谷崎作品の中でも特に「フェティシズム」要素が強い作品を集めた短編集。
このシリーズはまさに名作選といった具合で「犯罪小説集」も素晴らしいもの。
本短編集も非常に中身が濃い一品。
特に印象的だった作品は
『刺青』『悪魔』『富美子の足』
『刺青』刺青フェチの話
『悪魔』恋する女の鼻水を舐める話
『富美子の足』素晴らしい足に踏んづけてもらう話
とんでもない小説たちである。
特に『富美子の足』は凄い。
どれだけ素晴らしい足かということがこれでもかこれでもかと書き続けられていて、途中から茫然としてしまいました。
私は足フェチではないのでいまいち共感できませんでしたが・・・
びびったのは『悪魔』
ありがちといえばありがちな妖婦の話かと思いきや、クライマックスにあんなとんでもないシーンを持ってくるとは・・・
流石谷崎・・・
途轍もない変態性欲。
その多様な形とその力の強さ(執念・こだわり的な意味で)を見せつけられました。