海南 75
陵南 65
「5人抜きって嘘だろ?相手は、全国2位の海南だぜ。」
冷や汗を流している三井。
「信じられないが、目の前で起こった。」
花形が目を丸くしていう。
「仙道は沢北級・・・、なのか・・・。」
今まで冷静に分析していた赤木も驚きを隠せない。
「牧、負けるなよ。お前を倒すのは俺だ。」
牧・藤真時代の終焉を感じずにはいられない藤真。
「あいつを、仙道を全国に行かせてやりたい!!」
魚住の拳が震えている。
5人の心に共通の想いがよぎる。
(仙道は牧を超えるのか?)
「・・・。」
言葉も出ない中村。
「イカし過ぎるわ・・・。」
記者ということを忘れ、女性として仙道を見つめいてる弥生。
ともに棒立ちである。
「全力で陵南を叩く!気合入れて、行くぞ!!走り負けるな!!」
「おう!!」
牧を先頭に、神、清田、小菅、高砂が、陵南コートに駆け上がる。
「これからだ。さぁ、行こう。」
「おう!!」
仙道を中心に、越野、福田、菅平、山岡がディフェンスポジションにつく。
「仙道がすげーー!!!」
「海南が負けるかもしれないぞーーー!!」
「いけーー!!陵南ーーー!!」
そして・・・。
観客を味方につけた陵南が、怒涛の追い上げを見せ、
第4Qの半分が過ぎたころには、10点差あった点差を3点に縮めていた。
初めに動いたのは、海南ベンチ高頭。
ゴール下を支配できない海南は、小菅に代え、4ファウルの武藤を投入し、3アウトのオフェンスに戻す。
その武藤が、鬼気迫るポストプレーで、菅平から4つめのファウルを誘い、
続けざまに、牧が菅平に絡むバスケットカウントを奪った。
菅平退場・・・。
6点差。
試合時間は、残り4分・・・。
陵南にとっては、厳しい現実が突きつけられる。
「ここで菅平の退場はきついぞ!!」
「やっぱり、海南かーーー!!」
海南の勝利を確信したかのように、観客が沸く。
だが、海南選手、ベンチは、決して表情を変えない。
目には、今まで以上の気迫がこもっている。
(バスケは、最後までわからねぇ。)
(うちには仙道がいる・・・。)
陵南田岡は、植草を投入。
PGを植草に代え、仙道をFに戻し、全てを託した。
(仙道、任せたぞ。)
田岡が、祈る思いで仙道を見つめる。
対する海南は、仙道に清田がマッチアップするボックスワンで、陵南のフィニッシャーをつぶす。
「清田、仙道にシュートを打たれてもかまわん。ただ、絶対楽に打たせるな。
外れれば、リバウンドはうちのもんだ!」
高頭が、折れた扇子を握り締め、コート上の選手を見つめる。
だが。
『シュパ!』
「嘘だろ?今、触ったぞ。」
「・・・。」
清田が仙道の腕を叩くも、死角になり、審判の笛はならない。
叩かれたにも関わらず、高い打点で放った仙道のジャンプシュートはネットを揺らす。
4点差。
「マンツーでは、陵南はサイズで分が悪い。」
観客席の赤木が分析。
田岡の指示が飛ぶ。
「越野!」
越野が神にマッチアップ、4人が2-2のゾーンを組むボックスワンにディフェンスを変更。
だが、海南は、24秒をフルに使い確実にフィニッシュに持ち込む。
牧のペネトレイトから清田を経由して、高砂へ。
「高砂、ナイッシュ!」
再び、6点差。
点差は縮まらない。
『ガン!』
仙道のジャンプシュートが外れる。
「あったりめーだ!」
清田が決死のディフェンス。
『トン。』
『シュパ!』
武藤の上から、福田のチップイン。
「何!?」
「うぉぉぉーーー!」
福田が吼える。
4点差。
牧が、高砂、武藤にスクリーンアウトを指示。
海南のオフェンス。
冷静なアウトサイド陣のパスワークから、牧がパワードリブルで切り込む。
植草、山岡、仙道3人がかりで囲みにかかる。
「ガラあきだ。」
牧は神を見ながら、神とは反対方向へボールを落とす。
「もらったーー!!」
『ドガァァァァ!!!』
「清田のダンクーー!」
「あいつ、飛びすぎだろーーー!!」
盛り上がる海南ベンチ。
高頭を初め、ベンチに座っているものなど誰もいない。
対照的に、陵南のベンチは、静かにコートに目を向け、座っている。
決して、意気消沈しているのではない。
待っているのである。
信じているのである。
陵南が、仙道が、海南を逆転するときを。
だが、陵南に重くのしかかる6点差。
試合は、残り時間2分となっていた。
海南 82
陵南 76
続く。
陵南 65
「5人抜きって嘘だろ?相手は、全国2位の海南だぜ。」
冷や汗を流している三井。
「信じられないが、目の前で起こった。」
花形が目を丸くしていう。
「仙道は沢北級・・・、なのか・・・。」
今まで冷静に分析していた赤木も驚きを隠せない。
「牧、負けるなよ。お前を倒すのは俺だ。」
牧・藤真時代の終焉を感じずにはいられない藤真。
「あいつを、仙道を全国に行かせてやりたい!!」
魚住の拳が震えている。
5人の心に共通の想いがよぎる。
(仙道は牧を超えるのか?)
