万葉うたいびと風香®’s ブログ

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万葉と江戸の人間模様

2019年04月23日 | なごみ
万葉集には庶民から天皇までの様々な身分の人たちのうたが約4516首おさめられている。

政治の舞台で歌われたものから恋のうた、亡き人を思って歌われた挽歌など生活と風土の中で常に歌われてきた。

ただ読んでいるだけでは全く訳がわからず面白くないが、歌の原型が見えてくるとその人なりの人間らしさが古代習俗などと相まって作者の姿がおぼろげながらみえてくるのも楽しい。

『令和』の元号が万葉集からとなり、色んな立場の方とお会いするたびにありがたいことにこの話題に。

万葉のうたいびととして、感心を持って下さっていることは非常に嬉しいことだが、歌が読まれたのは720年。元正天皇(氷高皇女)の御代。

藤原京(持統朝)までの万葉の歌にこだわって曲づくりをしてきた私には易々と語れるほど博がないのが毎回申し訳なく思っている。

裏を返せば、歌は想像以上に歴史的背景とからみあって歌われているのだ。

しかしそこを紐解いてこそ、作者の真の思いが浮かび上がりその瞬間こそが意外にも曲づくりの頂点にある。

さて、こちらは江戸時代。



岡崎城内にある三河武士のやかた家康館で行われた企画展。


石像になった家康様。

グレート家康公 葵 武将隊の家康様!かたじけのうござる!

江戸期にあった岡崎市の事件記録を古文書からテーマごとに拾い出し、一つの事件を立場を変えた文書から結論を見出していくという展示に釘付け!
まるでサスペンス!
















オチも随所にあり、心は既に江戸時代!訳文もあるが、ここはなんとしてでも!と古文書のガラス前に貼り付きながらとかなり時間がかかる(^^)結果一度だけでは終わらずに、さらに足を運んで堪能した。

その全てが今まで私が出会ってきた企画展、特別展の中ではトップに君臨!

聞いたところによると30代の学芸員さんらしい。

ちなみに近隣博物館でもテーマは違うが江戸期を取り上げており、この盛り上がりのままに足を運んでみたが、残念ながら力の差を見せつけられたのみで足早に退散。

今回の岡崎での企画展。
学芸員さんの遊び心とキャパシティの広さ、直筆の古文書から伝わってくるぬくもりも手伝って、江戸時代を生き抜いた人間らしさになんだか今を生かされている自身の存在も感じることができた。

やはり遺物はありのままを語ってくれるんだな^^

生き抜く力

2019年04月08日 | 身近な野鳥たち
カメラ女子にお誘いを受け春の風を探しに。






ツバキ展開催中!室内だったので光が足りず残念!






園内には早くも白山吹。

打って変わってこちらはとある日。
生き抜く力を目の当たりに。。。


ヒヨドリ。口にくわえているのは、、、ハチ。


丸呑み。。。。



オオタカの幼鳥かと。


鋭い眼光。



自然界の厳しさ。

持統天皇 そして 改元

2019年04月01日 | なごみ
奥山田のしだれ桜。

持統天皇お手植えの伝承を持つ岡崎市にあるエドヒガンのしだれ桜。

以前友達に連れて行ってもらった時は、時すでに遅しで満開の桜を見ることがなかった。

あれから数年。

当時はまさか、、、と半信半疑だったもののなかなかどうして、、、地形図をみると当時の海岸線はずっと陸地に入り込み、三河行幸の折という伝承がまんざらでもないのでは、、、と感じているだけで、なかなか本格的に調べてみるには時間がかかりそう。。。根性なしです。。。

額田王は、相変わらず文献にあたっている。
読みは悪くないはずだが、かすりはするもののなかなかズバリこれだ!というほどの文献にあたらない。
滋賀をホームグランドにしている先生の本は史料学がご専門の上史料批判が多くて、、、万葉集と考古学よ、いづこに〜〜〜。

直木孝次郎先生はまだまだ書き足りなかったこと、書けなかったことがあったはず。できればあの世でたっぷりとお聞きしたい。。。

額田王だけでは史料が少なすぎるので、その周囲からせめているが。。。
まだまだ遠い。

閑話休題。

そんな日々模索の中、力をもらうべく奥山田のしだれ桜を訪ねた。


村積山(むらづみやま)遠景。
見事な円錐形。この山の麓にある。










古代は眼下に矢作川を挟み三河平野が広がっていたんだろうな。


ちなみに村積山頂上部には、村積神社があると古老の方が教えて下さった。

この方偶然にも地元史に詳しい方で持統桜にまつわる色々なお話を聞かせて頂く事ができた上、公民館の中まであげて頂きご案内頂いた。岡崎の山里、奥山田と大和の薬師寺との繋がりがあったとは。
桜のとり持つ縁。





帰路の途中、改元のニュースが。

令和。

出典が万葉集とはなんとも嬉しい。

調べてみると、巻5ー815からの梅花の歌32首の前文。天平2年正月13日、730年正月の宴席でのものだった。

時に初春の令月にして、気淑(よ)く風和らぐ、、、、
折しも初春の佳き月で、気は清く澄みわたり風は柔らかにそよいでいる。。。。

折しも万葉集が出典の改元佳き日に満開の持統桜を愛でたものです^^

時間はかかるが自身が生ある限りなんとか読み解きたいと切に願う。

近所の公園、早くも見納めの椿。