司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

弁護士が,登記について電子申請するための方法

2018-10-31 23:50:20 | 不動産登記法その他
日弁連法務研究財団「不動産登記の電子情報システムに関するインタビュー」
https://www.jlf.or.jp/jlfnews/vol27_1.shtml

 平成16年改正不動産登記法の施行直後のものであるが,上記の「8 弁護士が代理人としてオンライン申請をする場合の電子証明方法はどのようになりますか。」の項で,小宮山秀史法務省民事局民事第二課補佐官(当時。現在は,公証人)による次の発言がある。

「登記の手続としては弁護士だから弁護士会が独自につくられた電子証明書をつけなければ登記申請できないという話ではありません。・・・弁護士がオンライン申請する場合に、弁護士会独自の電子証明書をつけないことにより、弁護士法違反になるかどうかはこちらで説明する話ではありません。・・・弁護士がオンライン申請をして、なおかつ資格者としての証明をする場合には、弁護士会等で、何か弁護士だということが確認できるような制度を立ち上げていただく必要があるのかなと考えます。」

 というわけで(?),13年の時を経て,

「弁護士会長の公印のある「登録番号・氏名・個人の住所・生年月日・登録日・事務所住所・事務所名」が記載された証明書を特例方式で送る。これで弁護士も代理人として電子申請ができると回答が得られました。」(岡口基一判事のFACEBOOKの投稿より)
https://www.facebook.com/okaguchik

 こんなことできるの? と思ったが,公的個人認証サービス等により電子署名をしてオンライン申請をした上で,資格者代理人としての弁護士による申請であることを証明するために,弁護士会発行の証明書を特例方式で提出する,ということであるようだ。

 裁判手続のIT化についても,まさかこの方式?
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飲食店組合が無断キャンセルに対抗するため統一指針

2018-10-31 19:38:07 | 消費者問題
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37167250R31C18A0000000/

 全国の8万の飲食業者などが加盟する全国飲食業生活衛生同業組合連合会が,「無断キャンセル」した客に対し,キャンセル料を請求する指針をまとめたそうだ。

「キャンセル料の目安は「平均客単価の5割程度」になるという。」(上掲記事)

 明日(11月1日)公表されるそうだ。
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法制審議会特別養子制度部会第6回会議(平成30年10月23日開催)

2018-10-31 18:40:58 | 民法改正
法制審議会特別養子制度部会第6回会議(平成30年10月23日開催)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900382.html

1 養親として普通養子縁組を経験した方
  講演及び質疑応答

2 東京大学大学院 遠藤利彦教授
  講演及び質疑応答

と一風変わった会議が開催されたようである。
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上場企業における株主総会決議の不存在?

2018-10-31 08:30:09 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37008290W8A021C1TCJ000/

 上場企業の定時株主総会において,取締役の選任議案に修正動議が出され,その後,議長不信任の動議が出て,議長が交代し,取締役の選任に関する修正案が可決されたとされているが,修正動議によりはじき出された(任期満了退任となった)取締役が,株主総会の不存在の訴えを提起したものである。

 修正動議は,当初の候補者7人に対して,そのうち4人を削除し,新たに3人を追加した形での選任を諮るものであった。

 議長の交代は・・・謎である。


 とまれ,取締役の選任議案の修正に関しては,取扱いが難しい。下記の解説が詳しいので,御一読を。

cf. 取締役選任議案に関する修正動議への対応方法
https://business.bengo4.com/practices/223

 かつて,川崎重工業でも似たような事件があった。

cf. 平成25年6月15日付け「川崎重工業の内紛」

 上場企業においては,既に議決権行使書で会社提案に相当数の賛成票があり,また大株主からは個別の委任状を取り付けているので,議場で修正動議が出ても,通常は門前払い,原案を承認して終わりである。

 しかし,取締役の選任議案の修正動議が適法に提出された場合,上記の「対応方法」のとおり,7人+3人=10人の候補者について個別に賛否を諮り,上位7人を選任するという方法が穏当であろうと思われる。

 ところで,当事者である株式会社アドバネクスは,本件訴訟を公表(タイムリー・ディスクロージャー)していないが,よいのか?

 余談ながら,原告側代理人が園尾隆司弁護士,被告側代理人が久保利英明弁護士というのも,すごいですね。
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道路交通法は,夜間の走行時はハイビームが原則

2018-10-31 05:59:29 | いろいろ
讀賣新聞記事
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181030-OYT1T50030.html?from=ytop_main8

 私も,「山道ならハイビームだが,町中ではめったにしない」派ですね・・。
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アクセス登記所における登記の申請書の受付に関する事務が廃止されます(平成31年3月1日から)

2018-10-30 14:40:50 | 会社法(改正商法等)
アクセス登記所における登記の申請書の受付に関する事務が廃止されます(平成31年3月1日から)by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00121.html

