Marice in Wonderland

日々読んだ本の感想を綴る
基本的には休日更新。

村上春樹『1Q84 BOOK1 後編』

2013-06-30 20:52:32 | エンタメ


久々読書。
本を読むという行為は、とても素敵な行為なのだけど、心に何かが引っかかっている時は、それがうまくできない。
ひっかかっていたものがとれて落ち着いたので、本を読もうという気になったのです。
要約すると、なんだか忙しくて疲れていたということ(笑)

全六冊のうちの二冊目ですが、まだまだ物語の全貌が見えません。
色々な情報が出てきて、つながりのようなものもおぼろげに感じ取れるものの、全く絵にならない。
どんどんどんどん読み進めようとは思わないものの、行く末はとても気になる。
今年の夏にはシリーズ全て読み終えることができるかな。

二つの月がある世界、1Q84。
そこに迷い込んでしまった青豆と、本を読んでいる自分は同じような存在。
天吾と青豆がどうつながるのかも分からないですね。
1984と1Q84?

謎だらけで霧中の仔犬状態ですが、1Q84探索を楽しく続けていきます。


***
そういえば、各出版社の夏のキャンペーンが始まりましたね。
読みたいものは概ね読んでしまっているのですが
あれが始まると夏!という感じがしてとても好きです。
角川は今年もストラップがつくようですが、貞子と犬神家ストラップがちょっと欲しい・・・


櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート』

2013-06-16 12:12:03 | ミステリ


日常の謎系青春オカルトミステリ。
こう書くと闇鍋的でよく分からないものの、まさにそうなので仕方ない。

所謂「霊感」がありながらも、大の怖がりである主人公の所属するオカルト研究会が舞台。
研究会には、幽霊の仕業としか思えない怪奇現象に悩む学生たちが訪れてくる。
実際にそれは(ほぼ)幽霊の仕業であるので「何故」「誰が」を研究会メンバーが解明していく。
そんなオカルトミステリ。

幽霊の存在を肯定する世界であるので、トリック云々よりも
怪奇現象の裏に隠された人間ドラマが推理の対象。
広義のミステリと言えるかな。

ライトノベルみたいなジャケットですが、中身は予想以上にハードであることも。
色々な種類はあれど、幽霊というのはいわば強烈な思念の具現化でしょうから
真実はおぞましいものになり兼ねないですね。
ホラー描写もたまにひやっとする。

個人的にはそのようなミステリ部分以上に大学生の生活を描く青春部分を楽しんでいます。
主人公は絶賛片思い中なのですが、そちらは大きな進展なし。
というか、これって片思いだと思ってるけど実は両想いでしたパターンですよね?
いかにお互いそこに気付いていくかの過程が描かれているんじゃないでしょうか。
この巻では一回壁を殴りました。

あまり頭を使わず気張らずに読めるので好き。
3巻も読みます。

竹内真『シチュエーションパズルの攻防』

2013-06-09 16:37:44 | ミステリ


なんだかんだ忙しく、久々の読書。
半分ジャケ買い。このイラストレーターさんが大好きで。

大学の文学部に入学したばかりの主人公は
アルバイトとして叔母の働くバー(というかスナック?)でボーイをつとめることとなった。
そのバーはただのバーではなく「文壇バー」と呼ばれる場所。
作家や業界人が足繁く通うバーだったのだ。
ある日、彼はそこで辻堂珊瑚朗という常連の小説家と出会う。
通称「サンゴ先生」は、ホステスや主人公の抱える謎を、その場で解き明かしてしまう安楽椅子探偵でもあって・・・

人の死なないミステリ。
一見すると真相の分からない不可解な謎やシチュエーションが主役の連作短編集。
標題の「シチュエーションパズル」とは
ある問題に対してイエスかノーで回答できる質問を繰り替えし、真相を探るというゲームのこと。
ネット上では「ウミガメのスープ」の名でよく知られています。
(自分もやったことありますが、想像力を駆使する楽しい遊びです)
収録作『シチュエーションパズルの攻防』はこの遊びをメインに据えたもので、面白いです。

収録作にはどれも興味を惹かれる謎と味わい深い真相が用意されているのですが
探偵役のサンゴ先生がイマイチ好きになれずあまりのれませんでした・・・
豪放磊落ながら人情味があり、頭が良く、よく気がきく。
文面にするととても魅力的な人物なんだろうという印象がありますし、悪いようには全く書かれていない。
完璧なチョイ悪オヤジという雰囲気がどうも刺さらない。
明確な理由が分かりませんが(大物っぽさが嫌だったのかも?)・・・まぁ、探偵役の好き嫌いというのは好みですからね。