「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

Long Good-bye 2019・05・17

2019-05-17 05:00:00 | Weblog




    今日の「お気に入り」。


    「 自分が自分をまねするのは、まねのなかで情けないものの一つであるが、ながく生き

     た芸術家のまぬかれぬところである。」


    「 私は各人に個性があることを前提とした教育は、間違いではないかと疑っている。人

     は個性ある存在ではない。人は大ぜいに従うもので、従ってはじめて安心するものであ

     る。従えと言って、断じて従わぬ個性はまれである。万一あれば大ぜいは、世間は、社

     会はそれを爪(つま)はじきする。すなわち、爪はじきされて、はじめて個性は頭角をあ

     らわす。ちやほやされて育つ個性なんて、今も昔もないにきまっている。」

    
        ( 山本夏彦著 「二流の愉しみ」 講談社文庫 所収 )



    「 生きている限り、人間はすべてを奪われることはない。」

        ( 正岡子規 )




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自分のなかなる他人 2019・05・16

2019-05-16 04:04:00 | Weblog




  今日の「お気に入り」。


  「 この世は、当人と他人から成っている。他人の目には、ありあり見えることが、当人には見えない。」


  「 当人というものは、思い知ることがない存在である。」


  「 日支事変はもとより、日清日露の戦役まで侵略戦争だと中国人が言うのは自然だが、日本人が言うのは

   不自然である。それなら当人ではない、他人である。当人というものは、自分の利益とみれば、他人の

   島まで自分の島だと言いはるものである。それが健康な個人であり、国家である。故に健康というもの

   はいやなものである。けれども、おお、個人も法人も国家も、健康でなければならないのである。わが

   国の当人ぶりは、他国の当人ぶりにくらべると著しく遜色がある。白を黒だと言いはること少ないのは

   良心的なのではない。弱いのである。中国が言うべきことを、さき回りしてわが国が言うのは、知らな

   いで媚(こ)びるのである。かくの如く自分が言いはること少なく、他人の言いはることに迎合する国は、

   怪しいかな他国に尊敬されないのである。 」

   
   ( 山本夏彦著 「二流の愉しみ」 講談社文庫 所収 )



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かいつまんで言え 2019・05・15

2019-05-15 05:30:00 | Weblog




   今日の「お気に入り」。



  「 百年前も千年前も、昨日の友は今日の敵であった。 」

        
        ( 山本夏彦著 「二流の愉しみ」 講談社文庫 所収 )




  「 あの仲よしだった中国とベトナムが不仲になって、中国はベトナムの国境を越えた。

   中国が支援していた民主カンボジアを、ベトナムが攻めたからである。いわゆる『中越

   戦争』である。ベトナムと中国は一枚岩だとなが年新聞で読まされていたから、読者は

   寝耳に水で驚いた。本当はベトナムと中国は千年来不仲で、ベトナムの歴史は中国に侵

   略された歴史だったのである。ただ当面の大敵アメリカに勝つために、しばらく仲よく

   しただけのことで、めでたく勝ったからもとのカタキ同士にもどったのである。そして

   ベトナムはソ連と結んだのである。書いて十五行読んで二十秒―――たったこれだけのこ

   とを新聞は言わないから、読んで読者は分らなかったのである。」



  「 かいつまんで言え。」


        ( 山本夏彦著 「美しければすべてよし」 新潮文庫 所収 )





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俳画松樹会 第14回合同作品展 鎌倉芸術館 5月10日(金)~14日(火) 2019・05・09

2019-05-09 05:45:00 | Weblog


    

      

        






   

   明日5月10日(金)から14日(火)までの間、大船にある鎌倉芸術館で、第14回 俳画松樹会合同作品展

  が開催されるのを機に、2018年4月19日付けの記事を再掲します。


「 今日の『お気に入り』。



       


        


      


     


   ( 句:鶴見松渕、鶴見松絵、 書・画:鶴見松絵 )

  


  鶴見松絵 ( つるみしょうえ )は、1951年 神奈川県横浜市の生まれ。

  父である俳画家 鶴見松渕( つるみしょうえん )が設立した「俳画松樹会」の現会長。」

  

  
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俳画松樹会 第14回合同作品展 鎌倉芸術館 5月10日(金)~14日(火) 2019・05・05

2019-05-05 05:05:00 | Weblog


                                





  



      今日の「お気に入り」は、俳画家 鶴見松渕 (1919-1999)が描いた「俳画」。

     作品として「完成したもの」と、画家(故人)が公開を意図しなかった「下絵」をあわせて掲載します。

      5月10日(金)から14日(火)の間、大船の鎌倉芸術館で、第14回 俳画松樹会合同作品展が開催

     されるのを機に2018年4月1日付けの記事も再掲します。



   

   

   

  


     「 今日の『お気に入り』は、俳画家 鶴見松渕(1919-1999)が後進育成のために描いた『指導画』のいくつか。

     題材からすると、季節は初夏。




    

    







  フリー百科事典ウィキペディアには、「俳画」のことが、次のように書かれています。


     「 俳画(はいが)は、俳句を賛した簡略な絵(草画)のこと。

      一般には俳諧師の手によるものであり、自分の句への賛としたり(自画賛)、

      他人の句への賛として描かれるが、先に絵がありこれを賛するために句がつけられる場合や、

      絵と句が同時に成るような場合もある。

      さらに敷衍して、句はなくとも俳趣を表した草画全般をも指す言葉としても用いられる。

      『俳画』という呼称は渡辺崋山の『全楽堂俳諧画譜』にはじまるとされており、

      それ以前の与謝蕪村などは『俳諧物の草画』と称していた。 」


                           
                       



                        



                                     



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