海南 72
陵南 63
海南のスローインから、開始。
「ん!?」
「陵南がゾーンだーー!!」
「いや、違う!!神にボックスワンだ!!」
「牧のペネトレイト、清田のドライブ、神の外を封じにきたか。」
「常套手段だな。だが、これで、牧を押えられるとは思えん。」
三井と赤木が話す。
牧がドリブルしながら、つぶやく。
「甘い。」
『キュ!』
「牧が突っ込んだーー!!」
「ペネトレイト!!」
前には、仙道が立ちはだかる。
『ダッダッダ!』
『キュ!!』
『ダムダム!!』
ハーキーから、キラークロスオーバーを仕掛ける牧。
仙道の重心バランスが崩れる。
(ぬっ!)
『キュ!』
その一瞬の隙を牧は見逃さない。
「牧が抜いたーーー!!」
福田、越野がヘルプにいく。
「福田、行くなーー!!」
3ファウルしている福田を越野が強引に押しのけ、牧に接触する。
『ドン!!』
『シュ!!』
だが、越野は吹っ飛ばされ、牧はシュートを放つ。
『ザシュ!!』
『ビィーーー!!』
「バスケットカウントーー!白#4プッシング!!」
「出たーー!牧の3点プレー!!」
「止められねー。」
越野が冷や汗を流す。
「わりー、抜かれちまった。」
苦笑いをする仙道であったが、心中は穏やかではない。
(さすがに強いな。だが、次はとめる。)
フリースローをなんなく決め、12点差となる。
海南 75
陵南 63
『キュ!』
『キュ!キュキュ!!』
「来たな。」
と花形。
「あぁ、当然だ。」
藤真が答える。
「キターーー!海南のオールコート!!」
「一気に決める気だーー!!」
「腰を低く、足を動かせ!15点差をつけるぞ!」
「おう!」
山岡には神、越野に清田、菅平に小菅、福田に高砂、仙道には牧がつく。
「ナメんなー!」
越野の声が高ぶる。
素早く、仙道にボールを入れる。
『キュ!』
牧が間合いをつめ、清田が囲いにかかる。
『ダムダム・・・。』
低い姿勢から、二人の間を縫うように、切れ込む。
「させるか!!」
清田が、ドリブルカットに狙う。
だが。
「レッグスルー!!」
「清田を抜いたーー!」
「くそ!」
牧が叫ぶ。
間合いをつめる。
「甘いぞ、仙道!」
『キュ!』
「何!?」
『ダム!!』
「キラークロスオーバーだーー!!」
「仙道がやり返したーー!!」
清田と牧を抜き去る仙道。
ドリブルの速度が増す。
『ダムダム!!』
神がヘルプにいく。
『バン!』
神の動きに素早く反応した仙道は、山岡にノールックバウンドパスを放ち、神を抜く。
『バチン!』
山岡は、仙道の考えを感じ取っているかのように、そのまま仙道にパスを弾き返した。
「神も抜かれたぞ!!」
仙道の汗が、ほとばしる。
清田、牧が仙道を追いかけるが、仙道のスピードは落ちない。
「小菅、ファウルだ!仙道を止めろ!!」
牧が叫ぶ。
(仙道にこれ以上調子付かせてはいかん!!)
