うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#351 【キャプテン】

2010-08-26 | #11 湘北 選抜編
コートの中央で整列する10名。




「ナイスゲーーーム!!!」

「山王、優勝おめでとう!!」

「湘北も良く頑張ったぞ!!」

「沢北ーーー!!!」

「5連覇期待しているぞーーー!!」

「ルカワ!ルカワ!ルカワ!」

「ナイスファイト!!桜木ーー!!」

「山王も湘北も、また帰って来いよーー!!!」



「スコアどおり!青!!」


「あーーしたっ!!!」




『パチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!!』


一向に鳴り止まない拍手が、決勝戦の凄まじさを物語る。


負けた湘北も、勝った山王も、みなその歓声と拍手に、優しく包まれるのであった。




「宮城!」

「ん。」


加藤であった。


「いい試合だった。大学でも負けないぜ。」

「聞いているぜ。お前の敵は、まずは深津だろ!?深津からスタメンPGを奪ったら、相手してやるよ。」

「俺はいつまでも深津先輩のサブじゃない。」

「偉そーに。」

「宮城は神体大なんだって。松本先輩によろしくな。」

「あぁ。」


(スピードの宮城と安定感抜群の松本先輩のガードコンビか・・・。侮れないな。)


(中盤に見せたオフェンス力なら、2番もあるかもしれねぇな。深津と加藤、ホントいやなコンビだぜ。)



柳葉は、福原の肩につかまっている。


そこへ。


「柳葉さん。お疲れさまでした。」

柳が声をかけた。


『コク。』


「来年、俺はまた挑戦させてもらいますから。まずは、IHで会いましょう。」


『コク。』


「春風・・・。」

「快!勝ったお前が、なんでそんなに暗い顔してるんだよ!もっと、いい顔見せろよ!!」


「・・・。おっ俺は・・・。」

「快が山王を選んだこと。みんな、嬉しいと思っている。
あの敗戦で、お前がバスケやめちまうんじゃねぇかって、みんな心配していた。
場所がどこであれ、快がバスケを続けてくれたことを、俺たちは本当に嬉しく思う。
こうしてまた会えたしな。ありがとう、快。」にこ。


「春風・・・。」

「優勝おめでとう。」


「あぁ。今度、神奈川帰ってきたら、みんなで会える・・・かな。」

「当たり前だ。俺たちは、一生仲間だ。ほら、見ろよ。」


柳は、観客席の上杉と黒川を指差した。

「よくやったぞ。春風!快!!」


『パチパチパチ!』


旧友の戦いを見届けた2人。

「空斗・・・。大蔵・・・。」

福原は、静かにうれし涙を流した。


自分の幼いミスにより、敗戦を喫した中学3年最後の全国大会。

卒業後、そのトラウマから逃げるように、柳らの前から姿を消して、秋田の地を踏んだ福原。

今ここに自身の成長と選抜優勝。

そして、再び大切な仲間を得たのであった。



『パッ。』


『ザッ。』


突然、柳葉が柳と福原の手を取り。


『ガシ。』


重ねた。


「・・・・・・・・。なかま。」


「柳葉さん。」

「柳葉さん・・・。」

3人は、優しく微笑むのであった。



(柳、よかったな・・・。)

その光景を後ろから見つめる白田に、河田が声をかけた。


「白田君。お疲れ様。」

「あっ、河田さん。」

「才能っていいな。兄や沢北さん、桜木君、もちろん白田君のような才能は、僕にはない。」

「そっそんなことは・・・。」

「でも、努力は裏切らない。それが今日、証明できた。次も山王が勝たせてもらうよ。」

「俺ももっともっと努力して、次は湘北が勝たせてもらいます。」


『ガッ。』

固い握手をした。


この1年間、山王工業で最も成長を見せたのは、沢北でもない、柳葉でもない、この河田美紀男なのかもしれない。

河田雅史という高校バスケ界の歴史に残る兄を持つプレッシャーの中、
大きな体の優しい男は、スキル、ハートで誰もが認めるほどの成長を見せていた。




「おめでとう。よくやったぞ。よくやった。」

堂本が、5人を迎え入れる。

「沢北、これで全てを摘み終えたか?」

「雑草は、踏み潰せば潰すほど、大きく、そして強くなる。来年はしんどいですよ。」

「今まで簡単に優勝できたことなどなかったが、今日もこうして4連覇を達成できた。
心配するな。山王は簡単には負けん!!
それより、雑草はどこまでも伸びるぞ。例え、海を越えてもな。」

