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『前しか向かねえ』の前は前田敦子の前?(ときめき研究家)

2014-04-01 12:00:00 | ときめき研究家
カップリング曲も含め、特徴ある曲が揃った。

『前しか向かねえ』。
名実ともに大島優子の卒業ソング。
曲調は『GIVE ME FIVE』にも似ているし、歌詞もありきたりで、新鮮味はない。しかし、大島優子の卒業という事実、彼女の力強い歌唱によって、それなりに聞きごたえのある曲になっているのだと思う。だから、長く歌い続けられる普遍的な「卒業ソング」となりうるかと言えば、否だろう。
「最後くらいはカッコつけさせてくれ」は沢田研二の『勝手にしやがれ』、「振り返れば風が吹いているだけ」ははしだのりひことシューベルツの『風』という、あまりに有名な曲から堂々と「引用」している。これも卒業記念の大盤振る舞いだろう。

『君の嘘を知っていた』。
今回の曲の中で最も気に入った曲。『強がり時計』や『細雪リグレット』や『雨のピアニスト』のような、マイナーで激しい曲調。こういう曲調は、歌の世界に入り込みやすい。
歌詞は、これぞ究極の無償の愛を歌ったもので、共感できる。君の嘘も裏切りも全て僕のせい、それに気づいたことで君を悲しませたくないという、マゾヒスティックな思いを歌う。『UZA』でも歌われていたが、「君は君で愛すればいい 相手のことは考えなくていい」という一種自分本位な愛と表裏一体。結局は自分自身がどれくらい本気になれるかが重要なのだ。相手に合わせたり、駆け引きしたりするのは、まだ本気になりきれていない証拠と言えるのではないか。

『KONJO』。
MVは趣向が凝らしてあり面白い。大映テレビのスポ根ものドラマのタイトルロールといった風情で、バレーボールチームの奮闘を描いている。荒唐無稽な練習方法や必殺技が描かれたり、白い手袋を口で引っ張って外す「片平なぎさ」のパロディーも登場する。
曲調もアナクロで、『HERO』(スクールウォーズ)か『ファット・ア・フィーリング』(スチュワーデス物語)かと思うほど。もしかしたらMVのアイデアが先にあって、それに合わせて後付けで作られた曲なのかもしれない。
歌詞は相も変わらぬメンバーへの「啓発メッセージソング」で、いささか食傷気味だ。「一人拗ねていたって みんなから遅れて行くだけ」「いくつ言い訳ばかり並べても 今のこの場所から1ミリも動くことはないさ」「夢の近道などない 汗をかくしかないんだ」と、環境に不平を言わず、ひたすら努力しろと強いるのだ。

『恋とか…』。
はるか昔に別れた恋人を思う歌。「今君は何をしているの 恋とかしてるの?」と未練がましい。ここで使われている「とか」は、例示のようだがそうではなくて、正に「恋をしているの?」「恋人いるの?」と聞きたいのだろう。残念なのは、『昨日よりもっと好き』でも、「彼女とかいるのかな?」と全く同じ用法で使っており、重複感が否めない。気に入ったフレーズがあると立て続けに使うのは秋元康の癖なのか。(去年の今頃は『So long』などで「思い出は味方」を連発していた。)
曲調はスローで、やや退屈。

『昨日よりもっと好き』。
若々しくアップテンポな曲。恋が芽生え、付き合い始めるかどうかといったタイミングの圧倒的な幸福感を的確に描いている。素朴で奇を衒わない曲調は、何回も聴くうちにどんどん好きになりそうだ。そういう意味では、劇場公演曲にぴったりの曲と言える。シングルCDのカップリング曲として、あまり聴かれずに終わるのは惜しい曲だ。

『秘密のダイアリー』。
アイドル歌謡の定番テーマに直球勝負している。
久しぶりに手にした日記帳をめくり、過ぎた日の淡い恋を思い出している少女の心情が丁寧に描かれている。憧れの先輩に告白することもなく、妄想を日記に書いたりしながら、いつの間にか消えてしまった恋。恋に恋していたのだろう。その当時の彼女のことも、そして思い出して微かに後悔している現在の彼女のことも、いとしくてたまらなくなる。
歌詞の中にサマセット・モームが出てくる。作家シリーズとしては、菊池桃子『卒業』(サンテグジュベリ)、紘川淳『失恋ライブラリー』(ヘミングウエイ)、AKB48『ホワイトデーには』(O.ヘンリー)、そしてNMB48『太宰治を読んだか』などを思いつく。

強引なこじつけを1つ。
『前しか向かねえ』の「前」とは、前田敦子のことを意味するという解釈も成り立つのではないか。
AKBグループでは宿命のライバルであり、グループを背負うリーダーとして理解し合えた仲でもあった2人。一足先に卒業して、決して平坦ではないソロ芸能人としての道を歩んでいる前田敦子の後を追って、大島優子もまた厳しい道を歩き始める。
AKBグループが芸能人の登竜門として、宝塚歌劇団のように100年続いて行くためには、トップを究めて卒業したOGが、宝塚OGのように芸能人として活躍して行かなければならない。本人が望む望まないに関わらず、その使命を前田敦子は負っている。そして大島優子もまた同じ使命を負うことになる。
後ろを振り返っている場合ではない。
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