今日の「お気に入り」は、上野千鶴子さんのご著書
「 おひとりさまの 老後 」から。
「 長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる。
結婚したひとも、結婚しなかったひとも、最後はひとりになる。
女のひとは、そう覚悟しておいたほうがよい。
少子高齢社会 のいま、女性にとって ” 家族する ” 期間 は短縮している。配偶者がい
ても、平均寿命からすればほとんどの場合、夫のほうが先に逝く。子どもは、せいぜ
いひとりかふたり、彼らもいつかは家を出ていく。
だとすれば、女性の生き方も ” 家族する ” のにふさわしい ノウハウ を 身につける ば
かりでなく、” ひとりで暮らす ” ための ノウハウ を準備しておいてもよいのではない
か。だれでもいずれはひとりになるなら、早めにスタートするか、遅めにスタートす
るかだけのちがいだ。」
( 中 略 )
「 ・・・ 親を介護しながら『 おかあさん、わたしがいてよかったわね 』と言うウラ
で、『 わたしのときにはどうなるんだろう? 』と不安にかられた経験をもっている 。
おもえばシングル女性は、これまでどれほど『 歳をとったらどうするの? 』という
脅かしにさらされてきたことだろう。そのうえ、世の中には老後の不安をあおるメッセ
ージがあふれている。子どもがいてさえ頼りになるかどうかわからないのに、まして
『 子どもに頼る老後 』がはなからないあなたはどうするの? と 。
結婚しないと不幸せ、といわれてきた。
でも結婚しなくてもそれなりにハッピーだった 。離婚したら人生は終わり、かと思
ったが、してみたらぜんぜんOKだった。親にならなければ半人前、といわれたが 、
成熟へ至る道は、親になることばかりではないことも知った。シングルであることは 、
ちっとも『 カワイソー! 』でも『 不幸 』でもない 。
長生きすればするほど、シングルが増えてくる。超高齢社会で長生きしたひとは
『 みーんなシングル 』の時代 、がすぐそこまで来ている。ひとりで暮らす老後を
怖がるかわりに、ひとりが基本、の暮らしに向きあおう 。不安がなくなれば 、なあー
んだシングルの老後って 、こんなに楽しめるのだから……そう思って 、わたし(たち)
自身のためにこの『 おひとりさまの老後 』を書いた 。
( 中 略 )
「 不安とは、おそれの対象がなにか、よくわからないときに起きる感情だ 。ひとつひ
とつ不安の原因をとりのぞいていけば 、あれもこれも 、自分で解決できることがらだ
とわかる 。もしできなければ、最後の女の武器がある。『 お願い、助けて 』と言え
ばよい。
なに、男はどうすればいいか、ですって?
そんなこと、知ったこっちゃない。
せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね。 」
( 上野千鶴子著「 おひとりさまの老後 」㈱法研 刊 所収 )
「 中 略 」の 部分 をお知りになりたい向き は、私同様、ご本を購入して読んでくださいませ。
買ってご損はないと思います、多分 。
老婆 は 一日にして ならず 。
Rome was not built in a day.