白金 80
慶徳 83
第4Qも3分が経過。
出口の見えないトンネルを通っている。
『ダム!』
トップでボールをつくのは、粕谷。
野辺をゴール下から引きずり出し、牧に変わりゲームを作る。
その牧は、ローポスト。
インサイドにいた。
第4Q、藤真とのミスマッチを利用し、1本のシュート、1本のアシストを記録している。
「あのやろーが、PGをすることにより、野辺を引きずり出し、牧にスペースを与えている。
一石二鳥じゃねぇか!」
と宮城。
「でも、俺たちとの試合では、あんな素振りを一つも見せなかったぜ。」
と三井。
「白金に甘く見られていたんじゃないか。」
「いや、仙道が相手じゃ、牧がインサイドにいるメリットもなかったということだ。」
新庄に答えた大和。
「この粕谷のPGも苦肉の策ではないでしょうか。
点に繋げやすいポジションが、牧さんのインサイドだけという考えもできます。」
分析する織田。
「それほど、慶徳のディフェンス、藤真さんのディフェンスが白金や牧さんを追い詰めているということかな。」
仙道が締めた。
『パシ!』
「キターーーー!!」
「いけーー!牧ーーーー!!」
「ノッている牧だーーー!!!」
「ノッている?果たして、そうかしら。」
と弥生。
「ん!?」
と中村。
「ぐっ!」
『バッ!』
『シュ!』
インサイド、ローポストの牧は、藤真と詰め寄る赤木の間を割り、シュートを打つ。
(俺の前では決めさせんぞ!!牧!!!)
赤木の手の平が、牧の視界を遮る。
『ガッ!』
ボールはリングを通らない。
(ちっ。赤木め。)
『パシ!』
零れ落ちるボールを諸星が奪う。
「うわーーーーー!!!」
「おしいーーーー!!!」
「惜しくはない。当然よ。藤真君と赤木君のディフェンスは、強固なもの。
そして、慣れないローポストでのプレー。
そう簡単に点が奪えるものじゃない。それに・・・。」
と弥生。
「それに?」
(牧君も気付いているはず・・・。藤真君たちとの差が昔ほど大きくないことを・・・。」
ボールは、諸星から真下へパスアウト。
真下は、ボールをキープし、各選手の動きを確実に把握してから、藤真にパスを出す。
決して慌てた素振りは出さない。
冷静に試合を読み、スローゲームへと持ち込む。
「あの辺の試合読みはさすがだな。浦安の裏エースと呼ばれていただけのことはある。
決して、ペースを乱さない。
1番から3番、どのポジションでも高いクオリティを見せ、
裏方にも徹しられる真下は、藤真や諸星とも相性がいいはずだ。
なにせ、あのワガママの市原を一流のスコアラーにさせたんだからな。」
と新庄。
「藤真、落ち着いていこう。」
「あぁ。さぁ、1本奪うぞ。」
そういうと藤真は、右手の人差し指を上げた。
再び観客席。
「諸星、野辺、真下だけでも、ベスト8くらいの力を持ち合わせ、そこに藤真と赤木・・・。
台風の目は、やはり慶徳だったか。」
「いや、試合はまだ終わってない。」
大和にきっぱりと答える仙道。
そして、5分が経過。
試合残り時間1分。
勝負は、ほぼ勝敗決したといっても過言ではないスコアとなっていた。
トップの位置でボールをつく牧。
『ビィ!』
『パシ!』
『パシ!』
『シュパ!』
的確にパスを回し、土屋が冷静にミドルシュートを決めた。
「30点目!両チーム、通じて最高得点をたたき出した!!」
「土屋君の場合、あの位置からのパスも考えられるから、あのシュートを防ぐことは難しい。
打点の高さも魅力的だわ。」
(ちっ、土屋のやろう、この時間帯でも、跳躍力が落ちねぇ。)
慶徳のオフェンス。
(藤真!)
