司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

特集「家族法改正ー共同親権・養育費・親子交流等」

2024-08-29 14:56:33 | 家事事件(成年後見等)
「家庭の法と裁判」2024年8月号(日本加除出版)に,特集「家族法改正ー共同親権・養育費・親子交流等」が掲載されている。

 いわゆる「家族法制の見直し」に係る令和6年改正民法の解説であり,目を通しておくべきであると思われる。

 また,「『東京家裁人訴部における離婚訴訟審理モデル』について」においては,財産分与等の審理上の留意点の解説があり,訴訟に関わることがない司法書士としても,参考になると思われる。
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死後離婚

2024-08-28 14:59:13 | 家事事件(成年後見等)
産経新聞記事
https://www.sankei.com/article/20240827-XMBIUMBDYBHKTMFI2747TBHIOA/

「法務省の戸籍統計によると、姻族関係終了届の届け出件数は、10年ほど前の平成24年度は2213件だったが、令和4年度は3000件を突破した。」

 増えているとはいえ,まだまだ少ない感。

民法
 (離婚等による姻族関係の終了)
第728条 姻族関係は、離婚によって終了する。
2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。


「「夫は長男だから、いずれ家を継いで、あなた方の面倒を見る」。妻が夫の生前、夫の両親にこんな理由で金銭を要求したり、家の名義を変更させたりしたにもかかわらず、妻は夫が亡くなると終了届を提出。老後の面倒を見てもらえると思い込んでいた義父母は約束を反故にされ、「財産も持ち逃げされた」と憤慨する例もあった。」(上掲記事)

 ん~,これは,さすがに・・・。しかし,今後はこの手の事案も増えそうである。
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「子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究」

2024-08-28 09:35:20 | 家事事件(成年後見等)
司法研修所編「子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究」(法曹会)
https://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202210.html

「本司法研究は、父母による子の監護をめぐる近年の変化を契機に、子の監護者指定等について新たな判断枠組みを提唱するとともに、手続運営の実践面を整理し、提案するものである。」


cf. 子の監護に関する処分事件の事件動向について by 最高裁
https://www.moj.go.jp/content/001347793.pdf

司法統計の修正について
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/shihotokei_osirase/shihotokei_syuusei/index.html
※「今回の修正は、子の監護者の指定を求める申立てがされ、家庭裁判所が監護者を指定した場合の終局区分の扱いが区々になっていたことが判明したため、子の福祉の観点から、監護者がいずれかに指定された場合の終局区分を「認容」として扱う旨改めて終局区分の扱いを統一した上で、平成29年以降の子の監護者指定事件について調査した結果を元に、公表物の数値の修正を行ったものです。また、本調査に伴い、終局区分以外の項目や子の引渡しを求める事件の統計についても修正報告があったため、同事件の数値についても併せて掲載を行いました。」

日本の司法統計をきちんと読む
https://ameblo.jp/tsuresarisasenai/entry-12759830486.html
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調停委員はどんな人?

2024-08-23 18:02:19 | 家事事件(成年後見等)
公益財団法人日本調停協会連合会
https://www.choutei.jp/about/chouteiin/index.html

「民事調停委員」と「家事調停委員」について,「員数」「年齢別員数」「職業別員数」の分類が公表されている。

「年齢別」に,「任命時の年齢による」とあるが,原則として2年ごとに再任されているので,「直近の任命時の年齢」ということであろう。

「職業別」に,「司法書士」の項目がない。それなりの数が在任していると思われるが,「等」なのか・・・。
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配偶者暴力等保護命令手続

2024-06-21 17:57:31 | 家事事件(成年後見等)
配偶者暴力等保護命令手続 by 東京地裁
https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section09/DV-2/index.html

 DV保護命令制度が,令和6年4月1日から改正され,裁判所HPが更新されている。申立書等の書式もあり。

cf. 改正配偶者暴力防止法の施行について by 内閣府
https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240314.html
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法定後見の開始に関する検討