「商業・法人登記事務のうち,商業・法人登記申請事件の審査事務を取り扱わなくなった登記所(アクセス登記所)においては,これまで,誤って申請書の提出があった場合には,適宜,当該申請書を管轄の商業登記所に回付する取扱いをしてきたところですが,平成31年3月1日から,当該取扱いは廃止されますので,お知らせいたします。

 商業・法人登記は,商業・法人登記申請事件の審査事務を取り扱っている,管轄の法務局に申請する必要があります。管轄の法務局は,法務局ホームページで確認することができます。」


 本件に関しては,「法務局及び地方法務局における商業・法人登記事務の集中化の実施後の商業・法人登記事務に関する取扱要領」の一部改正について(通達)」(平成30年10月17日付法務省民商第116号法務省民事局長通達)が発出されている。
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長期相続登記等未了土地解消作業の入札情報

2018-10-30 12:32:47 | 空き家問題&所有者不明土地問題
京都地方法務局
http://houmukyoku.moj.go.jp/kyoto/table/nyuusatsu/all.html

 全国の法務局及び地方法務局で,入札手続が始まりました。
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士業独占に風穴?~グレーゾーン解消制度

2018-10-29 08:05:38 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO36965540W8A021C1TCJ000/


「独占」というと,聞こえが悪いが,「専門家」に委せることは,合理性があると思うのであるが。
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司法書士もマネー・ローンダリング等の防止のための取組が求められる

2018-10-28 17:23:30 | いろいろ
警察庁「平成29年犯罪収益移転危険度調査書」
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/nenzihokoku/risk/risk291130.pdf
※ 49頁~51頁

「このように、法律・会計専門家は、法律、会計等に関する高度の専門的知識を活かし、様々な取引行為に関与するとともに、高い社会的信用を得ている。一方で、犯罪による収益の移転を企図する者にとって、法律・会計専門家は、その目的に適った財産の管理又は処分を行う上で必要な法律・会計上の専門的知識を有するとともに、その社会的信用が高いため、法律・会計専門家を取引や財産の管理に介在させることにより、これに正当性があるかのような外観を作出することが可能になる。
 また、FATF等は、銀行等に対するマネー・ローンダリング等に係る規制が効果的に実施されるに伴い、マネー・ローンダリング等を企図する者は、銀行等を通じたマネー・ローンダリング等に代えて、法律・会計専門家から専門的な助言を得、又は社会的信用のある法律・会計専門家を取引行為に介在させるなどし、マネー・ローンダリング等を敢行するようになってきたことを指摘している。」


ウ 危険度
 法律・会計専門家は、法律、会計等に関する高度な専門的知識を有するとともに、社会的信用が高いことから、その職務や関連する事務を通じた取引等は犯罪による収益の移転の有効な手段となり得る。実際、犯罪による収益の隠匿行為等を正当な取引であると仮装するために、法律・会計関係サービスを利用していた事例があること等から、法律・会計専門家が、以下の行為の代理又は代行を行うに当たっては、犯罪による収益の移転に悪用される危険性があると認められる。

○ 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続
 不動産は、財産的な価値が高く、多額の現金との交換を容易に行うことができるほか、その価値が容易に減損しない。また、土地ごとの利用価値や利用方法等について様々な評価をすることができるため、財産的価値の把握が困難であり、通常の価格に金額を上乗せして対価を支払うことにより犯罪による収益の移転に悪用される危険性がある。さらに、その売買に当たっては、境界の確定、所有権の移転登記等、煩雑かつ専門的知識を必要とする手続を経なくてはならず、これらの知識や社会的信用を有する法律・会計専門家を利用してこれらの手続を行うことにより、より容易に犯罪による収益を移転することが可能となる。

○ 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続
 会社その他の法人、組合又は信託は、出資者等とは独立した財産が形成されるものであり、これらは、例えば、多額の財産の移動を事業名目で行うことを可能とするなど、財産の真の帰属や由来を仮装することを容易にするものであることから、犯罪による収益の移転に悪用される危険性がある。また、法律・会計専門家は会社等の組織、運営及び管理に必要な専門知識のほか、社会的信用も有していることから、法律・会計専門家を利用して会社の設立等に関する行為又は手続を行うことにより、より容易に犯罪による収益を移転することが可能となる。

○ 現金、預金、有価証券その他の財産の管理又は処分
 法律・会計専門家は、財産の保管や売却、当該財産を原資とした他の財産の購入等を行う上で必要な専門的知識及び有用な社会的信用を有しており、法律・会計専門家を利用して財産の管理又は処分を行うことにより、より容易に犯罪による収益を移転することが可能となる。
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犯罪収益移転防止法により求められる本人特定事項の確認等に関するアンケート

2018-10-27 10:58:42 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 月報司法書士2018年10月号に,「犯罪収益移転防止法により求められる本人特定事項の確認等に関するアンケート」が同梱されています。

 会員のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策,犯収法により求められる本人特定事項の確認等に関する取組状況を把握するために実施されるものです。

 チェック式で簡単に回答することができますので,ぜひ御協力方お願いします。
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取締役等の欠格条項(成年被後見人等)の見直し

