!!」

陵南の選手、ベンチが、仙道のプレーに歓声をあげる。


「せんどうぉざーん」

彦一は泣いている。


「まだまだ、これからだ。」にこり。

仙道が仲間に微笑みかける。



「さぁ、行こーか。」



「おう!!!!!」

陵南選手の目が再び輝き始めた。



逆転に向け、仙道を中心に、陵南が動き始める。




対する海南ベンチの高頭は・・・。


『ボキッ!』

扇子を折っていた。


「%&#@:*$・・・」

なにやら言葉にならない言葉を発しながら、暴れている。




コートにいる海南選手は・・・。

「全国2位の海南に恥をかかせやがって。」

清田が怒鳴った。


「・・・。」

小菅、高砂は口を閉じている。


「さすが、仙道ってところですね。あいつは、紛れもなく全国でも通用する男です。
でも、1人抜かれようが、5人抜かれようが、2点は2点です。
これからは引いて、しっかりハーフで守りましょう。勝つのは俺たちです。ね、牧さん?」

「あぁ、神のいうとおりだ。5人抜かれたことは、常勝海南において、歴史上類を見ない屈辱だ。
だが、それもこの勝負に勝ち全国に行けば、帳消し。
今まで以上に、足を動かせ、走りぬけ、今年は俺たちが日本一になるチームだ。いくぞ!!」

「おう!!!」



(うちを相手に5人抜く仙道のスキルには、正直言葉もでない。
だが、神のこの精神力の強さ、冷静さにも本当に驚かされる。
つくづくおまえが味方でよかったと思うよ。)

神を見つめる牧。



牧の3点プレーで始まった第4Q、海南がこのまま勢いを増し、陵南を突き放すと思われたが、
仙道の5人抜きダンクが、逆転への狼煙をあげる。

最終Q早々の両エースの美技で、会場のボルテージは一気にあがった。




海南 75
陵南 65







続く。