「そしたら、また刈るまでですよ。今以上の刃でね。」

「あぁ。そうだな。」


流川、桜木を見て思う。

(もう、雑草じゃねぇか・・・。あいつらは・・・。)




「さぁ、拍手よ!!明るく迎え入れるのよ!」

と彩子。


『パチパチパチパチパチパチ!!』


大きな拍手で5人を迎え入れる湘北ベンチ。


「アヤちゃん、すまねぇ。」


『パン!』


宮城の背中を叩く彩子。


「謝ることなんて一つもないわよ。さぁ、胸張って!
私の中のNo.1ガードは、ずっとずっと前から、リョータだったわ。」にこ。

「アッアヤちゃん・・・。」


「うっぐっ。マネージャー・・・。リョータ・・・。」

その光景を見ている3年生の安田らは、もらい泣きをしていた。



「桜木君。」

晴子がタオルを渡す。


「・・・。」

うつむく桜木。


「桜木君?」

「ハルコさんに会わせる顔がありません・・・。」

「・・・。優勝はできなかったけど・・・。私は、優勝するより嬉しいことがあったよ!!」

「んっ!?」


「今日の桜木君と流川君のコンビに胸が高鳴った。
2人が今よりももっと仲良くなれば、次は絶対絶対、湘北が優勝する!!確信できたもん!!
来年こそ、全国制覇しようね!!」


「ハッハルコさん・・・。」

「ありがとう。桜木君。」

「はっはい!流川の力なくとも、この天才桜木が、ハルコさんを優勝に導きます!!!ハッハッハ!!」

「わっわかってないかな・・・。」

晴子は苦笑するのであった。




安西の周りに選手が集まる。

静かに口を開く。


「素晴らしい試合でした。優勝できなかったのは私のせいです。
君たちの素晴らしい能力を100%引き出せなかった私の責任です・・・。」


「先生・・・。」

「オヤジ・・・。」

「いえ、先生は何も・・・。先生の指導のおかげでここまで来れた。本当に感謝しています。」


柳と白田を見る安西。

「柳君、白田君。お疲れ様でした。君たちが、湘北に来てくれたおかげで、湘北は強くなった。
この敗戦は、必ず君たちを強くする。もう一度這い上がりましょう。」

「先生・・・。」

「・・・安西先生。」



「流川君。沢北君相手によく頑張りましたが、今回も彼を超えられなかった。」


「・・・。」

「これから、どうしますか?」


「日本一になって、あいつを倒しにいく。」

「それがいい。流川君ならできる。ここにいる全員が思っています。期待していますよ。」

一人を除き、みんなが輝く瞳で流川を見つめている。


「うす!!」

流川は、決意表明をするかのように、力強く返事をするのであった。



「桜木君はどうしますか?」

「全員ぶっ倒す!!それだけだ!!」


「よろしい。仙道君も沢北君もいない高校バスケ界で、もう負けるわけにはいかないですよ。いいですね?」


「うす!!」

「おうよ!!」

「はい!!!」



「宮城君。」

「はい。」


「3年間、お疲れ様でした。ここまで来れたのは、君の力があったからこそです。」

「俺は・・・。」


「宮城君が束ねたからこそ、この湘北は強くなった。
宮城君の力が、この湘北をここまで強くしたのです。」

「先生・・・。」

再び涙がたまる宮城。

「その小さな体で、赤木君たちが抜けた大きな穴をよく補ってくれました。
もちろん、宮城君だけじゃない。安田君も、潮崎君も、角田君も、彩子君も・・・。
みんなありがとう。」