2024-06-11 19:09:11 | 家事事件(成年後見等)
法制審議会民法(成年後見等関係)部会第2回会議(令和6年5月21日開催)
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00245.html

「法定後見の開始に関する検討事項」について議論がされたようである。
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婚姻数,戦後最少の47万組に

2024-06-05 22:43:43 | 家事事件(成年後見等)
共同通信記事
https://www.47news.jp/11020124.html

「2023年の婚姻数は初めて50万組を割り込み、47万4717組(前年比3万213組減)だった・・・・・婚姻数は1972年の109万9984組がピーク。70年代後半から2010年まではおおむね70万組台を維持していたが、18年に初めて60万組を割るなど減少基調が続く。」(上掲記事)

「晩婚化」&「非婚化」の影響か。
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後見人は,被後見人の親族の後見等開始審判を申し立てることができる?

2024-05-30 18:23:58 | 家事事件(成年後見等)
新日本法規
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100140.pdf

 成年被後見人の親族に相続が開始して,成年被後見人が相続人となった場合に,他の相続人が認知症等により判断能力がなく,遺産分割協議のために後見開始の審判を申し立てる必要がある場合に,成年後見人が成年被後見人に代わって申立てをすることができるか?

 この点についての家裁の運用は,「財産に関する法律行為」(民法第859条第1項)に該当しないとして,否定的であるケースが多いようである。

 しかし,これは,硬直的に過ぎるのではないか。遺産分割協議を行うために必要である場合には,「財産に関する法律行為」を広く解釈して,柔軟に対応すべきであろう。
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人口120万人でも「家裁空白地」

2024-05-01 16:57:45 | 家事事件(成年後見等)
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASS4R45Q8S4RULFA025M.html?iref=comtop_7_03

 神奈川県藤沢市に「家庭裁判所の出張所を」という運動があるというお話。

「全国の家裁が2022年に新たに受理した事件は、全体で約115万件。20年前の1.8倍に上る。」(上掲記事)

 京都弁護士会も,15年くらい前に,「創ろう!南部に!裁判所支部を!」と運動をしていたが,京都府南部に未だ支部は設置されていない。

 家庭裁判所の支部又は出張所が新設されたのは,わずか2箇所(あいまいな記憶だが。)。

 最近では,相続登記の義務化の関係で,遺産分割調停の申立てが増加しているといわれ,また共同親権に関する改正民法が施行されることになれば,家裁はパンクするのではないかともいわれている。

 ちょうど今やっている朝ドラ「虎に翼」のヒロインのモデルとされる三渕嘉子さんは,戦後,家庭裁判所の創設に関わったとされているが,さて・・。

cf. 清永聡「家庭裁判所物語」(日本評論社)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7853
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法務大臣閣議後記者会見の概要「法制審議会民法(成年後見等関係)部会第1回会議に関する質疑について」

2024-04-11 08:13:34 | 家事事件(成年後見等)
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月9日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00502.html

〇 法制審議会民法(成年後見等関係)部会第1回会議に関する質疑について
【記者】
 成年後見制度について伺います。本日、成年後見制度に対する法制審議会の部会第1回目が開催されると思います。この成年後見制度について大臣が諮問した経緯というのを改めて教えてください。また、この制度の課題点ですとか今後の審議に期待することをお願いいたします。