小菅が仙道を掴みにいく。
「仙道さん、危ない!!」
だが。
最高速のバックロールで、小菅を置き去りにする。
ファウルさえさせない。
「ありえへん・・・。ミラクルアンビリーバブルーや・・・。」
会場全体が、仙道に釘付けである。
「仙道、止まらない!!」
「4人抜きだー!!」
「イカすわ、仙道君。」
記者席の弥生の目は、ハートになっている。
ゴール下では、3ファウルの高砂が待ち構えている。
『ダムダム・・・。』
『ダン!!』
仙道が、フリースローラインから、大きく踏み込んだ。
選手、両ベンチ、観客全ての人が、仙道に視線を注いでいる。
「あっ!」
「まさか・・・!!」
「フリースローから??」
仙道が、宙を舞っている。
高砂は、なすすべがない。
会場が静まり返った。
仙道が、ボールをワンハンドで掴む。
そして。
『ドガァァァァーー!!』
『ギシギシ・・・』
『ダン・・・ダンダンダン・・・』
『トン!』
リングの軋む音が、ボールの転がる音が、仙道が着地する音が会場に響いた。
「ふぅーーー。」
仙道が一息。
同時に・・・。
「うおぉぉぉぉーーーー!!」
「ワンハンドダンクーーー!!」
「5人抜きーーーーー!!!!」
「仙道ぉぉぉぉーーー!!!!」
本日一番の歓声が、会場を包み込んだ。
コート上の全ての音がかき消される。
「仙道!!」
「仙道さん!!」
陵南の選手、ベンチが、仙道のプレーに歓声をあげる。
「せんどうぉざーん」
彦一は泣いている。
「まだまだ、これからだ。」にこり。
仙道が仲間に微笑みかける。
「さぁ、行こーか。」
「おう!!!!!」
陵南選手の目が再び輝き始めた。
逆転に向け、仙道を中心に、陵南が動き始める。
対する海南ベンチの高頭は・・・。
『ボキッ!』
扇子を折っていた。
「%&#@:*$・・・」
なにやら言葉にならない言葉を発しながら、暴れている。
コートにいる海南選手は・・・。
「全国2位の海南に恥をかかせやがって。」
清田が怒鳴った。
「・・・。」
小菅、高砂は口を閉じている。
「さすが、仙道ってところですね。あいつは、紛れもなく全国でも通用する男です。
でも、1人抜かれようが、5人抜かれようが、2点は2点です。
これからは引いて、しっかりハーフで守りましょう。勝つのは俺たちです。ね、牧さん?」
「あぁ、神のいうとおりだ。5人抜かれたことは、常勝海南において、歴史上類を見ない屈辱だ。
だが、それもこの勝負に勝ち全国に行けば、帳消し。
今まで以上に、足を動かせ、走りぬけ、今年は俺たちが日本一になるチームだ。いくぞ!!」
「おう!!!」
(うちを相手に5人抜く仙道のスキルには、正直言葉もでない。
だが、神のこの精神力の強さ、冷静さにも本当に驚かされる。
つくづくおまえが味方でよかったと思うよ。)
神を見つめる牧。
牧の3点プレーで始まった第4Q、海南がこのまま勢いを増し、陵南を突き放すと思われたが、
仙道の5人抜きダンクが、逆転への狼煙をあげる。
最終Q早々の両エースの美技で、会場のボルテージは一気にあがった。
海南 75
陵南 65
続く。
陵南 63
海南のスローインから、開始。
「ん!?」
「陵南がゾーンだーー!!」
「いや、違う!!神にボックスワンだ!!」
「牧のペネトレイト、清田のドライブ、神の外を封じにきたか。」
「常套手段だな。だが、これで、牧を押えられるとは思えん。」
三井と赤木が話す。
牧がドリブルしながら、つぶやく。
「甘い。」
『キュ!』
「牧が突っ込んだーー!!」
「ペネトレイト!!」
前には、仙道が立ちはだかる。
『ダッダッダ!』
『キュ!!』
『ダムダム!!』
ハーキーから、キラークロスオーバーを仕掛ける牧。
仙道の重心バランスが崩れる。
(ぬっ!)
『キュ!』
その一瞬の隙を牧は見逃さない。
「牧が抜いたーーー!!」
福田、越野がヘルプにいく。
「福田、行くなーー!!」
3ファウルしている福田を越野が強引に押しのけ、牧に接触する。
『ドン!!』
『シュ!!』
だが、越野は吹っ飛ばされ、牧はシュートを放つ。
『ザシュ!!』
『ビィーーー!!』
「バスケットカウントーー!白#4プッシング!!」
「出たーー!牧の3点プレー!!」
「止められねー。」
越野が冷や汗を流す。
「わりー、抜かれちまった。」
苦笑いをする仙道であったが、心中は穏やかではない。
(さすがに強いな。だが、次はとめる。)
フリースローをなんなく決め、12点差となる。
海南 75
陵南 63
『キュ!』
『キュ!キュキュ!!』
「来たな。」
と花形。
「あぁ、当然だ。」
藤真が答える。
「キターーー!海南のオールコート!!」
「一気に決める気だーー!!」
「腰を低く、足を動かせ!15点差をつけるぞ!」
「おう!」
山岡には神、越野に清田、菅平に小菅、福田に高砂、仙道には牧がつく。
「ナメんなー!」
越野の声が高ぶる。
素早く、仙道にボールを入れる。
『キュ!』
牧が間合いをつめ、清田が囲いにかかる。
『ダムダム・・・。』
低い姿勢から、二人の間を縫うように、切れ込む。
「させるか!!」
清田が、ドリブルカットに狙う。
だが。
「レッグスルー!!」
「清田を抜いたーー!」
「くそ!」
牧が叫ぶ。
間合いをつめる。
「甘いぞ、仙道!」
『キュ!』
「何!?」
『ダム!!』
「キラークロスオーバーだーー!!」
「仙道がやり返したーー!!」
清田と牧を抜き去る仙道。
ドリブルの速度が増す。
『ダムダム!!』
神がヘルプにいく。
『バン!』
神の動きに素早く反応した仙道は、山岡にノールックバウンドパスを放ち、神を抜く。
『バチン!』
山岡は、仙道の考えを感じ取っているかのように、そのまま仙道にパスを弾き返した。
「神も抜かれたぞ!!」
仙道の汗が、ほとばしる。
清田、牧が仙道を追いかけるが、仙道のスピードは落ちない。
「小菅、ファウルだ!仙道を止めろ!!」
牧が叫ぶ。
(仙道にこれ以上調子付かせてはいかん!!)
