もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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二次創作@オジサマ専科 Vol.2 Memories BLver(16)

2012-07-05 08:15:06 | 腐女子の御伴
オジサマ専科 Vol.2 Memories母の手帳の設定を超改変してあります。なのでネタバレも含まれております。BOYSLOVEテイストにしてお届けなので、実際の商品とは一切何も関係ありません。もぐ菜は古川透CV:中田譲治しゃん推しなのでよろ。それと古川透氏は黒髪サラサラ和装で物静かな優しいアーカード様をイメージしてねんVv





        gentleman's&boy(16)




烏龍茶の瓶を持ち、藤宮はガラスのコップにお酌(しゃく)をした。古川は御膳に肘をつくのを止めて背筋を伸ばし姿勢を正す。

磯潮(いそしお)の薫(かお)りと共に外の景色は海沿いから隅田川へ移り変わっていた。

「そうだな、君の話を聴こうか。」

「透さんからほんの少し離れただけで、僕は透さんの中で名前を消されてしまい、君と言う言葉の存在になってしまったの??」

そんな藤宮の今にも泣き出しそうな顔を見つめ、古川はため息をつく。 とうとう、藤宮は声をしゃくり上げて泣き出した。

古川も藤宮と逢わなくなった時に、それ相当に気落ちし寝込んだ。年若い男子に恋をしてた事にやっと気づいた。

その感情に古川は戸惑い悩んだ。藤宮の純粋な感情を受け入れずに、それを突っぱねた事を詫びたかった。赦(ゆる)して欲しいと乞(こ)いたかった。



古川は目の前に居る藤宮の身体に両腕を廻し、自分の腕の中に抱き寄せた。藤宮は古川の腕の中にすっぽりと閉じ込められたが、自分から身体を突き放そうと必死になる。


「悠紀。」

「透さんの嘘つき、僕の事なんて大嫌いな癖して!! 嫌い嫌い!!」

一際大きな泣き声で藤宮は泣き出す。

「悠紀を傷付けてしまった。君に立ち去れた時に、このまま一生後悔しながら、生きて徃(ゆ)くのかっと思った。悠紀に泣かれると、私は辛くなる。」

藤宮は古川の胸元に顔を埋めて居る。古川は藤宮の背中を優しく掌(てのひら)で撫でさする。

「私は臆病なのだ。だから、ずっと殻の中に閉じこもり過ごして居た。彩子さんの事を忘れられずに、彼女の幻影を慕(した)いながら。悠紀に出会わければ、私は殻の中で満足しながら過ごしてたっと思う。その殻を破ろうとしたが自分が思ったよりも硬く、篭(こも)って居た殻を壊すと自分はどうなってしまうのか怖くなった。」

「透さん……」

「悠紀、君が私に殻を打ち破り脱出する、勇気をくれたのに私は、殻を壊す事を怯えて居た。君が思う程に私は強くはない、臆病で怖がりな生き物だ。」

泣き腫らした顔を上げて濡れた瞳で藤宮は古川を見つめる。藤宮の大好きな人への、剥き出しの感情を見つめ羨ましいと思う。

藤宮の何事にも真剣に真っ正面に向かい合う心に古川は感謝して居る。

古川は藤宮の唇(くちびる)に、口元(くちもと)を寄せると藤宮は瞳を閉じた。

藤宮も古川の首に両腕を廻しより身体を密着させ、唇(くち)づけた。

このまま藤宮を畳の上に、押し倒してしまいたい衝動に駆(か)られる。お互いを求め合う唇(くち)づけを深く交わし合う。

古川はそっと唇(くち)びるを離す。藤宮は両腕に抱きしめられ名残惜(お)し気な瞳で、古川を見つめて居た。

「悠紀の気が済むまで、私の傍(そば)に居てくれるなら私はそれで良い。」

「僕の気が済むまでって事は、ずっと傍(そば)に居ても良いんだね。」

「悠紀と出会ってから少しずつ、私の世界は広がり薄らぼんやりとした闇を消し去られせ、光と色彩が降り注(そそ)がれた。君の泣き顔は妙に艶っぽい。いくら私でも、理性の箍(たが)が外れそうだ。洗面所で顔を洗って来なさい。」

「透さんでも、そお言う事を言うんだ。うふふ。」

古川は和柄の手ぬぐいを藤宮に渡す。藤宮はそれを受け取り、座布団から立ち上がり洗面所へ向かった。





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