司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

無免許者が宅地建物取引業者からその名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意は,公序良俗に反し,無効

2021-06-29 18:23:47 | 不動産登記法その他
最高裁令和3年6月29日第3小法廷判決
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90443

【判示事項】
無免許者が宅地建物取引業を営むために宅地建物取引業者からその名義を借り,当該名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意は,公序良俗に反し,無効である

「宅建業者が無免許者にその名義を貸し,無免許者が当該名義を用いて宅地建物取引業を営む行為は,同法12条1項及び13条1項に違反し,同法の採用する免許制度を潜脱するものであって,反社会性の強いものというべきである。そうすると,無免許者が宅地建物取引業を営むために宅建業者との間でするその名義を借りる旨の合意は,同法12条1項及び13条1項の趣旨に反し,公序良俗に反するものであり,これと併せて,宅建業者の名義を借りてされた取引による利益を分配する旨の合意がされた場合,当該合意は,名義を借りる旨の合意と一体のものとみるべきである。」
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「戸籍法施行規則の一部を改正する省令案」

2021-06-28 00:15:34 | いろいろ
「戸籍法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見公募
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080242&Mode=0

 婚姻届書や離婚届書について,押印の義務をなくし,任意とする等の改正である。

○ 改正の内容
1 署名,押印,代書及びぼ印に関する見直し(規則第62条)
 届書への署名,押印,代書及びぼ印に関する取扱いについて,押印及びぼ印に関する部分を削除し,署名をすることができないと市町村長において認めるときは,氏名を代書させるだけで足りることとする。

2 届書の訂正方法の見直し(規則第67条第1項)
 届書の記載をするに当たって文字の訂正,追加又は削除をし,欄外にその字数を記載したときに準用するとされていた規則第34条第4項の規定中「認印を押し」を「署名し」に読み替える。

3 届出の様式の改正(規則附録第11号から第14号まで)
 規則で定めている出生届,婚姻届,離婚届及び死亡届の様式について,押印の義務はないが,任意の押印が可能なことが明らかになるよう,署名押印欄に押印は任意である旨注記するとともに,婚姻届及び離婚届の様式にあっては「届出人署名押印」欄及び証人の「署名押印」欄をそれぞれ「届出人署名」欄,「署名」欄とする改正を行う。また,「住所」欄にマンション名等の方書を記載する欄を確保するため,「住所」欄の「番地」及び「番 号」の不動文字を削除する。
 あわせて,婚姻届及び離婚届の様式の「父母の氏名 父母との続き柄」欄に養父母の氏名の記載をすることができることが明らかになるよう,「父母の氏名 父母との続き柄」欄を「父母及び養父母の氏名 父母との続き柄」欄とし養父欄及び養母欄を加える改正を行う。

○ 施行日
 令和3年9月1日

 意見募集は,令和3年7月28日(水)まで。
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「商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規程案」

2021-06-28 00:07:04 | 会社法(改正商法等)
「商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規程案」に関する意見募集
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080244&Mode=0

「公的機関において法人の実質的支配者情報を把握することについては,法人の透明性を向上させ,資金洗浄等の目的による法人の悪用を防止する観点から,FATFの勧告や金融機関からの要望等,国内外の要請が高まっている。
 このような要請に応えるものとして,法人設立時の実質的支配者情報については,既に,公証人が定款認証を行う際に嘱託人に法人の実質的支配者となるべき者を申告させる取組が行われており,同取組は国際的にも評価を得ているところであるが,法人設立後の継続的な実質的支配者の把握が更なる課題となっている。
 設立後の法人の基礎的な情報は,商業登記所に登記されており,当該業務を担う登記官は,商業・法人登記の分野において高度な専門性を有しており,法人の実質的支配者情報の把握促進のために効果的な役割を果たし得る。」(後掲研究会HP)

 ということから,商業登記所による法人の実質的支配者情報の把握促進のための方策が導入されるものである。

 商業登記規則の改正によるのではなく,新たに「規程」を制定するものであり,「公布」ではなく,「告示」である。

 施行期日は,令和4年1月31日(月)。

 意見募集は,令和3年7月28日(水)まで。

cf. 商業登記所における法人の実質的支配者情報の把握促進に関する研究会
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00044.html
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なぜ?土地相続した途端に不動産会社から大量DM

2021-06-27 13:06:05 | 不動産登記法その他
京都新聞記事
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/588011

 司法書士が情報を横流ししているわけではありません。

 相続登記の依頼を受ける際には,「登記完了後,不動産会社からDMが届きます」という説明が必須となっていますね。
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法制審議会家族法制部会第4回会議

