うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#348 【ラストプレーへ】

2010-08-19 | #11 湘北 選抜編
試合終了まで残り18秒

山王 79
湘北 80




『ザシュ!!』


流川の逆転3Pシュートが決まった。




「うぉぉぉーーーー!!!」

「逆転だーーーー!!!」

「あの夏の奇跡が再びーー!!!」

「ありえなーーい!!!」




体育館が揺れていた。




「三井先輩・・・。」


彩子がふと、流川の姿を見ながら、つぶやいた。


「三井さん・・・。」

「三井先輩・・・」

「三井さんだ。」

「三井先輩!!」

2,3年生も続くように、その名を口にした。


ピンチになろうとも決して最後まで諦めることがなかった三井。

その跳び道具は、湘北に粘りと勝利をもたらした。



「赤木君の想い、三井君の想いがしっかりと彼らにも伝わっている。」

安西の眼鏡が光った。


「お兄ちゃん・・・。三井さん・・・。」



三井イズムの伝承。

三井を知るものは、流川の姿に三井寿の姿をダブらせるのであった。

桜木に赤木の姿をダブらせたように。




「こっこんなことって・・・。」

中村の眼から大粒の涙が流れた。

「いや、まだ18秒ある。気は抜けないわよ!」

冷静な弥生。




「・・・。」

言葉の出ない陵南の1年生。

「決めた流川君も凄いけど、パスを出した桜木さんも凄すぎやで・・・。
沢北さんの動きを読んでいたとしか思えへん・・・。」

「2人とも確認などしておらんだろう。
パスを出したところに流川がいた。動いたところに桜木からのパスがきた。そんなところだ。
お互いを思う信頼関係があって、初めて成立するパスだ。」

「仲いいなぁ。あの凸凹コンビ。」

仙道は笑った。




エンドラインから加藤へボールが渡る。


(18秒・・・。)

加藤のゲームメイクが優勝校を決めるといっても過言ではない。




「これが最後の攻防戦です。」

と拳を握る安西。




「選手を信じるのみ。」

と同じく拳を握る堂本。




「17秒・・・。」

『ゴクッ。』

晴子は息をのんだ。




「残り16秒・・・。」

弥生がペンを強く握った。




『パシ。』


『パシ。』


時間を使うように、山王が高い位置でパスを回す。


加藤ー柳葉ー福原ー加藤。


ボールの保持者が流れるように切り替わっていく。



残り10秒となった。



「10秒!!」

「どうする山王ーー!!!」

「速く攻めないと!!」

「沢北で来るはずだーー!!」



ボールは、未だ加藤がキープしていた。

沢北には、桜木の執拗なディナイディフェンス。


「フンフンフン!」

足を動かし、腕を振るい、パスコースを塞ぐ。



だが。



『キュ!』


『キュッ!』


「ん!!」


突如、桜木の前から沢北の姿が消えた。


「ぬっ。」


少し離れたところで、パスを受けた沢北に、山王の命運は託された。




「あっ!!」

「沢北だーー!!」

「やっぱり沢北だーーー!!」

「どうする湘北!!」




沢北の一瞬のキレは、桜木の身体能力を超える。




「やはり、桜木一人では抑えられないかもしれん。」

と田岡。

「桜木さん・・・。」

心配そうな彦一。




と、そのとき。



河田がハイポに上がった。

続いて、福原が逆サイドの柳の下へ、スクリーンをかけに動き出す。


「うなじ。」


「ん。」


『ガシ。』


「ぃって。」


福原は柳にスクリーンをかけた。

その結果、柳葉は沢北からフリーでボールを受け取った。




「沢北じゃない!!」

「最後は柳葉だーーー!!」

「沢北は次期エースの柳葉に託したーーー!!」




(やば。)


流川が決死のカバー。



電光掲示板の数字は、8.8秒



柳葉の腕が動いた。



「!!」


「!!!!」



『シュ。』



「!!!」


「!!!」



ボールは、ハイポへ放たれた。




「また、パスだ!!」

「河田か!!」

「インサイド!河田と白田の勝負だ!!」




『グッ。』


足腰に力を入れ、河田の重圧に構える白田。


(来い!ぜってー止めてやる!!)



だが。



『パン!!』


河田はボールを外には弾いた。




「またパス!!」

「やっぱり最後は・・・。」

「あの男ーーー!!!」

「ナンバー1高校生!!!」

「沢北だーーーー!!!!」




『パシ。』



3Pライン外。



「・・・。」にこり。



ボールを受け取ったのは、紛れもなく山王の大エース、高校バスケ界の至宝沢北であった。 



しかも。




「まっまただ!!」

「山王が寄せたーー!!!」

「アイソレーション!!」

「湘北、絶体絶命のピーーンチ!!」




沢北とリングの間にある障害は、桜木のみ。


桜木にとって、正真正銘最後の闘いが始まる。


実に、試合終了まで残り6.9秒のことであった。



山王 79
湘北 80







続く。


5 コメント

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ハラハラドキドキします。 (yottan)
2010-08-19 07:53:50
いよいよ決着がつきますね。
Unknown (せーじ)
2010-08-19 12:12:25
で、最後どうするんですか?
湘北は勝つの?負けるの?

最後7秒弱で桜木が止めるか抜かれるか?
抜かれても流川が来る?

気になりすぎる・・・。寝れない・・・。
Unknown (カナル)
2010-08-19 22:32:54
うまさんはこの試合が終わったら、次はどのシリーズを書くか、もしくは終わりかとかもう考えていますか?
リョータに見せ場を! (リョータに憧れて)
2010-08-19 23:56:27
初コメントです。いつも楽しみに読ませて貰ってます。

最後は沢北にやられて見せかけてリョータがいぶし銀なところを見せてくれると・・・。

次回も楽しみにしてます!
おはようございます (うまだんく)
2010-08-20 07:40:18
yottanさん

長く引っ張ってしまいましたが、山王戦終了します。ふぅー、この章は確かに長かったですね。


せーじさん

決着の#349をドキドキしながら観て下さい。
やっぱり最後はってところです。


カナルさん

次の章もストーリーを書き始めています。
いくつかの布石も打ってあるので、それを回収しながら、今後も書き続けていきます。


リョータに憧れてさん

初めまして。
少しリョータの見せ場が少なかったかもしれませんね。やはり、山王戦だと沢北、流川、桜木に話が集中してしまいます。
今後ともよろしくお願いします。