少し間が空きました。
短い夏休みはあっという間に終わり、先週から日常が戻ってまいりました。
少しずつ色々なことをするペースも戻りつつある今日この頃です。
今回はミステリ・フロンティアの新刊(といっても、もう一カ月近く前の出版になってしまった・・・)
主人公は四人の女子高生。
そのうちの一人が、落下事故で意識不明になってしまう。
それを目撃したのは、津上有騎。落下した長岡茉歩は、葉原美雲にロープでくくられていたように見えた。
水瀬鮎子は、葉原を糾弾するが、彼女は長岡をいじめていたという噂も聞こえ始める。
更には、長岡が津上を目撃したことがその事故を引き起こしたとも。
果たして、真実は何なのか?嘘をついているのは、誰か?
何が本当で、何が嘘なのか。
少女たちはお互いを疑いあい、切りつけ合い、傷つけあう。
しかし、津上が葉原主催の天体観測会に参加し始めたことで状況に変化が訪れる。
人が死んでトリックはなんだというミステリではないですが、それにしてもちょっと陰鬱なところがある。
大きな謎が解け、真実が判明しても、それが決してカタルシスに繋がるわけではない。
色々な間違いや、悲しいことが表に出てくることもある。
それに打ちのめされてしまうこともある。
しかし、間違いや悲しみを受け止め、反省して前向きに進んでいくこともできる。
そんな想いを感じました。
作中に出てきたある台詞ですが、これは良い台詞だと思いました。
この作品のひとつのコアと思ったので、その台詞で結びます。
「悩むエネルギーがあるなら飛び込むエネルギーに換えたほうが効率いいから」