「うっうっ。」

今にもこぼれそうな涙を必死に堪える3年生たち。



「君たちを指導してきた日々は、私にとって誇りです。素晴らしい日々を本当にありがとう。」



「ぐっぐしゅん。」

安田の涙がこぼれた。

「ううう・・・。」


続いて、潮崎、角田、そこにいた多くの選手の眼から涙が流れた。



「先生を・・・。先生を優勝監督に出来ず、申し訳ありませんでした。
でも、必ずこいつらがやってくれます!なぁ、流川!花道!!」


「うす。」

「へへっ、もちろんだぜ!!このキャプテン桜木が、オヤジを優勝に導いてやるぜ!!」


「あぁ、任せたぜ!キャプテン花道!!」



「!!!!!」



「えっ!!!」



「なっ!!!」



「あっ!!!」



「ハッハッハ!!!」



「ほっほっほ。」



そこにいた全ての人が、宮城の発言に驚愕した。

湘北が初めて進出した全国大会決勝、惜しくも絶対王者の山王工業の前に夢破れた日のことであった。



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選抜優勝大会 決勝 

山王工業×湘北

山王 81
湘北 80


【山王工業】青 81

#4 加藤 8P 12A
#5 烏山 8P  
#7 沢北 27P  
#9 柳葉 19P 
#10 河田 8P 13R
#15 福原 11P 8R


【湘北】白 80

#4 宮城 8P 9A
#7 流川 23P
#9 柳 14P
#10 桜木 17P 17R
#14 白田 12P 9R
#15 緑川 6P

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第39回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会

優勝 山王工業

準優勝 湘北

第3位 名朋工業

第4位 喜多島


最優秀選手 沢北 栄治


ベスト5
G 天野 之博(名朋)
G 柳葉 敏(山王)
F 沢北 栄治(山王)
F 流川 楓(湘北)
C 桜木 花道(湘北)







#11 湘北 選抜編 終了
#12 大学 新人戦編 に続く。


7 コメント

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Unknown (カナル)
2010-08-26 07:53:15
また気になる終わらせかたを…笑
Unknown (ほさ)
2010-08-26 08:10:45
涙無しには読めないよ

本当にサイコーでした。

今回の話で終わってしまうのかと思ってましたが、
続きそうなのでホッとしましたよ。

大学編も頑張って下さい。
Unknown (荒木)
2010-08-26 08:13:05
キャプテンは桜木なんですか!
まぁ、普段から明るいし、最近はリーダーシップもついてきたので向いてるのかもしれませんね

赤木のマネしそうだけど笑
Unknown (センドー)
2010-08-26 10:20:27
桜木の3年次はまさかの桜木がキャプテンですか(笑)背番号10のキャプテン誕生ですかね(笑)

でもこの章で桜木がキャプテンっぽいところを見せてたのでいいと思います!

次は大学編ですか。
牧世代が久々に登場してきますね(笑)
楽しみにしています!!
キャプテン (suramudanku)
2010-08-26 19:14:23
やはり!キャプテンは桜木だなきっと・・・
頑張れよ!湘北!次こそ優勝しようぜ!湘北
おはようございます (うまだんく)
2010-08-27 06:55:05
カナルさん

いつも読んでいただきありがとうございます。
次に繋げる終わり方と思っていただけたら幸いです。


ほささん

涙を流して読んでいただけたとは嬉しい限りです。今の生活に変化がなければまだまだ書き続けますよ!!


荒木さん

桜木世代では、桜木が一番キャプテンシーを持っているような気がします。確かに、ゴリの真似をしそうですね。


センドーさん

牧世代登場します!
大学生になり、成長した牧たちを見て下さい!!


suramudankuさん

湘北、いつか全国制覇させてあげたいといつも思っていますが、簡単に優勝させたくない自分がいます。(苦笑)
どーもです (ゆーた)
2010-08-27 07:34:11
また湘北が勝てないよう書くのがうまいですね。
これで勝ったらなんか物足りなかったしうまダンクさん才能ありますね。