オジサマ専科 Vol.2 Memories母の手帳の設定を超改変してあります。なのでネタバレも含まれております。BOYSLOVEテイストにしてお届けなので、実際の商品とは一切何も関係ありません。もぐ菜は古川透CV:中田譲治しゃん推しなのでよろ。それと古川透氏は黒髪サラサラ和装で物静かな優しいアーカード様をイメージしてねんVv
gentleman's&boy(15)
藤宮が来なくなってから、三週間が経つ。独(ひと)りの時間が長く、独(ひと)りで居るのが当たり前と古川は思って居たが心にはポッカリと空洞がある。
ポッカリと空いた空洞をどう埋め様としても、塞がらず独(ひと)り無心になりたくなった。
呉服店は年中無休だっか、古川の休みは水曜日と決めてある。気分転換をしょうと思い、知り合いが経営する屋形船に電話をした。
今日は空いて居るとの事で、屋形船で3時間周遊を頼んだ。気心が知れた相手なので古川自らが電話して来て、屋形船を貸し切ると言う事はそれ相当の事情があると察してるので理由は尋ねては来ない。
若さん、屋形船に乗る時間と船着き場は、いつも通りで良いですかね??
ただそれだけを尋ねて来るだけ。
あぁ、すまないが、宜しく頼む。
出掛ける時間になり、古川はよそ行きの羽織(はお)りと着物を着て出掛け様とし家を出ると。
藤宮が心細げに門前に立って居た。
「透さん。」
藤宮が現れたので、古川は驚く。
「君か、どうした??」
「お話しをしに来たんです。今日はお暇ですか??」
「暇と言えば暇だ。話しか…… これから、退屈な気分転換に出掛ける。君が来たいなら来なさい。」
「はい。」
藤宮は古川の返答を聴きホッと胸を撫で下ろした。その場で拒否されたら、どうしょうと心配だった。
古川は藤宮に会えて嬉しいが少々複雑な心境ではある。
平日の都内の道路は渋滞で混むので、古川は仕事の用事が無ければ電車で移動する。銀座から地下鉄に乗り換えて月島界隈(かいわい)に向かう。
地下鉄から地上に出て藤宮がキョロキョロとする。月島の由来の案内板を見て喜ぶ。
「月島てもんじゃ焼きで、有名だけど初めて来た。月島て実は島だったんだ。地下鉄しか乗らないからなぁ。」
「今日は平日だっが、君は休みなのか??」
「年給で休みですよ。ちゃんと前々から言えば、年給は貰えます。」
藤宮が古川を透さんと名前を呼んでも返事をしてくれるが、古川が自分の名前を呼ばず君と言われ悲しい。
自分から古川の心が既(すで)に離れてしまった??
月島駅から少し歩き海沿いへ向かう。
月島の船着き場に着くと屋形船に江戸時代劇に出て来そうな、黒色の羽織(はお)りを着た飛脚(ひきゃく)姿の男性が船着きに立って居た。
「若さん、いらしゃいませ。いつもは、お一人で乗られるのに、初めてのお連れ様ですか。」
古川よりも年配の男性は穏やかである。
「忙しいのに、わざわざ済まない。そうだな今日は初めての、お客さんを連れて来た事になるのか。」
「えぇ、どうぞ。私は運転席へ。」
古川に一礼しそう言い、屋形船の運転席へ向かって行った。
「足元には気をつけて。」
古川は乗り慣れて居るが、藤宮はなんとなくふらつくので古川は手を差し出す。
藤宮は古川の手を握った。そのまま歩く。
「屋形船??」
「あぁ、こうして時々、一人で乗り自分を日常から切り離す。」
古川に案内されて屋形船の中へ。
屋形船は中型の大きさで、通常の貸し切りは20人で乗り合わせる。 内装は和室で、畳に座布団が敷かれてた。両側の眺め回しの良い大きな窓辺には長方形の御膳が左右に五づつ並べられて壁に付いており、通常は四季折々の宴会料理が提供される。
「屋形船に乗る時は、いつも私、一人なので添乗員は乗船しない。喉が渇く様なら飲み物は、備え付けの冷蔵庫に入ってる。私に構わず、寛(くつろ)ぎなさい。」
そう古川は言うと自分が座る側の窓を二つ開けて、座布団に座って御膳の頬杖を付き窓の外の景色を眺めた。
しばらくすると、屋形船は静かに出航した。
船内には小さくスピーカーと大きなスピーカーが天井に四つ付けられおり、最新機種のカラオケや有線の機械もあるが古川を見ると静寂を楽しんで居るかの様に見えた。
屋形船の進む速度はゆっくりで、けして無音ではない。日常では騒音に打ち消されてしまう音が聴こえる。
藤宮は備え付けの冷蔵庫から烏龍茶と冷えたグラスを取り出し、お盆に乗せて古川に向き合う様に座布団に座った。
お台場をゆっくりと廻る、屋形船の窓から見ると観覧車が見える。そしてレインボーブリッジと、いつもなら何気ない景色がミニチュアの様に思える。
それとも屋形船に乗った、自分達の方こそが小さくなった錯覚にもなる。
外の景色に気をとられてた古川は、藤宮が自分の目の前に座って居る事に気がついた。
gentleman&boy(16)
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藤宮が来なくなってから、三週間が経つ。独(ひと)りの時間が長く、独(ひと)りで居るのが当たり前と古川は思って居たが心にはポッカリと空洞がある。
ポッカリと空いた空洞をどう埋め様としても、塞がらず独(ひと)り無心になりたくなった。
呉服店は年中無休だっか、古川の休みは水曜日と決めてある。気分転換をしょうと思い、知り合いが経営する屋形船に電話をした。
今日は空いて居るとの事で、屋形船で3時間周遊を頼んだ。気心が知れた相手なので古川自らが電話して来て、屋形船を貸し切ると言う事はそれ相当の事情があると察してるので理由は尋ねては来ない。
若さん、屋形船に乗る時間と船着き場は、いつも通りで良いですかね??