『コク。』
(やり返してやるぜ。)
藤真から諸星へ。
『パシ!』
『パン!』
『ザシュ!』
野辺と諸星のコンビプレー。
白金のディフェンスを切り裂いた。
「負けてない!!諸星君も29点目ですよ!!」
「第2Qから本調子と考えると、最強SGは伊達じゃないわね。」
両校が次元の高いプレーを見せる。
ワンプレーワンプレーが会場にいるものの胸に深く刻まれていく。
そして、観客を魅了するなか、試合時間だけが消費されていった。
白金の十八番。
『ビィ!!』
牧のペネトレイトから、パスアウト。
『シュ!』
神の放つ3Pシュート。
『キュ!!』
真下が強烈なプレッシャーをかける。
『ガツ!』
リングに弾かれた。
「いつもの神なら決めて当然だぜ。」
「真下相手に相当な負担があったのだろう。」
三井に答える新庄。
「この時間帯で神君が外したーーーー!!!」
「勝利の女神が微笑むのは・・・。」
ゴール下。
赤木と荻野のポジション争い。
野辺が粕谷を抑え、牧が飛び込みリバウンドを狙う。
土屋も諸星のスクリーンアウトを外した。
「うぉぉぉーーーー!!!」
「誰にもやらん!!!」
「おぉぉーーーー!!!」
「もらったぁーー!!」
「トゥーーーーース!!」
『チラ。』
藤真が残り試合時間を確認する。
観客席からは、カウントダウンが始まっていた。
「3!!」
「2!!」
『バチィーン!!』
ボールが、大きな手の中に収まった。
そして。
『ビィーーーー!!』
試合を告げるブザーが響き渡った。
高く放り出されたボール。
沸き立つ会場。
なだれ込む控え選手。
激戦を戦い抜いた選手に安堵の表情が見えた。
そして、涙を溜める男の姿があった。
続く。
慶徳 83
第4Qも3分が経過。
出口の見えないトンネルを通っている。
『ダム!』
トップでボールをつくのは、粕谷。
野辺をゴール下から引きずり出し、牧に変わりゲームを作る。
その牧は、ローポスト。
インサイドにいた。
第4Q、藤真とのミスマッチを利用し、1本のシュート、1本のアシストを記録している。
「あのやろーが、PGをすることにより、野辺を引きずり出し、牧にスペースを与えている。
一石二鳥じゃねぇか!」
と宮城。
「でも、俺たちとの試合では、あんな素振りを一つも見せなかったぜ。」
と三井。
「白金に甘く見られていたんじゃないか。」
「いや、仙道が相手じゃ、牧がインサイドにいるメリットもなかったということだ。」
新庄に答えた大和。
「この粕谷のPGも苦肉の策ではないでしょうか。
点に繋げやすいポジションが、牧さんのインサイドだけという考えもできます。」
分析する織田。
「それほど、慶徳のディフェンス、藤真さんのディフェンスが白金や牧さんを追い詰めているということかな。」
仙道が締めた。
『パシ!』
「キターーーー!!」
「いけーー!牧ーーーー!!」
「ノッている牧だーーー!!!」
「ノッている?果たして、そうかしら。」
と弥生。
「ん!?」
と中村。
「ぐっ!」
『バッ!』
『シュ!』
インサイド、ローポストの牧は、藤真と詰め寄る赤木の間を割り、シュートを打つ。
(俺の前では決めさせんぞ!!牧!!!)
赤木の手の平が、牧の視界を遮る。
『ガッ!』
ボールはリングを通らない。
(ちっ。赤木め。)
『パシ!』
零れ落ちるボールを諸星が奪う。
「うわーーーーー!!!」
「おしいーーーー!!!」
「惜しくはない。当然よ。藤真君と赤木君のディフェンスは、強固なもの。
そして、慣れないローポストでのプレー。
そう簡単に点が奪えるものじゃない。それに・・・。」
と弥生。
「それに?」
(牧君も気付いているはず・・・。藤真君たちとの差が昔ほど大きくないことを・・・。」
ボールは、諸星から真下へパスアウト。
真下は、ボールをキープし、各選手の動きを確実に把握してから、藤真にパスを出す。
決して慌てた素振りは出さない。
冷静に試合を読み、スローゲームへと持ち込む。
「あの辺の試合読みはさすがだな。浦安の裏エースと呼ばれていただけのことはある。
決して、ペースを乱さない。
1番から3番、どのポジションでも高いクオリティを見せ、
裏方にも徹しられる真下は、藤真や諸星とも相性がいいはずだ。
なにせ、あのワガママの市原を一流のスコアラーにさせたんだからな。」
と新庄。
「藤真、落ち着いていこう。」
「あぁ。さぁ、1本奪うぞ。」
そういうと藤真は、右手の人差し指を上げた。
再び観客席。
「諸星、野辺、真下だけでも、ベスト8くらいの力を持ち合わせ、そこに藤真と赤木・・・。
台風の目は、やはり慶徳だったか。」
「いや、試合はまだ終わってない。」
大和にきっぱりと答える仙道。
そして、5分が経過。
試合残り時間1分。
勝負は、ほぼ勝敗決したといっても過言ではないスコアとなっていた。
トップの位置でボールをつく牧。
『ビィ!』
『パシ!』
『パシ!』
『シュパ!』
的確にパスを回し、土屋が冷静にミドルシュートを決めた。
「30点目!両チーム、通じて最高得点をたたき出した!!」
「土屋君の場合、あの位置からのパスも考えられるから、あのシュートを防ぐことは難しい。
打点の高さも魅力的だわ。」
(ちっ、土屋のやろう、この時間帯でも、跳躍力が落ちねぇ。)
慶徳のオフェンス。
(藤真!)