2018-10-26 11:34:26 | 会社法(改正商法等)
法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会第17回会議(平成30年10月24日)開催
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900381.html

 公表された「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(仮案)」では,次のとおりである。


5 取締役等の欠格条項の削除及びこれに伴う規律の整備
 第331条第1項第2号を削除するものとした上で,次の規定を追加するものとする。
① 成年被後見人が取締役,監査役,執行役,清算人,設立時取締役又は設立時監査役(以下5において「取締役等」という。)に就任するには,その成年後見人において,本人の同意を得た上で,本人に代わって就任の承諾をしなければならないものとする。この場合において,成年後見人が本人の同意を得ないでした就任の承諾又は本人がした就任の承諾は,その効力を生じないものとする。
② 被保佐人が取締役等に就任するには,その保佐人の同意を得なければならないものとする。この場合において,保佐人の同意を得ないでした就任の承諾は,その効力を生じないものとする。
③ 成年被後見人又は被保佐人がした取締役等の資格に基づく行為は,行為能力の制限によっては取り消すことができないものとする。

cf. 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g19609056.htm

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「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案」が秋の臨時国会に上程

2018-10-26 11:24:14 | いろいろ
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g19609056.htm

 秋の臨時国会に上程され,衆議院内閣委員会に付託されている。

 対応が急務である。
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会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(仮案)

2018-10-26 10:17:32 | 会社法(改正商法等)
法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会第17回会議(平成30年10月24日)開催
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900381.html

「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(仮案)」が公表されている。


「社外取締役の義務付け」については,「義務付ける」方向であるようだ。この場合,社外取締役に欠員が生じたことが,直ちに取締役会決議の効力に影響するのではないかという論点があるようで,下記のような整理がされている。

「仮に,会社法において社外取締役を置くことが義務付けられた場合であっても,社外取締役に欠員が生じたことが,直ちに取締役会決議の効力に影響すると考える必要はないと考えられる。当部会においても,仮に,上場会社等について社外取締役を置くことを義務付けたとしても,社外取締役は取締役会の構成員の一人であって,これを特別扱いして,社外取締役を欠くときに有効に取締役会の決議をすることができないとまで考える必要はないという指摘がされている。」



「会社の登記に関する見直し」に関する論点のうち,「(2)株式会社の代表者の住所が記載された登記事項証明書」については,下記のとおりとされるようである。

(補足説明)
 株式会社の代表者の住所が記載された登記事項証明書に関する規律の見直しについては,当部会における議論,パブリックコメントに寄せられた意見,登記所における対応可能性等を踏まえ,(ⅰ)基本的には,株式会社の代表者の住所を登記事項証明書に記載する現行の商業登記法の規律は見直さないものとするが,例外的に,株式会社の代表者が特定の法律に規定する被害者であり,再被害を受けるおそれがある場合において,当該代表者から申出があったときは,当該代表者の住所を登記事項証明書に記載しないものとし,(ⅱ)電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に基づく登記情報の提供においては,代表者の住所に関する情報を一律に提供しないものとする。
 なお,上記のような株式会社の代表者の住所が記載された登記事項証明書等に関する規律の見直しについては,会社法及び会社法に基づく法務省令の改正を伴わず,関係法律に基づく法務省令の改正によって対応することが想定されるため,附帯決議として取りまとめるものとしたい。
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将棋で,駒飛び越える反則,相手も気付かず,固まる記録係

2018-10-25 16:55:13 | いろいろ
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASLBQ7RV0LBQUCVL04Y.html?iref=comtop_8_07

 相手も,反則だと気付かず,「2分近く受ける手を考えた」(上掲記事)。

 記録係だけが,「記録係はタブレット型端末を使って将棋ソフトに指し手を入力する。ソフトは反則手は受け付けないため、指し手が入力できなかった」(上掲記事)ということで,固まっていた。

 驚くべき真相である。
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法務大臣閣議後記者会見の概要「「嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会」に関する質疑について」

2018-10-25 16:02:24 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(平成30年10月19日(金))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_01059.html

〇 「嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会」に関する質疑について
【記者】
 民法の「嫡出推定」などが原因で,出生届が提出されていない無戸籍者の解消を目指して法務省が発足させた研究会が18日,初会合を開きました。今後,どのような議論を期待されますか。

【大臣】
 御指摘のとおり,昨日,18日,「嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会」が立ち上げられたところです。研究者,実務家等とともに,法務省の担当者もこの研究会に参加しています。
 会議の内容について,第1回会議では嫡出推定制度の見直しの検討について議論がされました。
 第2回会議以降は,これと併せて生殖補助医療によって生まれた子に関する親子法制の整備について議論がされる予定です。
 嫡出推定制度については,無戸籍者問題の解決に向け,自民党の司法制度調査会や公明党などから見直しの検討を求める提言がされているところです。法務省としても,これまでも無戸籍者問題の解決に向け,様々な取組をしてきたところですが,この研究会においても,積極的な議論がされることを期待しているところです。

cf. 嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/cyakusyutsusuitei
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