Marice in Wonderland

日々読んだ本の感想を綴る
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西澤保彦『麦酒の家の冒険』

2014-09-14 16:35:12 | ミステリ


ビールの美味しい季節なので、再読。
と言っても、話の筋や結論を殆ど忘れていたのでほぼ初読のようなものですが・・・

「タックシリーズ」のため一連の作品を未読だとピンとこない部分もありますが
一連の作品を読んでいてもあまり覚えていない私が読んで楽しめたので、いきなり本作を読んでも恐らく大丈夫。

ある高原に旅行に来たいつもの四人。
高原の滞在を楽しみ、山道を帰る途中で車が燃料切れとなり、彷徨するはめに。
ほぼ遭難ともいえる状況の中で、空き家を発見。
藁にもすがる思いで侵入したそこには、ベッド以外の家具はなにもなかった。
しかし、探索するうちに、クローゼットのなかに隠されたように置かれた冷蔵庫を発見。
その中には、キンキンに冷えた大量のエビスビールが詰まっていた・・・

空き家で大量に冷やされたビールという意味不明あシチュエーションを、妄想と推理で説明していくミステリ。
ああでもないこうでもないと仮説をたてては棄却、たてては棄却・・・
白紙のジグソーパズルを解くかのような手さぐり感。
それが少しずつ完成(のように思える説)に向っていく様がとても面白い。

それにしても、本当に美味しそうにビールが描かれているんですよねぇ。
ビールを飲みながら読んだらもっと面白いと思います。


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