【大臣】
 まず、高齢化の進展があります。これによって、成年後見制度に対するニーズの増加や多様化が見込まれます。これはひしひしと、周りの方々の様子を見ていても感じるものがあります。他方で、この成年後見制度については、判断能力が回復しない限り、制度の利用をなかなかやめることができないという問題点が指摘されています。こういった問題点を踏まえて、本人の尊厳にふさわしい生活の継続や、その権利利益の擁護等をより一層図る観点から、法制審議会に対して、制度の見直しについて、この2月、諮問を行いました。その1回目の会議が今日、開催されます。
 この法制審議会民法(成年後見等関係)部会において、調査審議が本日から開始されるわけでありますけれども、かなり幅広い論点が議論の対象になると思います。しかしスピード感を持って進めていただくことを期待したいというふうに思います。内容については、やはり諮問した立場でありますので、委員それぞれの方の、率直な御意見、御議論を期待したいと思います。

cf. 法制審議会-民法(成年後見等関係)部会
※ 未だオープンになっておらず。
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成年後見制度の見直し,法制審で議論がスタート

2024-04-09 22:20:15 | 家事事件(成年後見等)
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA086GP0Y4A400C2000000/

「法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は9日、成年後見制度の見直しの議論を開始した。日常の行動は本人が意思決定するのを前提に、後見人が支援をする範囲を事前に定める案などを議論する。2026年度までに民法などの関連法の改正を目指す。」

「現行の制度では判断能力が回復しない限り利用をやめることはできない。必要な期間のみ制度を利用できるようにする案や必要がなくなれば終了する仕組みについても話し合う。」(上掲記事)

 スポット後見人的な運用が可能となる。
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報酬を支払って得たものは”自由の制限” ??

2024-04-07 17:09:12 | 家事事件(成年後見等)
毎日放送記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/341fd8971a0980992fa770c5e5503f59bb37849f

 親族が本人の財産に寄りかかろうとすることを,成年後見人としては制限することになるが,それをもって,「自由の制限」であるとか,成年後見人を「悪人」のように表現するのは,いかがなものであろうか。

 一方当事者の言い分のみを取り上げるのみでは,公平な「報道」とはいえないと思うが。
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京都家庭裁判所「家事事件における戸籍謄本等の提出について」~コピーも可

2024-03-22 23:25:46 | 家事事件(成年後見等)
京都家裁
https://www.courts.go.jp/kyoto/saiban/katei/index.html

「家事事件に必要な戸籍謄本等(戸籍謄本、全部事項証明書、除籍謄本、改製原戸籍謄本、戸籍附票、住民票の写し、韓国籍の方の家族関係証明書等のことをいいます。)については、原本又は写し(コピー)のいずれを提出していただいても差し支えありません(ただし、人事訴訟事件では原本の提出が必要です。)。」

 現今のところ,このような運用が確認できたのは,京都,大阪,神戸,大津,奈良,和歌山及び高松の各家裁である。

【追記】
 名古屋家裁もOKらしい。

cf. 大阪家裁
https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/annai/index.html


神戸家裁
https://www.courts.go.jp/kobe/vc-files/kobe/2024/060301_kosekikankeisyorui/01_kosekitouhonnoteisyutunituite.pdf
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成年後見の首長申立てが増えている

2024-03-05 17:29:10 | 家事事件(成年後見等)
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASS3135RTS2YUTFL00V.html?iref=pc_ss_date_article

「最高裁の資料によると、2022年は9229件と、2013年の5046件から1・8倍に増加。申し立て全体に占める割合も23・3%と、すでに子どもによる申し立て(20・8%)を上回っている。」(上掲記事)

 ん~,そんなに多いとは。
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代理人キャッシュカード

2024-02-17 21:59:25 | 家事事件(成年後見等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB067OK0W4A200C2000000/

「代理人カードは例えばより若い世代でも夫婦が共同で家計管理をする手段としても使えるが、高齢化に伴うリスクに備える利用が多いようだ。名義人が病気で入院したり介護施設に入居したりして外出が難しくなったときに代理人が生活費などを出金する。」(上掲記事)

 日本では,ジョイント・アカウント(共同名義の口座)が認められていないので,夫婦の場合にも,この仕組みが利用され得る。

 現代は,共働きのダブル・インカムが当たり前の時代であり,ジョイント・アカウントが認められてもよいと思われるのだが。
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