この期に及んで東京スタイルのホームページ

因みに、某アパレルメーカーとは関係ありません。バンド名の由来ではありますが。

ある喫茶店にいかうとして(いはを)

2012-02-27 21:29:50 | 日記・エッセイ・コラム

今日は久し振りに「さぼうる」といふ喫茶店へ行かうかな、と思ひ、仕事帰りに自転車でふらりと店の前まで行つてみたが、やつぱり今日はやめようかと思ひ直し、東名高速の側道で方向転換をし大谷街道へ出たら誰かが僕を呼び止めた。

「すいません、ちよつといいですか?」

警察官だつた。急にUターンしたから怪しい人だと思つたのだらうか。

「はい、なんでせう?」

夕方だつたので無灯火の注意かと思つたが、律義に(まあ、当然といへば当然だが)ライトはつけてゐた。

「駅南地区は自転車が多いので、防犯登録してゐるか確認させて下さい。」

「あ、さうですか。どうぞ。」

サドルの下に防犯のシールは勿論きちんと貼りつけてある。登録番号と名前と氏名を尋ねられ、無線で確認をしてゐた。

「この自転車は結構昔に買はれたんですか?」

「はい、確か2006年頃に」

どうやらある程度登録から期間が過ぎたものは確認をとるのが難しいやうだ。

「ところで、どうしてあそこでUターンされたんですか」

「さぼうるに行かうとしたんですが、やつぱり思ひ直したんです。」

まあ、さうとしか言ひやうがない。

「今までにもかうやつて防犯登録のことを聞かれたことはありますか?」

「いや、今日が初めてです。」

といふことは、最近警察はさういふことを色々としてゐるのだらう。御苦労も多からう。

「では、また別の喫茶店に行きます。」

「はい、どうもありがたうございました。」

普通、警察官に何か聞かれる場合は、何かどぎまぎしたり、妙なことを疑はれてゐるのではと不安になつたり、ともかく不自然な状態になると思はれるが、今日は全く自然だつた。妙な程自然だつたので、何か疑はれたのではないかとも思つたが、まあ、何もしてないのでどうでもいいと思つた。

警察官は腰の低い男性だつた。いつも仕事場にくる感じの良い運送屋の人に似てゐた。もしかしたら、今の時代は警察官も接客(?)といふか接遇の技術を磨くやう研修を受けてゐるのかもしれない。泉谷しげるの「黒いカバン」の警察官とは隔世の感がある。まあ、お互ひ別に何も悪いことはしてないので「まあ、今度だけは許してやらう」といふ必要もない。

そして県立短大の近くにある「クレセント」に行つた。久し振りに本をゆつくり読んだ。

喫茶店で本をゆつくりと読んでゐると幸せを感じる。でも、以前仕事帰りに「さぼうる」で本をゆつくり読んでゐると、奥の方でこつちをじろじろ見て笑ふ女がゐた。知り合ひでも何でもなく、僕を馬鹿にしたやうに笑つてゐた。多分学生だらう。何がおかしいのか、多分喫茶店でずつと本を読み続けてゐる人間を見た事がないのか、よつぽど珍しい生き物か何かだと思つたのだらう。腹がたつたので、その女に「何か文句でもあるのか」と詰問しようかとも思つたが、面倒だつたし、不愉快な思ひをしながら本を読みたくはなかつたので勘定を払ひ店を出た。

きつと不幸せな頭の働きをする女なんだらうな、と思つた。そして本を読む喜びなんか全然味はつたこと等無いのだらうな、と思つた。可哀さうな人だ。

しかし、今日の時事放談は妙な感じだなあ。まあ、いいとしよう。


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