隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

ブラジル周遊記 9日目 『アマゾン河の二河川合流地点』

2014年05月21日 | ブラジル周遊記

   =写真をクリック・タップすると拡大画像が表示されます=

 

【9日目:4月17日 (木) 】 『アマゾン河の二河川合流地点』

 

マナウス滞在3日目は、終日「アマゾン河観光」の予定ですが、あいにく朝からの豪雨で、天気予報も一日中雨です。

 

南緯3度、海抜40mのマナウスは、熱帯気候で、四季がなく、年間を通して最高気温が31~33℃、最低気温が24℃。あるのは、12月末~6月の “雨期” と 6月末~12月の “乾期” だけです。4月は雨期なので、朝からの雨も仕方がありませんね。

 

朝9時に迎えに来てくれた、甥のS君の車に乗り込み “アマゾン・プライベート・クルーズ” の出発地点「セアザ港」に向かいます。「セアザ港」は、マナウスの南東部「アマゾン河」河口に位置し、近くには保税工業団地もあります。

 

クルーズのメンバーは、マナウスに住んでいるS君と息子のダニエル君、旅行者の義兄と、友人のT氏、それに隊長の5人。

 

朝のラッシュ時を過ぎていたので、道路を走る車の数は多くはありませんが、舗装の状態が悪いのと下水の設備が整っていないためか、道路のあちらこちらに水溜りが出来ています。その水溜りを蹴散らすかのように、車は港に向かいます。

 

工業団地を抜けると、右手に大きなクレーンが見えてきます。「セアザ港」は、フェリー発着の港と同時に、工業団地から出荷するコンテナ港の機能も持っています。ただ、最近、別の場所に大型コンテナ港が出来たので、そちらに物流の拠点は移っているそうです。

 

9:30に「セアザ港」の船着場に到着。船着場の前には屋根が付いていて、右側には軽食のスタンドや、土産物店。左側には魚屋や果物屋の小さな商店が軒を連ねています。

 

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S君が駐車場に車を移動している間、まだ雨が降り止まないので、商店を見学して時間を過ごします。

 

魚屋には、ここでも川魚が山積みされています。どのように調理するのか、大きな “川ナマズ” もあります。

 

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果物屋の店先には、柑橘類が豊富です。

 

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ボートの中で飲むビールなどの飲料を商店で仕入れ、戻って来たS君と船着場に移動します。S君から “プライベート・ボート・クルーズ” と聞いていたので、どんな “豪華なボート” かと思ったら、10人乗りの釣り舟の様な小さなボートです。

 

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ボートの右側には車を満載したフェリーが停泊しています。上流の「ネグロ川」に橋がかかる迄、フェリー船は対岸への重要な交通手段だったのでしょう。

 

我々5人だけの “プライベート・ボート・クルーズ” ですから、全員が乗り込むやいなや出発です。船長と言うより、船頭はキーニョさんです。キーニョは、S君が旅行会社に勤務していた頃からの知り合い。 

 

港から下流に約10km行った『アマゾン河の二河川合流地点』 を目指します。『二河川合流地点』 とは、アマゾン河の支流「Rio Negro (ネグロ川)と 「Rio Solimoes (ソリモインス川) 」が合流する地点で、このあたりから「Rio Amazon (アマゾン河)」という名になります。

 

二つの河川の水は混じり合わず、そこから乾期で約17km、雨期では約70kmに渡り下流に向かって、はっきりと境界が出来て流れています。

 

キーニョのボートに乗り込む時に、韓国のセウォル号沈没事故が頭によぎりました。宿泊先の「ブルー・ツリー・プレミアム・マナウス」は、NHK BS放送が見られるので、既に事故のことはニュースで知っていました。

 

ボートの最前列、キーニョの脇に座り、天井を見ると救命胴衣が収納されています。けれども、案の上、救命胴衣は定員10人の舟に5着しかありません!もし、今回事故があったら、キーニョを入れて6人、誰か1人の救命胴衣が足りません!

