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『好きと言えば良かった』とは、青春の永遠の後悔。南沙織からAKB48まで。(ときめき研究家)

2009-09-17 22:34:41 | ときめき研究家
『好きと言えばよかった』とは、アイドルに何回も歌われた、永遠のテーマのひとつである。
お互いに好きだと思っているのに、はっきり言葉で言わないために、気持ちがなかなか伝わらないというのは、アイドルポップとラブコメ漫画の常道である。漫画は長い間連載する必要があり、読者はイライラしながらも、そのもどかしさを楽しみ、やがて来るハッピーエンドを待ち望む。一方、アイドルポップは3分から5分で決着させなければならないので、そんな暇はない。どうしても「言葉にしなかったから、いつか別れてしまった」ことへの後悔を歌ったものが多いようだ。

南沙織『潮風のメロディ』の「もうひとこと言われたら、恋人でいたのに」という後悔が典型的。海辺で過ぎた恋を思うという状況も、その後何度も踏襲された定型である。

太田裕美『さらばシベリア鉄道』では「僕は照れて愛という言葉が言えず、君は近視まなざしを読み取れない」と、ちょっと面白い歌詞だが、言葉で言わないがゆえに伝わらなくて去った彼女をシベリアまで追いかける羽目になる。

河合奈保子『ラブレター』は、ラブレターで伝えるのかと思わせて、歌い出しから「好きです、言えないけど」と腰砕けである。

榊原郁恵『あこがれ』も、「こんな時、出せもしない手紙を何枚も書いてます」とだらしない。「それとなく、好きな人が今いますかなんて聞こうかな」が精一杯だ。でもそれもきっと聞けないのだろう。

松田聖子の『わがままな片想い』は「プライドが邪魔するから、好きですなんてまさか言えない」。彼女のデビュー直後からコンサートのアンコールで歌われていた隠れ名曲『オンリーマイラブ』では「そうよプライド捨ててもほしいと言える それが若さの力よ」と言っていたのに。

本田美奈子は『好きだといいなさい』と命じ、中山美穂は『愛してるって言わない』と拒否する。

では、なぜ好きと言わないのか。
多くの場合の理由は、相手の気持ちに自信がないことによる、断られた時の恥ずかしさ・惨めさ、今の友達関係も壊れてしまうことへの恐れ、であろう。要は、自分が傷つくことが怖いのだ。私にも覚えがある。しかし、そうした少年少女の未熟さは責められない。
それ以外の理由として、『さらばシベリア鉄道』のように、照れの場合もあろうし、『わがままな片想い』や『好きだといいなさい』のように、恋のかけひきとして自分からは言わないという理由もあろう。

AKB48は、既に『会いたかった』で、「好きならば好きだと言おう」と高らかに勧めていた。今回、再度念を押すように『好きと言えば良かった』で「きっと私が間違っていた」と、言わなかった後悔を表現している。言ってみれば表と裏から、「好きと言え、言わないと後悔するよ」と説いているのだ。その根底には、秋元氏個人の幾多の後悔体験もあるのだと思う。
歌いつくされた感のある古典的なテーマではあるが、『会いたかった』と対になることで、『好きと言えば良かった』は説得力を増しているのだ。

今回の結論は、マイナーなアルバム曲、水野きみこの『サマープレリュード』としたい。マーチ調のリズムに乗せて「好きだと言えない、好きだと言わない、でも分かる。これから始まる、二人の小さな、ストーリー」と歌う。言わなくても分かれば、それが一番いいのだ。きっと、この少年少女は、幸いにして「近視」ではなかったのだろう。
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