未明の〝衝撃〟

　ワールドカップで世間では話題にことかかなかった感じだ。とりわけ報道系はこうした話題があると一色になって、視聴者の視線を集める。

　以前にここで触れたこともあるが、ウェブ上のコメントには誘導性が見られることに触れた。ウェブ上のコメントばかり気にしている人たちは、もしかしたらそうした誘導の罠にはまる可能性は高い。本日の信濃毎日新聞一面に「防衛省世論工作研究」、そして総合面に「姿なき内心介入の危機」という記事が目立った。そもそも近ごろの信濃毎日新聞の記事に違和感を抱いているが、情報過多の中でどう真実を見極めるかであるが、もはやそれは難しいのか、とも思ってしまう。記事では防衛省が世論工作の研究をすることに触れている。人口知能を使って世論操作するというのだ。「防衛省が姿を隠したまま世論誘導を図るのは、一般の投稿を装い宣伝する「ステルスマーケティング」の手法と重なる」とし、「防衛省は「企業のコマーシャル技術と同じで違法性はない」という。国がそれを利用してはならないということはないだろうが、もはや同様のことは当たり前にウェブ上に広がっていて、わたしたちは情報操作の舞台で右往左往しているようになるのだろう。防衛省がそうした工作を行うには違和感があるだろうが、実態としてそれを判別することは難しい。情報が正しいかどうか、とりわけ伝承希薄な時代にあって、より歴史は埋もれてしまいそうな気がしてならない。

　ところで、わたしもワールドカップに興味がないわけではなく、いくつかの試合に見入った。とりわけ注目された日本対クロアチア戦は、ちょうどわたしが起きている時間帯。ふつうの生活の中にある時間帯だったので、ごくふつうにテレビ観戦をした。同様に本日の朝方にあったクロアチア対ブラジル戦も同様だ。それにしてもウェブ上でも話題になっているが、クロアチアのモドリッチ選手は「すごい」の一言。日本戦の戦前の話題にもなっていたように、クロアチアはグループステージからあまりメンバーが代わっていない。したがって「疲れているのでは」という話があがっていた。しかし、見ての通り、それがマイナス要素になっているという印象はなかった。とりわけブラジル戦のモドリッチ選手はいたるところに姿を現した。フォーメーション上では中盤の右。しかし試合を見ていると日本でいうセンターバック、いわゆる吉田の位置にいてパスを前に供給する姿がよく目についたし、フォーメーション通り前線で最終パスを出す位置にいたりした。日本でいうなら出場機会がなかったが、柴崎のような存在で、パスを供給する起点に常にあったという感じだ。短いパスもすれば長いパスも出す。それでいてシュートエリアにも姿を現す。「モドリッチ何人いるんだ」と話題になっていたが、まさにそんな感じだった。今日は最後まで試合の中心にいて、ＰＫも成功させて勝ち上がりに貢献していた。一人いるだけで大きな存在。ファンにならない人はいないだろう。