「・・・。」
言葉も出ない中村。
「イカし過ぎるわ・・・。」
記者ということを忘れ、女性として仙道を見つめいてる弥生。
ともに棒立ちである。
「全力で陵南を叩く!気合入れて、行くぞ!!走り負けるな!!」
「おう!!」
牧を先頭に、神、清田、小菅、高砂が、陵南コートに駆け上がる。
「これからだ。さぁ、行こう。」
「おう!!」
仙道を中心に、越野、福田、菅平、山岡がディフェンスポジションにつく。
「仙道がすげーー!!!」
「海南が負けるかもしれないぞーーー!!」
「いけーー!!陵南ーーー!!」
そして・・・。
観客を味方につけた陵南が、怒涛の追い上げを見せ、
第4Qの半分が過ぎたころには、10点差あった点差を3点に縮めていた。
初めに動いたのは、海南ベンチ高頭。
ゴール下を支配できない海南は、小菅に代え、4ファウルの武藤を投入し、3アウトのオフェンスに戻す。
その武藤が、鬼気迫るポストプレーで、菅平から4つめのファウルを誘い、
続けざまに、牧が菅平に絡むバスケットカウントを奪った。
菅平退場・・・。
6点差。
試合時間は、残り4分・・・。
陵南にとっては、厳しい現実が突きつけられる。
「ここで菅平の退場はきついぞ!!」
「やっぱり、海南かーーー!!」
海南の勝利を確信したかのように、観客が沸く。
だが、海南選手、ベンチは、決して表情を変えない。
目には、今まで以上の気迫がこもっている。
(バスケは、最後までわからねぇ。)
(うちには仙道がいる・・・。)
陵南田岡は、植草を投入。
PGを植草に代え、仙道をFに戻し、全てを託した。
(仙道、任せたぞ。)
田岡が、祈る思いで仙道を見つめる。
対する海南は、仙道に清田がマッチアップするボックスワンで、陵南のフィニッシャーをつぶす。
「清田、仙道にシュートを打たれてもかまわん。ただ、絶対楽に打たせるな。
外れれば、リバウンドはうちのもんだ!」
高頭が、折れた扇子を握り締め、コート上の選手を見つめる。
だが。
『シュパ!』
「嘘だろ?今、触ったぞ。」
「・・・。」
清田が仙道の腕を叩くも、死角になり、審判の笛はならない。
叩かれたにも関わらず、高い打点で放った仙道のジャンプシュートはネットを揺らす。
4点差。
「マンツーでは、陵南はサイズで分が悪い。」
観客席の赤木が分析。
田岡の指示が飛ぶ。
「越野!」
越野が神にマッチアップ、4人が2-2のゾーンを組むボックスワンにディフェンスを変更。
だが、海南は、24秒をフルに使い確実にフィニッシュに持ち込む。
牧のペネトレイトから清田を経由して、高砂へ。
「高砂、ナイッシュ!」
再び、6点差。
点差は縮まらない。
『ガン!』
仙道のジャンプシュートが外れる。
「あったりめーだ!」
清田が決死のディフェンス。
『トン。』
『シュパ!』
武藤の上から、福田のチップイン。
「何!?」
「うぉぉぉーーー!」
福田が吼える。
4点差。
牧が、高砂、武藤にスクリーンアウトを指示。
海南のオフェンス。
冷静なアウトサイド陣のパスワークから、牧がパワードリブルで切り込む。
植草、山岡、仙道3人がかりで囲みにかかる。
「ガラあきだ。」
牧は神を見ながら、神とは反対方向へボールを落とす。
「もらったーー!!」
『ドガァァァァ!!!』
「清田のダンクーー!」
「あいつ、飛びすぎだろーーー!!」
盛り上がる海南ベンチ。
高頭を初め、ベンチに座っているものなど誰もいない。
対照的に、陵南のベンチは、静かにコートに目を向け、座っている。
決して、意気消沈しているのではない。
待っているのである。
信じているのである。
陵南が、仙道が、海南を逆転するときを。
だが、陵南に重くのしかかる6点差。
試合は、残り時間2分となっていた。
海南 82
陵南 76
続く。