2021-06-26 15:49:36 | 民法改正
法制審議会家族法制部会第4回会議(令和3年6月22日開催)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00073.html

 養育費に関する論点等について議論がされたようである。
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民事裁判手続のIT化,来年2月から試験運用へ

2021-06-26 15:47:56 | 民事訴訟等
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210626/k10013104401000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_003

「このシステムについて最高裁は、来年2月から甲府地方裁判所と大津地方裁判所で試験的に運用を始め、その後、全国の裁判所に導入していくことにしています。」(上掲記事)

 「民事裁判書類電子提出システム」=「mints」と名付けられたそうだ。
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個人情報保護委員会「合併や組織再編等を行う事業者の方へ」

2021-06-25 19:02:42 | 会社法(改正商法等)
個人情報保護委員会
https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/gappei_soshikisaihen/

「事業者が合併や組織再編等を行う場合に、ホームページ等に記載している個人情報の利用目的の確認を行わなかったため、正しく利用目的を通知・公表していない状態で個人情報を利用している事例が発生しています。

 合併や組織再編等を行う場合など、事業内容に変更・追加が生じる際には、当初取得時に特定し、通知・公表している利用目的が過不足なく正しく反映されているか、通知・公表を行っているホームページや社内掲示等を確認していただく必要があります。

 特に、事業者内において、個人情報を利用するサービスが複数あり、サービスごとに個人情報の利用目的を通知・公表している場合等には、そのサービスごとに個人情報の利用目的の通知・公表内容に過不足がないか確認するようにしましょう。なお、確認した結果、当初の利用目的の範囲を超えて個人情報を利用する場合は、あらかじめ本人の同意を得る必要があることにもご注意ください。」

 ん~,組織再編を行う際には,こういう点にも配慮が必要ということである。難しいな。
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フロリダの高級マンションが崩落

2021-06-25 10:06:00 | 不動産登記法その他
毎日新聞記事
https://mainichi.jp/articles/20210625/k00/00m/030/064000c

 築40年らしいが,突然崩落とは・・・。

 日本においても,遠からず大規模マンションの建替えがラッシュを迎えることから,建替えの円滑化に関する法改正が度々行われているところである。
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「花押」とは

2021-06-24 19:43:16 | いろいろ
Docusign
https://www.docusign.jp/blog/what-is-kao-stylized-signature

「戦国時代の署名として使われた「花押」とは」が掲載されている。なるほどです。
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法務大臣臨時記者会見の概要「夫婦別氏についての最高裁判所の判断に関する質疑について」

2021-06-24 17:34:54 | 民法改正
法務大臣臨時記者会見の概要(令和3年6月23日(水))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00211.html

「本日,最高裁判所大法廷におきまして,夫婦は同じ氏を称することとしている民法第750条が,憲法等に違反するか否かが争点となった事件について,決定がされました。
 最高裁判所は,夫婦同氏制を定める民法第750条の規定は合憲であるとの判断をしたものであり,基本的には平成27年の判決を踏襲したものとなっているものと承知しております。
 ただ,平成27年の事案は,夫婦同氏制の規定を改廃しないという立法不作為の違法を理由とする国家賠償請求でしたが,今回の事案は,夫婦別氏での婚姻届出の不受理処分に対する不服申立てでした。こうした事件類型の違いも含めて,最高裁判所の判断を精査していく必要があるものと考えております。
 夫婦の氏に関する問題につきましては,最高裁判所の判断内容も精査した上で,国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら,引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。」

〇 夫婦別氏についての最高裁判所の判断に関する質疑について
【記者】
 今回の大法廷決定で,最高裁は2015年判決と同様に,家族の氏の在り方について,国会での真摯な議論を促しています。
 司法府から再びこうした注文がついたことを,どのように受け止められましたでしょうか。

【大臣】
 今回の最高裁の判断におきましても,夫婦の氏の問題につきましては,「国会で論ぜられ,判断されるべき事柄にほかならない。」とされているところであります。
 法務省といたしましては,国会における議論が充実したものとなるように,法制審議会での検討の経過や最近の議論状況等につきまして,積極的に情報提供をするなど,できる限りの協力をしているところでございます。
 こうした協力の取組を続けるとともに,引き続き広報・周知を徹底するなどの環境整備にも努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても,多数意見のみならず,反対意見や補足意見につきましても,その内容を十分に精査する必要があるものと認識しております。

【記者】
 選択的夫婦別姓については,肝心の自民党内での意見集約がなかなか進んでいない現状があると思います。
 先ほどもありましたが,今回国会で議論すべきと二度目のボールが投げられた形になります。この点,改めて受け止めと,現状の中で議論をどのように進めていくべきか,大臣のお考えを教えてください。

