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「トリックをロジックで暴く」という煽り文句に恥じない、論理重視のミステリ。
現場の様子、入手した手掛り、周囲への聞き込み等から「犯人」を推理するという、この上なくシンプルな構造。
「~は~だから~ではない。だから~。では~は~で・・・」といった風に、不可解な謎が少しずつ解きほぐされていく過程が非常に気持ち良い。
著者の作品は結構好きで、ほぼ全部読んでいます。
本作を読み、改めて、幅の広い作家さんだと思いました。
本作のような正統派のミステリは勿論、『リピート』のようなSFミステリ、更には『Jの神話』の様なアレまで・・・
他、『イニシエーション・ラブ』の超ヒットもあって、イロモノ作家というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、それは間違いですよ。
ところで・・・
この表紙、なんとなく胡散臭いというか、軽いノリのミステリなのかなぁという印象を与える気がします。
しかしながら、探偵役の林(表紙中央の人物)は近年稀にみる常識人探偵でした(笑)
甚だ失礼ではありますが、この表紙からは想像できない位ロジックに拘った良いミステリで、楽しみました。
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そういえば、この林は昔プロマジシャンを目指していたという設定でした。
手品やジャグリングの話がちょくちょく出てくる点も個人的にはプラスポイント。