読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

せん塔 中国の陶芸建築

2017年11月09日 17時25分53秒 | ■読む
芝辻政彦著、鹿島出版会刊
著者は1935年生まれで装飾タイルを製造する会社を設立し、会社の経営が安定してから建築用タイルの変遷史というテーマで勉強を始めたとのことです。父上が所持し著者が受け継いだ古書に中国せん(土偏+「専」の異体字)塔を調査した書籍があり、研究テーマに結び付いたとのことです。「せん」とは「焼成レンガ」だそうで、万里の長城にも使われたきわめて耐久性の高い素材です。仏教に関する建築物で、仏教には宗派の相違以外にチベット仏教などの出自であることなど、大きく異なるものがあり、西域から中国に伝わった建築様式でありながら、形状が多彩で、中国特有の素材である「せん」を用いていることが共通点であるとのことです。
建設された時代、修復された時期も様々で、清朝の消滅以来永らく荒れ放題になっていたため、清朝末期に日本人が調査し出版した古書の価値は高いようです。著者は小さい頃からその書籍に親しみ、本書では、その古書に収録された写真を掲載しています。建設のいわれや特徴の解説が主なので、構造的な説明があるとよりよく理解出来たと思います。西安観光で見学した「大雁塔」も本書に登場し建設のいわれと特徴が記されており懐かしく思い返しました。
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URL => https://www.amazon.co.jp/%E3%80%93-%E3%81%9B%E3%82%93-%E5%A1%94%E2%80%95%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%99%B6%E8%8A%B8%E5%BB%BA%E7%AF%89-%E6%9F%B4%E8%BE%BB-%E6%94%BF%E5%BD%A6/dp/4306044874
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評価は4です。

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