うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#63 【シーソーゲーム】

2009-03-02 | #03 県決勝 選抜編
海南 75
陵南 65




「5人抜きって嘘だろ?相手は、全国2位の海南だぜ。」

冷や汗を流している三井。


「信じられないが、目の前で起こった。」

花形が目を丸くしていう。


「仙道は沢北級・・・、なのか・・・。」

今まで冷静に分析していた赤木も驚きを隠せない。


「牧、負けるなよ。お前を倒すのは俺だ。」

牧・藤真時代の終焉を感じずにはいられない藤真。


「あいつを、仙道を全国に行かせてやりたい!!」

魚住の拳が震えている。



5人の心に共通の想いがよぎる。



(仙道は牧を超えるのか?)




「・・・。」

言葉も出ない中村。


「イカし過ぎるわ・・・。」

記者ということを忘れ、女性として仙道を見つめいてる弥生。

ともに棒立ちである。




「全力で陵南を叩く!気合入れて、行くぞ!!走り負けるな!!」

「おう!!」


牧を先頭に、神、清田、小菅、高砂が、陵南コートに駆け上がる。



「これからだ。さぁ、行こう。」

「おう!!」


仙道を中心に、越野、福田、菅平、山岡がディフェンスポジションにつく。




「仙道がすげーー!!!」

「海南が負けるかもしれないぞーーー!!」

「いけーー!!陵南ーーー!!」




そして・・・。



観客を味方につけた陵南が、怒涛の追い上げを見せ、
第4Qの半分が過ぎたころには、10点差あった点差を3点に縮めていた。


初めに動いたのは、海南ベンチ高頭。

ゴール下を支配できない海南は、小菅に代え、4ファウルの武藤を投入し、3アウトのオフェンスに戻す。

その武藤が、鬼気迫るポストプレーで、菅平から4つめのファウルを誘い、
続けざまに、牧が菅平に絡むバスケットカウントを奪った。



菅平退場・・・。

6点差。

試合時間は、残り4分・・・。



陵南にとっては、厳しい現実が突きつけられる。




「ここで菅平の退場はきついぞ!!」

「やっぱり、海南かーーー!!」




海南の勝利を確信したかのように、観客が沸く。

だが、海南選手、ベンチは、決して表情を変えない。

目には、今まで以上の気迫がこもっている。


(バスケは、最後までわからねぇ。)

(うちには仙道がいる・・・。)


陵南田岡は、植草を投入。

PGを植草に代え、仙道をFに戻し、全てを託した。




(仙道、任せたぞ。)

田岡が、祈る思いで仙道を見つめる。




対する海南は、仙道に清田がマッチアップするボックスワンで、陵南のフィニッシャーをつぶす。




「清田、仙道にシュートを打たれてもかまわん。ただ、絶対楽に打たせるな。
外れれば、リバウンドはうちのもんだ!」

高頭が、折れた扇子を握り締め、コート上の選手を見つめる。




だが。



『シュパ!』



「嘘だろ?今、触ったぞ。」


「・・・。」


清田が仙道の腕を叩くも、死角になり、審判の笛はならない。

叩かれたにも関わらず、高い打点で放った仙道のジャンプシュートはネットを揺らす。



4点差。




「マンツーでは、陵南はサイズで分が悪い。」

観客席の赤木が分析。




田岡の指示が飛ぶ。

「越野!」




越野が神にマッチアップ、4人が2-2のゾーンを組むボックスワンにディフェンスを変更。


だが、海南は、24秒をフルに使い確実にフィニッシュに持ち込む。



牧のペネトレイトから清田を経由して、高砂へ。


「高砂、ナイッシュ!」


再び、6点差。

点差は縮まらない。



『ガン!』

仙道のジャンプシュートが外れる。



「あったりめーだ!」

清田が決死のディフェンス。



『トン。』


『シュパ!』


武藤の上から、福田のチップイン。


「何!?」



「うぉぉぉーーー!」

福田が吼える。



4点差。



牧が、高砂、武藤にスクリーンアウトを指示。



海南のオフェンス。

冷静なアウトサイド陣のパスワークから、牧がパワードリブルで切り込む。

植草、山岡、仙道3人がかりで囲みにかかる。



「ガラあきだ。」

牧は神を見ながら、神とは反対方向へボールを落とす。



「もらったーー!!」



『ドガァァァァ!!!』




「清田のダンクーー!」

「あいつ、飛びすぎだろーーー!!」




盛り上がる海南ベンチ。

高頭を初め、ベンチに座っているものなど誰もいない。



対照的に、陵南のベンチは、静かにコートに目を向け、座っている。

決して、意気消沈しているのではない。

待っているのである。

信じているのである。

陵南が、仙道が、海南を逆転するときを。



だが、陵南に重くのしかかる6点差。

試合は、残り時間2分となっていた。




海南 82
陵南 76







続く。