山口淑子・藤原作弥著、新潮文庫刊
山口さんは国会議員として知っていましたが、かつて李香蘭として活躍していたことなど、漠然と知っており、黒澤明監督の「醜聞」を見て若い頃(当時30際程度)の山口さんを知りました。
その程度の知識で本書を読み始め、密度の高い内容に引き込まれました。時代の空気を描きながらご自身の生い立ちを紹介しているので、日本と中国の間で生じた様々な事柄とその意味が良く理解出来ます。また、ご本人が中国で生まれ中国で育った為、日本人の感性を持ちながらも、中国の伝統、文化、考え方を身に付けていた。それ故に、後年、ご自身の来し方を深く反省し、本書を著す事となったようです。藤原さんとの共同執筆としたのは、ご本人の記憶を元に事実確認を徹底し、曖昧さを極力排除し、出来事を出来るだけ客観的に描こうとする意図に適った方法のようです。
人並み以上の荒波をくぐり抜け、ご自身の意思で生きてこられた著者の姿が、読み進む内に浮かび上がってきました。また、人は時代と共に生きる宿命から逃れることが出来ないことも痛感しました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/山口淑子
https://ja.wikipedia.org/wiki/藤原作弥
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評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
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山口さんは国会議員として知っていましたが、かつて李香蘭として活躍していたことなど、漠然と知っており、黒澤明監督の「醜聞」を見て若い頃(当時30際程度)の山口さんを知りました。
その程度の知識で本書を読み始め、密度の高い内容に引き込まれました。時代の空気を描きながらご自身の生い立ちを紹介しているので、日本と中国の間で生じた様々な事柄とその意味が良く理解出来ます。また、ご本人が中国で生まれ中国で育った為、日本人の感性を持ちながらも、中国の伝統、文化、考え方を身に付けていた。それ故に、後年、ご自身の来し方を深く反省し、本書を著す事となったようです。藤原さんとの共同執筆としたのは、ご本人の記憶を元に事実確認を徹底し、曖昧さを極力排除し、出来事を出来るだけ客観的に描こうとする意図に適った方法のようです。
人並み以上の荒波をくぐり抜け、ご自身の意思で生きてこられた著者の姿が、読み進む内に浮かび上がってきました。また、人は時代と共に生きる宿命から逃れることが出来ないことも痛感しました。
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