Marice in Wonderland

日々読んだ本の感想を綴る
基本的には休日更新。

似鳥鶏『さよならの次にくる 新学期編』

2013-12-29 22:11:24 | ミステリ


思わぬところに着地!(良い意味で)
たしかに前編(卒業式編)から色々伏線はあって、それにしても、そうきたかという感想。

今まで同様の連作短編形式で、その背景にある大きな物語が存在しているという構成。
各短編も面白い。
特にとあるDVDを奪還すべく悪戦苦闘する『ミッションS』が好き。
凝ったトリックよりも、発想を単純にしてみたり、視点を僅かにずらすことが鍵となる点が好み。
展開も面白いし。

読了後に本作の英語タイトル『I NEED YOU』を見返すと、ぐっときます。
(創元の作品にはすべて英語タイトルがついていますが、洒落がきいていたり、読了後に意味が分かるものがあったりして素敵)

なんと4年近く積んでいたのですが、ようやく読了。
もっと早く読めば良かった。

櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁』

2013-12-28 22:16:30 | ミステリ


シリーズ最新作。
本作のメインは「合宿」!
大学生のサークル合宿って本当楽しいんですよね。
幽霊話がついてくるのでただただ楽しいばかりではないのですが
それでも夜の飲み会のシーンとか肝試しのシーンとか・・・懐かしくてたまらない。

シリーズとしては
登場人物たちの背景に迫る話が多く、彼らのに対する色々な疑問が解決した巻でした。
案外最初からちゃんと設定つくっていたのかな。

ミステリ部分は相変わらず、超常現象的な謎の原因を探していくかたち。
このシリーズは超常現象的事件の背景に本当に超常現象が絡んでいるので
狭義のミステリではないと思うんですが、まぁ「なんでだろう?」を追究していくという意味ではミステリなのでしょう。
私はライトホラーノベルとして楽しんでいます。

主人公くんの恋愛は若干前進?
一言言ってしまえば多分うまくいくんだろうけど、それができなくてもやもやする・・・
でも、それが楽しくもあり。
相手もひょっとしたら・・・と思いながらもその子に告白できないという状況では
上手くいったときの妄想とダメだったときの絶望が半々に入りまじり
大層混沌として身動きのとれない心情になるもの。
それは辛いんだけど、反面なぜかすこしばかり楽しくもあって。
付き合い始めたらそのような気持ちにはならないし・・・独特な時期ですよねぇ。

次巻も楽しみであります。

ダン・ブラウン『インフェルノ 下』

2013-12-15 17:52:43 | ミステリ


上巻はそれほど面白いと思わなかったけれど、下巻はとてもエキサイティングでした。
今まで信じてきてことが、次々と裏返され、目まぐるしく現実が変わる・・・
ディーヴァーを思い出すジェットコースターっぷり。
こうなると最早度々挟まれる美術や歴史の薀蓄が邪魔と感じてしまうほど。
(事件の背景と関係していて、当然必要な部分ではあるのだけど)

病原菌が放出されるリミットが迫ってくることと
敵より早くそこに辿り着かなければならないというふたつの重圧が、登場人物と読者を焦らせる焦らせる。
先が気になってどんどん読んでしまいました。
そして、最後の衝撃的な展開・・・これは意外でした。
現代の科学に対する著者の姿勢が読み取れる。

面白かったですが、シリーズの中では微妙かも。
『天使と悪魔』が一番面白かったような。

ダン・ブラウン『インフェルノ 上』

2013-12-10 21:17:46 | ミステリ


ダン・ブラウン最新作。
今回はダンテの『神曲』がテーマ。

何らかのリミットに追われながら、美術作品に関する暗号を解いていき、危機を救う。
この流れは最早定番で、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』など一連の作品を読んでいると
正直またこれかとも思ったり。
今回はラングドンが一時的な記憶喪失の状態から物語が始まる点は新しいですが。
とはいえ、なんだかんだと先が気になりどんどん読んでしまいました。

人口爆発を止めるため、黒幕の仕掛けた陰謀を止めることが本作のミッションかと思われますが
その「陰謀」の詳細がまだ分からず、とても不気味。
不穏なキーワードばかりが宙を舞い、中心部が不明である怖さがあります。

下巻も早速読んでいますが、どうなることやら・・・