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『狼とプライド』。「内気な狼を誘惑する歌」を探索。(ときめき研究家)

2010-07-04 21:38:57 | ときめき研究家
KCさんのリクエストから相当時間がかかってしまったが、『狼とプライド』のルーツを探りたい。

狼は羊を食べる、あるいは赤ずきんを食べる。男を狼に、女の子を羊か赤ずきんに喩えている歌は、かなりある。

ピンクレディの『SOS』。
「男は狼なのよ気をつけなさい 年頃になったなら慎みなさい」と警戒を呼び掛ける。

レイジーの『赤頭巾ちゃん御用心』。
「赤頭巾ちゃんのように用心しなくちゃだめさ」これも同様。

一方、ナッキーさんも指摘している石野真子のデビュー曲『狼なんかこわくない』。
「あなたも狼に変わりますか あなたが狼なら怖くない」と、これは警戒しながらも期待している。「鼻が邪魔だと誰かが言ってた」「熱が出るわと誰かが言ってた」というクイズ(蘊蓄)まで盛り込んだ歌詞は、阿久悠の会心作。

同じスタンスが、ソフトクリームの『やったね春だね』。
「私の大好きな狼さん 牙でつついて」と、むしろ督促。

倉田まり子『JUNE浪漫』。
「緑の街並歩けば 恋にあぶれた狼たちが隙を狙っているわ」と、期待を隠さない。

AKB48『JESUS』でも「私はSTRAYSHEEP・・・・・狼たちの隠した牙・・・・・食べられたくない私」と、羊を食べる狼という図式を用いている。


これからが本題。
内気な男の子に焦れて、女の子の方から誘惑する歌。これは無数にあるのではないか。
まず、何と言っても、松田聖子の歌の相当部分がこの手の歌だといっていい。

80年代に突入し、強引に女性を誘う若い男は絶滅した。強引な男の誘いを、少し焦らせながら恋の駆け引きを楽しむのは前時代の恋の姿となった。
むしろ積極的に女性の方から仕掛けて、男の子に行動を迫る、その誘惑こそが恋のテーマとなった。
この手の曲を確立したのは、やはり松本隆―松田聖子のコンビということになるのだろう。
そして私も、そんな曲に自分を重ねていた若者の一人だった。

曲中の男の子の「奥手度」、女の子の誘惑の「大胆度」について、それぞれ5段階評価を付す。

松田聖子『赤いスイートピー』。 「知り合った日から半年過ぎても手も握らない」彼の奥手度は2。当時はその位普通と思っていた。電車の中で「煙草のにおいのシャツにそっと寄り添う」大胆度も、やや控え目で2。

アルバム曲の『ビター・スイート・ロリポップ』。 「流行遅れのジャケット着て」「鉄でできたハート」の彼の奥手度は3。「スレスレのミニで電波送る」彼女の大胆度は4。

『ハートをROCK』。デートでも「哲学の先生みたい」に話し、クラシックのコンサートに誘う彼は、かなり天然で、奥手度は5。「家まで送ってとせがみ 間違った道を教える」彼女の大胆度は3。

『ピーチシャーベット』はプールに一緒に行って、帰りにピーチシャーベットを食べているのに「やさしいささやきもない」彼の奥手度は5。さすがにちょっと鈍感すぎるのではないか。「濡れてる髪が乾くまで 最後のチャンスをあげるわ」という彼女の大胆度は不明。どんな水着で行ったかによるが、3~5。

魅力的な聖子の誘惑を受けても、曲中の男の子たちは簡単には動じない。

他のアイドルに転じよう。メジャーなシングル曲から探す。

中森明菜『少女A』。男の描写は少ないが、年上で、社会人と思われる。「蒼いあなたの視線がまぶしいわ」「結婚するとかしないとか」を気にするのはきっと真面目なのだろう、奥手度3。対して女は「思わせぶりに唇濡らし きっかけくらいはこっちで作ってあげる」と直接的で、大胆度5。

早見優『誘惑光線クラッ』。 「映画を真面目に見るだけ」「このまま車で送るだけ」の男の奥手度は3。女は「誘惑光線クラッもっと接近しましょ」「言ってる意味わかるでしょ ネッネッネッ」と迫るが、鈍感男には誘惑光線も届くのか不明、大胆度2。

柏原芳恵『ト・レ・モ・ロ』。前の彼女に振られた彼氏に、友だち顔で付き合い、それとなく誘惑しようとしている。微妙な心理のかけひきがじれったい曲。「性格のまじめさが いざという時邪魔する」彼は、奥手度2。「つまづいた振りして腕につかまるから 何気ないきっかかけを作ったら逃さないで」という彼女は、大胆度2。

松本伊代『シャイネスボーイ』。
タイトルどおりシャイな彼は「愛してるって言えない」と歌われているが、それはありがちなこと。奥手度は1。「ハヤク・オトナニ・ナッテ」とささやく彼女の大胆度も1。

芳本美代子『白いバスケットシューズ』の男は「目を閉じて10秒待ったのに鈍い人ね」と呆れられる奥手度5。(10秒でも相当長いが、30秒も待った『狼とプライド』はその3倍!)一方、「春の風が冷たくてスタジャンを借り」たり「あなたの手にぶら下がり海を見てはしゃぐ」など、積極的にスキンシップを取っている女の大胆度は4。

そして問題の『狼とプライド』。
30秒待ってもキスしない男の奥手度は5。「食べられてもいい」「キスくらいしてくれなきゃ 私にだってプライドがあるわ」という彼女のヤル気満々の、大胆度も5。
しかし、じっくり聴けば、「私これでもレディなの」と自分で言っているあたり、この子はまだお子様なのだ。男は、彼女が大人になるまでじっくり待つつもりなのだろう。そう考えれば、彼の奥手度は1に変更せねばなるまい。
「風にふくらむ真っ白なスカート」という歌詞は、おニャン子クラブの『真っ赤なミニスカート』(ゆうゆ、美奈代、満理奈の豪華ユニット曲)を思い出す。

曲調は、平和な古いアメリカンポップスの香りがする。東京ディズニーランドのカントリーベアシアターで、3頭組の若いメス熊が歌っているのがこんな曲だったと思う(行ったことのない人には意味不明な比喩だが)。
古典的なテーマを歌うのにぴったりの、はじめて聴いても懐かしい感じがするような曲だ。

『狼とプライド』は、80年代の恋愛へのノスタルジーと思えるが、2010年の恋愛模様はどうなんだろう。そういう事情にはとんと疎いが、今や、男からとか女からとかは、あまりこだわりはないのだろう。
どちらからでも、「好きならば好きだと言おう」(『会いたかった』)というのがテーマなのかもしれない。
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2 コメント

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参考に (今更ですが)
2011-04-21 23:55:24
http://www.youtube.com/watch?v=QzhbGaCwBzs

是非聞いてください
返信する
ありがとうございます。 (ときめき研究家)
2011-04-23 10:39:27
そっくりですね。
割と有名な曲でしょうか。どこかで聴いたことがあります。

「はじめて聴いても懐かしい感じがするような曲」という私の感想は当たっていたとも言えますね。
返信する

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