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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

お不動様の祭り

2024-04-09 23:08:32 | 民俗学

 数年前に「祭祀空間の変化」を記した。飯島町豊岡にある清水坂にあるお不動様の祭祀空間について触れたものだった。有志の人々によって祭祀空間が管理されていたが、その代表的な方たちが亡くなるとともに、管理がされなくなり、それこそかつて「清水坂の祭り」が知られていた時代に賑わいでいた空間は、荒れるようになった。今では抵抗感さへある空間であるが、「猫神様の観光利用」でも触れた通り、「猫神」が少し話題にもなった。あらためてこの空間が有志の方たちによって整備されたようだが、この後このお不動様のある空間がどのように変化していくのか注目したい。

 

 

 さて、ひさしぶりに土地の所有者であるМ家によって「お不動様の祭り」が実施されるというので、そのお祭りに参加した。今回は豊岡自治会の高齢者の皆さんに「豊岡清水坂延命不動尊のお祭りについて」という案内がされていた。案内には次のように記されていた。

長い間お祭りを行なってきませんでしたが、ようやく環境の整備が一段落しましたので下記によりお祭りを行います。大勢ご参拝ください。

 本来ならお不動様の祀られている場所で祭りは実施されるところなのだが、荒天のため、М家によって行われたため、参集者は関係者のみにとどまってしまったが、来年以降好天のもとで祭りが復活することを期待したい。その昔は「修験者と人形遣い」で紹介した金剛院初代がお不動様の祭りを執行したことは、その後金剛院に残る資料を調べていて、「清水坂の祭り」について度々書き記したものに見えたことでもはっきりした。近年は御嶽教の行者に依頼していたというが、今年は中川村の真言宗智山派延壽院さんにお願いして祭りは行われた。案内でも「投げ餅を用意しています」と書かれていた通り、餅も用意されたが、天候によって投げ餅も叶わなかった。

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