 

不安な気持ちになりましたが、ボートが走り出すと、川の流れはおだやかで波もほとんどありません。アマゾン河はマナウスが海抜40m、マナウスから上流1100kmにあるタバチンガの海抜が55mと傾斜が緩やかなため、流れが実に穏やかです。

 

ボートは真っ直ぐに、『二河川合流地点』に向かいます。周りにも船影を見かけません。これなら、転覆することはないだろうと安心したら、キーニョがスマホを取り出し、片手で舵を握り、片手でメールを打ち始めます。前はほとんど見ていません。

 

思わず「メールは止めて!」と叫びたくなりましたが、悲しいことにポルトガル語が話せません。

 

不安な気持ちのまま、出港してから15分程で、合流地点に到着しました。確かに、川の真ん中あたりに、色がくっきりと二つに分かれていて、それがどこまでも続いています。

 

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水が混ざらない主な原因は「ネグロ川」と「ソリモインス川」の比重、流速、温度、成分の違いです。季節にもよりますが、「ネグロ川」が水温28℃、流速毎時3~4km。「ソリモインス川」が水温22℃、流速毎時7~8kmほど。

 

ネグロ川は、コロンビアを水源に持ちイガホーと呼ばれる浸水林の間をゆっくりと流れて下ってくるので、黒い色をしています。ちなみにポルトガル語で「Negro」とは “黒い” と言う意味です。

 

一方、ソリモインス川は、ペルーが源流で、アンデスの雪解け水を集めて流れてくるため、泥を含んで黄土色をしています。

 

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この不思議な現象を眺めていると、船頭のキーニョが「黒い色から黄土色の部分にボートを移動するから、手を水の中に入れると温度の違いがわかる」と言います。

 

彼の言葉に従って手を入れると「ここら当たりにはピラニアが居るので、手を入れると指がなくなるぞ」と脅します。思わず手を引っ込めると、笑いながら冗談だと言います。

 

ピラニアは、弱ったり傷ついた人や動物は襲いますが、手を入れたくらいでは噛み付かないとのこと。但し、傷が有って出血している部分を漬けると、すぐに襲ってくるそうです。

 

安心して手を入れて、ボートが黒い色から黄土色の部分に移動すると、冷たく感じます。その逆だと、温かく感じます。

 

この不思議な体験を満喫して、ボートは『二河川合流地点』を離れ、「ソリモインス川」に入ります。

 

スピードを上げたボートが10時35分頃に着いたのが、川に浮かぶフローティングハウスです。ここでは、魚を生簀(いけす)で飼っていて、観光客に釣りや餌やりをさせてくれます。

 

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先ずは、体長3mにもなる世界最大の淡水魚 “ピラルクー釣り” です。

 

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餌の魚を、竿と言うより棒の先の糸に巻きつけ、生簀の中に垂らします。針が付いていないので、釣上げると言うより、引きを楽しみます。餌が取られるまで、一人三回まで遊べます。

 

最初の挑戦者は、ダニエル君。

 

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最後が隊長の番です。棒の先の餌を生簀に入れた途端、何匹ものピラルクーが噛み付きます。引きが強く、このまま生簀に引っ張り込まれそうで、まさに “格闘” です。思わず “こんちくしょう!” と大声で叫んでしまいます。

 

大声で叫ぶのは、イグアスの滝の 悪魔の喉笛 の下に入った時、以来です。

 

次は、“タンバキ餌投げ” です。タンバキは、アマゾン河流域に生息し、大きいものだと体長1mになります。ピラニアに似た外観から、肉食魚と勘違いされますが、草食傾向の強い魚です。 

 

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固形の餌を生簀に投げ入れると、タンバキが争って、餌に喰らいつきます。バシャバショと音を立てて、喰らいつく様は、鯉に餌をやる優雅な光景とは違い迫力満点です。

 

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昨晩、川魚料理の 「カント・ダ・ペイシャーダ」 で、“タンバキのソティ” と “タンバキのミンチ揚げ” を食べたことを思い出しました。

 

こんなに活発に動く魚なので、身が締まって美味しいのでしょうね。

 

こうして、10:35~11:00まで、フローティングハウスの上で遊び、再びボートに乗り込み、「ソリモインス川」のさらに奥へ進みます。

 

* 続きは『9日目:水上レストランと大鬼蓮』で *

 

(料金の情報、現地通貨(レアル)及び米ドルの円換算レート R$1≒50円 US$1≒103円 は、2014年4月現在のものです)

 

==「ブラジル周遊記」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/6ebf2f6cc892ae58d6621e7ec9ee293c

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2日目  2014/4/10 『リオのカーニバル会場』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/2_b0ec.html

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