『コク。』
(やり返してやるぜ。)
藤真から諸星へ。
『パシ!』
『パン!』
『ザシュ!』
野辺と諸星のコンビプレー。
白金のディフェンスを切り裂いた。
「負けてない!!諸星君も29点目ですよ!!」
「第2Qから本調子と考えると、最強SGは伊達じゃないわね。」
両校が次元の高いプレーを見せる。
ワンプレーワンプレーが会場にいるものの胸に深く刻まれていく。
そして、観客を魅了するなか、試合時間だけが消費されていった。
白金の十八番。
『ビィ!!』
牧のペネトレイトから、パスアウト。
『シュ!』
神の放つ3Pシュート。
『キュ!!』
真下が強烈なプレッシャーをかける。
『ガツ!』
リングに弾かれた。
「いつもの神なら決めて当然だぜ。」
「真下相手に相当な負担があったのだろう。」
三井に答える新庄。
「この時間帯で神君が外したーーーー!!!」
「勝利の女神が微笑むのは・・・。」
ゴール下。
赤木と荻野のポジション争い。
野辺が粕谷を抑え、牧が飛び込みリバウンドを狙う。
土屋も諸星のスクリーンアウトを外した。
「うぉぉぉーーーー!!!」
「誰にもやらん!!!」
「おぉぉーーーー!!!」
「もらったぁーー!!」
「トゥーーーーース!!」
『チラ。』
藤真が残り試合時間を確認する。
観客席からは、カウントダウンが始まっていた。
「3!!」
「2!!」
『バチィーン!!』
ボールが、大きな手の中に収まった。
そして。
『ビィーーーー!!』
試合を告げるブザーが響き渡った。
高く放り出されたボール。
沸き立つ会場。
なだれ込む控え選手。
激戦を戦い抜いた選手に安堵の表情が見えた。
そして、涙を溜める男の姿があった。
続く。
牧のインサイド、粕谷のキープ時から中にいたら意味なくないですか?
人とボールが動く中でインサイドで牧×藤真の1対1になるようにしないと。
さぁ、慶徳か!?白金か!?
どっちがこの激戦の試合を制したか!?
これで、深体大と対戦の相手が決まる!
慶徳が白金に勝っていれば、ゴリは河田にリベンジだ!!
白金が慶徳に勝っていれば挑戦といっていいだろう!!
赤木がいるチームに勝ってほしいです。
うまさんは更新のペースがはやくてすごいうれしいですが、よくそんなに書き続けられるなぁと感心いたします。
神なら牧が、藤真なら赤木が「整列だ。」って言うのに期待します。
どっちにしても深体大には敵わないのかなぁ…
もちろん、その通りですよ。
もう少し、その辺の動きを明確に書くべきでしたね。わかりづらくてすいません。
桜木さん
リベンジorチャレンジですね。
猫さん
はじめまして。
そういわれると嬉しいです。
いつも、みなさんの想像を掻き立てることのできる終わり方ができたらなぁと思っています。
良麻呂さん
お久しぶりです。
俺の中では、深体大かなり強く設定しています。特に河田世代は最強の名に相応しい強さです。
センドーさん
次では決着しています。