小菅が仙道を掴みにいく。
「仙道さん、危ない!!」
だが。
最高速のバックロールで、小菅を置き去りにする。
ファウルさえさせない。
「ありえへん・・・。ミラクルアンビリーバブルーや・・・。」
会場全体が、仙道に釘付けである。
「仙道、止まらない!!」
「4人抜きだー!!」
「イカすわ、仙道君。」
記者席の弥生の目は、ハートになっている。
ゴール下では、3ファウルの高砂が待ち構えている。
『ダムダム・・・。』
『ダン!!』
仙道が、フリースローラインから、大きく踏み込んだ。
選手、両ベンチ、観客全ての人が、仙道に視線を注いでいる。
「あっ!」
「まさか・・・!!」
「フリースローから??」
仙道が、宙を舞っている。
高砂は、なすすべがない。
会場が静まり返った。
仙道が、ボールをワンハンドで掴む。
そして。
『ドガァァァァーー!!』
『ギシギシ・・・』
『ダン・・・ダンダンダン・・・』
『トン!』
リングの軋む音が、ボールの転がる音が、仙道が着地する音が会場に響いた。
「ふぅーーー。」
仙道が一息。
同時に・・・。
「うおぉぉぉぉーーーー!!」
「ワンハンドダンクーーー!!」
「5人抜きーーーーー!!!!」
「仙道ぉぉぉぉーーー!!!!」
本日一番の歓声が、会場を包み込んだ。
コート上の全ての音がかき消される。
「仙道!!」
「仙道さん!!」
陵南の選手、ベンチが、仙道のプレーに歓声をあげる。
「せんどうぉざーん」
彦一は泣いている。
「まだまだ、これからだ。」にこり。
仙道が仲間に微笑みかける。
「さぁ、行こーか。」
「おう!!!!!」
陵南選手の目が再び輝き始めた。
逆転に向け、仙道を中心に、陵南が動き始める。
対する海南ベンチの高頭は・・・。
『ボキッ!』
扇子を折っていた。
「%&#@:*$・・・」
なにやら言葉にならない言葉を発しながら、暴れている。
コートにいる海南選手は・・・。
「全国2位の海南に恥をかかせやがって。」
清田が怒鳴った。
「・・・。」
小菅、高砂は口を閉じている。
「さすが、仙道ってところですね。あいつは、紛れもなく全国でも通用する男です。
でも、1人抜かれようが、5人抜かれようが、2点は2点です。
これからは引いて、しっかりハーフで守りましょう。勝つのは俺たちです。ね、牧さん?」
「あぁ、神のいうとおりだ。5人抜かれたことは、常勝海南において、歴史上類を見ない屈辱だ。
だが、それもこの勝負に勝ち全国に行けば、帳消し。
今まで以上に、足を動かせ、走りぬけ、今年は俺たちが日本一になるチームだ。いくぞ!!」
「おう!!!」
(うちを相手に5人抜く仙道のスキルには、正直言葉もでない。
だが、神のこの精神力の強さ、冷静さにも本当に驚かされる。
つくづくおまえが味方でよかったと思うよ。)
神を見つめる牧。
牧の3点プレーで始まった第4Q、海南がこのまま勢いを増し、陵南を突き放すと思われたが、
仙道の5人抜きダンクが、逆転への狼煙をあげる。
最終Q早々の両エースの美技で、会場のボルテージは一気にあがった。
海南 75
陵南 65
続く。