小野恵令奈の突然のAKB卒業発表を受け、AKBファンで満席かと覚悟して映画館に向かったが、全くそうではなかった。女性客やカップルがほとんど。笑うところでも笑いが出ないくらい、寂しい集客だった。選抜総選挙で小野に投票したファンは、皆もう観たのだろうか。
映画は最高だった。
脚本がいい。
ネタバレにならないよう、予告編でも分かる程度の筋書きに留めるが、姉(田畑智子)が恋人(高岡蒼甫)と暮らすマンションに転がり込んだ中学3年の桃(小野)が、姉の恋人を誘惑する話である。こう書くと陳腐だが、テンポもよく、自然な展開で、思わず高岡に感情移入しながら観てしまう。
わがままで無遠慮、罪の意識もなく、無自覚に男を誘惑していく小悪魔な桃は、魅力的だ。ほとんどスッピンで演じる小野は、輝いている。少女から大人へ変わりはじめて、肉体と精神のバランスが崩れている桃は、まさに今の小野のために当て書きされたような役だ。
女優として演技力があるかどうかは、この1役だけでは判断できないが、この映画の中では圧倒的な存在感を放っていたのは間違いない。
AKBメンバーとして「キラキラパワー」最大値の時期は、いつしか過ぎていたのかもしれないが、この映画での桃役は、今の小野にしか演じられない奇跡的なタイミングで与えられたものだった。
アイドル映画としても、アイドル小野の一瞬の魅力が写し取られており、記念碑的作品となった。高い評価ができる。ファンサービスの入浴シーンもある。
大島優子が、かなり序盤に1シーンだけ出ているので、見逃さないように。
『わがままな流れ星』で「アカデミー賞を取れるように」と歌っていた小野だが、日本アカデミー賞の新人賞、あるいは助演女優賞を取れてもおかしくない。
この映画に出会えたことに感謝しつつ、ここが彼女の新たな出発点になることを心から祈る。
映画は最高だった。
脚本がいい。
ネタバレにならないよう、予告編でも分かる程度の筋書きに留めるが、姉(田畑智子)が恋人(高岡蒼甫)と暮らすマンションに転がり込んだ中学3年の桃(小野)が、姉の恋人を誘惑する話である。こう書くと陳腐だが、テンポもよく、自然な展開で、思わず高岡に感情移入しながら観てしまう。
わがままで無遠慮、罪の意識もなく、無自覚に男を誘惑していく小悪魔な桃は、魅力的だ。ほとんどスッピンで演じる小野は、輝いている。少女から大人へ変わりはじめて、肉体と精神のバランスが崩れている桃は、まさに今の小野のために当て書きされたような役だ。
女優として演技力があるかどうかは、この1役だけでは判断できないが、この映画の中では圧倒的な存在感を放っていたのは間違いない。
AKBメンバーとして「キラキラパワー」最大値の時期は、いつしか過ぎていたのかもしれないが、この映画での桃役は、今の小野にしか演じられない奇跡的なタイミングで与えられたものだった。
アイドル映画としても、アイドル小野の一瞬の魅力が写し取られており、記念碑的作品となった。高い評価ができる。ファンサービスの入浴シーンもある。
大島優子が、かなり序盤に1シーンだけ出ているので、見逃さないように。
『わがままな流れ星』で「アカデミー賞を取れるように」と歌っていた小野だが、日本アカデミー賞の新人賞、あるいは助演女優賞を取れてもおかしくない。
この映画に出会えたことに感謝しつつ、ここが彼女の新たな出発点になることを心から祈る。
大人の2人と比べ、桃の行動は「何考えているか分からない」ように見える。そして、小野は「何考えているか分からない」女子中学生を、上手に演じている。きっと「桃はこう考えているのだろう」といった下手な恣意を加えずに演じているのが奏功しているのだろう。
観る方が、色々考える。
姉の恋人がどの程度の男か試してみたくなった。姉のマニュキュアを勝手に持ち出すように。
憧れの先輩にちょっと似た雰囲気の、姉の恋人を代償にした。全く好意を持てない男だったら、そもそも誘惑しようとも思わないだろう。
後輩に桃のことを「俺の彼女。」と冗談で紹介し、子供扱いした姉の恋人にカチンと来て、仕返しのため、自分に夢中にさせようと考えた。
そしてその目的を果たしたら、一転して拒絶した。「だって私、子供だもん」と。
最後の解釈が一番気に入っているが、いろんな想いが入り混じって、自分でも「何考えているかわからない」状態だというのが妥当だろう。
「さんかく」は、どの部門にもノミネートされていませんでした。
小野さんの「アカデミー賞」受賞は、お預けです。