【大臣】
 今回最高裁の大法廷におきまして,御指摘の判示がなされたところでございます。
 先ほども私自身が申し上げたところでございますが,立法府におきましての真摯な議論ということでございますので,その意味で,行政府としての法務省といたしましては,そうした議論がしっかりなされるように,環境整備も含めまして,あるいは広報の在り方も含めまして対応していくということ,これはこれまでどおりということでございます。
 各党におきまして,様々な形で検討が進められているものと承知をしております。法務省といたしましても,この夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関しまして,各党での検討を含む国会においての議論の動向,こうしたことを注視しながら,検討を進めてまいりたいと考えております。

【記者】
 最高裁の判断は判断としてあるのでしょうけれども,平成29年に政府が直近で行った家族の法制に関する世論調査では,現行法を改める必要はないというのは29.3%で,一方で選択的夫婦別姓に賛成というのは42.5%あったそうです。
 このように過半数に近い人たちが賛成している中で,今回,同姓合憲が出たということに関してはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 世論調査を通して,国民の皆さんの意見については,これまでも定点的に調査し,その動向等をしっかりと把握してきたところであります。
 様々な民間あるいは大学等の研究的なテーマとしてもこの問題が扱われており,様々な御意見や,各政党,あるいは国会の議論の中でも指摘をされてきたところであります。
 法務省といたしましては,こうした議論が活発に進むことができるように,環境整備を含め,広報活動をして国民の御理解を深めるとともに,議論がしっかりとなされるよう協力をしていく,情報提供をしていくという姿勢は,これまでどおり続けていく必要があると思っております。
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オンライン登記申請「アイデアボックス」

2021-06-24 08:15:34 | 法務省&法務局関係
オンライン登記申請「アイデアボックス」
https://touki-ideabox.powerappsportals.com/

 たくさんの「アイデア」が投稿されているようである。

 意見募集は,令和3年6月28日(月)まで。
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夫婦同姓を定めた民法と関連する戸籍法の規定に関する最高裁大法廷決定

2021-06-23 21:03:28 | 民法改正
最高裁令和3年6月23日大法廷決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90412

【判示事項】
民法750条及び戸籍法74条1号は,憲法24条に違反しない

「民法750条の規定が憲法24条に違反するものでないことは,当裁判所の判例とするところであり(最高裁平成26年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2586頁(以下「平成27年大法廷判決」という。)),上記規定を受けて夫婦が称する氏を婚姻届の必要的記載事項と定めた戸籍法74条1号の規定もまた憲法24条に違反するものでないことは,平成27年大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。」

 なお,4人の最高裁判事が「違憲」の意見である。

cf. HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60d1be9fe4b006d4620ce806
※ 各最高裁判事の「合憲」「違憲」の別,顔写真付け。
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夫婦同姓を定めた民法と関連する戸籍法の規定について,最高裁大法廷は「合憲」と判断

2021-06-23 15:20:37 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE200G90Q1A620C2000000/

「夫婦同姓を定めた民法と関連する戸籍法の規定について、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は23日、家事審判の特別抗告審決定で「合憲」とする判断を示した。」(上掲記事)

 やはり。
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監査等委員である取締役の選任に関する株主提案に取締役会が賛成?

2021-06-22 20:51:40 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC041R50U1A600C2000000/

 経営陣が,「監査等委員である取締役」の選任に関する議案に関して,「監査等委員会」の同意(会社法第344条の2第1項)を得られないことから,株主提案に頼ったのでは? というお話である。

 こんなことって・・・。

会社法
 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等)
第344条の2 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。
2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。
3 【略】
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マンション管理組合におけるITを活用した総会・理事会のルールの明確化

2021-06-22 18:16:44 | 不動産登記法その他
「マンション標準管理規約」の改正について~管理組合におけるITを活用した総会・理事会のルールの明確化など~
https://www.mlit.go.jp/report/press/house06_hh_000202.html

cf. 新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催に関する Q&A
https://www.mankan.or.jp/cms-sys/wp-content/uploads/2020/03/20200327-CORONA-QA.pdf

新型コロナウイルス感染拡大におけるITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A
https://www.mankan.or.jp/cms-sys/wp-content/uploads/2020/05/20200520-CORONA.pdf

 その他,

「マンション標準管理規約(団地型)については、今般のマンション建替円滑化法の改正により創設された敷地分割制度に関する所要の規定の整備を行っています。」
※ 令和4年4月頃施行予定

ということである。

cf. パブコメの結果
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=155210709&Mode=1
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