ただそれだけを尋ねて来るだけ。
あぁ、すまないが、宜しく頼む。
出掛ける時間になり、古川はよそ行きの羽織(はお)りと着物を着て出掛け様とし家を出ると。
藤宮が心細げに門前に立って居た。
「透さん。」
藤宮が現れたので、古川は驚く。
「君か、どうした??」
「お話しをしに来たんです。今日はお暇ですか??」
「暇と言えば暇だ。話しか…… これから、退屈な気分転換に出掛ける。君が来たいなら来なさい。」
「はい。」
藤宮は古川の返答を聴きホッと胸を撫で下ろした。その場で拒否されたら、どうしょうと心配だった。
古川は藤宮に会えて嬉しいが少々複雑な心境ではある。
平日の都内の道路は渋滞で混むので、古川は仕事の用事が無ければ電車で移動する。銀座から地下鉄に乗り換えて月島界隈(かいわい)に向かう。
地下鉄から地上に出て藤宮がキョロキョロとする。月島の由来の案内板を見て喜ぶ。
「月島てもんじゃ焼きで、有名だけど初めて来た。月島て実は島だったんだ。地下鉄しか乗らないからなぁ。」
「今日は平日だっが、君は休みなのか??」
「年給で休みですよ。ちゃんと前々から言えば、年給は貰えます。」
藤宮が古川を透さんと名前を呼んでも返事をしてくれるが、古川が自分の名前を呼ばず君と言われ悲しい。
自分から古川の心が既(すで)に離れてしまった??
月島駅から少し歩き海沿いへ向かう。
月島の船着き場に着くと屋形船に江戸時代劇に出て来そうな、黒色の羽織(はお)りを着た飛脚(ひきゃく)姿の男性が船着きに立って居た。
「若さん、いらしゃいませ。いつもは、お一人で乗られるのに、初めてのお連れ様ですか。」
古川よりも年配の男性は穏やかである。
「忙しいのに、わざわざ済まない。そうだな今日は初めての、お客さんを連れて来た事になるのか。」
「えぇ、どうぞ。私は運転席へ。」
古川に一礼しそう言い、屋形船の運転席へ向かって行った。
「足元には気をつけて。」
古川は乗り慣れて居るが、藤宮はなんとなくふらつくので古川は手を差し出す。
藤宮は古川の手を握った。そのまま歩く。
「屋形船??」
「あぁ、こうして時々、一人で乗り自分を日常から切り離す。」
古川に案内されて屋形船の中へ。
屋形船は中型の大きさで、通常の貸し切りは20人で乗り合わせる。 内装は和室で、畳に座布団が敷かれてた。両側の眺め回しの良い大きな窓辺には長方形の御膳が左右に五づつ並べられて壁に付いており、通常は四季折々の宴会料理が提供される。
「屋形船に乗る時は、いつも私、一人なので添乗員は乗船しない。喉が渇く様なら飲み物は、備え付けの冷蔵庫に入ってる。私に構わず、寛(くつろ)ぎなさい。」
そう古川は言うと自分が座る側の窓を二つ開けて、座布団に座って御膳の頬杖を付き窓の外の景色を眺めた。
しばらくすると、屋形船は静かに出航した。
船内には小さくスピーカーと大きなスピーカーが天井に四つ付けられおり、最新機種のカラオケや有線の機械もあるが古川を見ると静寂を楽しんで居るかの様に見えた。
屋形船の進む速度はゆっくりで、けして無音ではない。日常では騒音に打ち消されてしまう音が聴こえる。
藤宮は備え付けの冷蔵庫から烏龍茶と冷えたグラスを取り出し、お盆に乗せて古川に向き合う様に座布団に座った。
お台場をゆっくりと廻る、屋形船の窓から見ると観覧車が見える。そしてレインボーブリッジと、いつもなら何気ない景色がミニチュアの様に思える。
それとも屋形船に乗った、自分達の方こそが小さくなった錯覚にもなる。
外の景色に気をとられてた古川は、藤宮が自分の目の前に座って居る事に気がついた。
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