止まらず一歩

何かをさがして
舞台を増やしたり変えたりしながら
それを残していこうと思います

世界的投資家ジム・ロジャーズ「私は日本関連資産を全て手放した」

2019-07-30 16:09:06 | Weblog

(週刊現代」2019年8月3日号より)

アジア最貧国へ転落

 日本経済の崩壊は、いよいよ目と鼻の先に迫っている―。この度、『日本への警告』(講談社+α新書)を緊急出版した世界的投資家が、いまだかつてない危機の全容を『週刊現代』で語り尽くした。
 もし私がいま10歳の日本人ならば、自分自身にAK-47(ロシアの自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶ――。
 現在の日本経済の惨状を目の当たりにして、私はこの意をますます強くしています。借金は雪だるま式に増え続け、高齢化はとどまるところを知らず、政治も問題を先送りするばかりで、打つ手を見いだせない。
 くわえて、世界に目を向ければ、米中の貿易戦争が激化し、日本も重大な影響を被ることが目に見えています。
 あまりの暗澹たる様相に、昨年の秋には保有していた日本株をすべて手放しました。いまは株であれ、通貨であれ、日本に関連する資産は一切持っていません。
 それほどまでに、日本は絶望的な状況に置かれているのです。この10年間で中国を始めとした近隣のアジア諸国がどれだけ力をつけたかを考えれば、日本の凋落ぶりには、めまいを覚えるほどです。
 このままでは、50年~100年後には日本という国がなくなっているかもしれません。なぜ、日本人はこうした現実を直視しないのか。皆さんにも、この危機的状況を理解していただきたいのです。
 まず、直近の話から始めましょう。今年から来年にかけて、日本の景気衰退に拍車をかける出来事が、三つ連続して起こってきます。
 10月の消費税の8%から10%への増税、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催、そしていつ何時起こってもおかしくない「第二の世界金融危機」です。
 一つ目の消費税に関しては、'14年に5%から8%に上げたときもクレイジーな政策だと思いましたが、10%などもはや正気の沙汰とは思えません。
 増税して得た予算は、社会保障の充実に使われるとされていますが、まさかそれを本気で信じている人はいないでしょう。
 二つ目、いま東京ではオリンピック・パラリンピックに向けてあらゆる建設が急ピッチで進められています。道路は改善され、真新しいスタジアムができあがろうとしています。
 確かに、こうした事業に関わる人たちにとって、オリンピックは一定の経済的恩恵があるかもしれません。しかし、その効果はあくまで一過性のものです。
 歴史的に見れば、オリンピックが国家にとって金儲けになった例は見たことがありません。持続的、あるいは中期的な効果はまったくないのです。
 むしろ、たった1ヵ月のお祭り騒ぎのために、日本の借金は大きく膨らむことになる。宴の後にくる反動のほうがはるかに心配です。
 建設業を筆頭にオリンピック・バブルの終焉で停滞、不振に陥る業種が増え、そのダメージは、消費増税とあわせて日本経済の致命傷になる可能性すらはらんでいます。

米中貿易戦争の余波

 そして三つ目は、世界に目を転じたとき、'08年のリーマンショックに続く、「第二の世界金融危機」が刻一刻と近づいているということです。
 アメリカはいま、10年以上にわたる史上最長の財政的問題を抱えています。'18会計年度のアメリカの財政赤字は、7790億ドル(約84兆円)にのぼり、世界のどこかで経済危機が起これば、一気に破綻しかねない危険性をはらんでいます。
 トランプ政権と、習近平率いる中国との間の貿易摩擦も激化の一途をたどっています。私は、今年の後半から来年にかけてトランプ氏はより本格的な貿易戦争をしかけると予想しています。
 最終的に、中国からのすべての輸入品に超高額の関税をかけ、一時的な国交断絶に陥ることも想定しなければなりません。
 関税が強化されれば、そのコストはアメリカ国内の企業と家計に重くのしかかり、インフレが一気に進みます。それによって消費の減退と、金利の上昇が起こり、結局は、アメリカ自身も苦しむことになる。
 大量の公的債務を抱え、かつアメリカと一蓮托生の貿易大国である日本は、この戦争の大きな被害を受けることになります。
 7月24日には、日産の営業利益が前年同時期に比べて約9割減になるという衝撃的なニュースがありましたが、これもアメリカ市場の不振の影響を受けたものです。今後、同様にアメリカ経済の落ち込みの影響を受ける日本企業がたくさん出てくるでしょう。
 こうした国際的な要因は、消費増税やオリンピックの反動といった国内的な要因と相まって、数十年の中・長期的視野で見た際に、日本経済に甚大なダメージを与えることになります。
 すでにご存知の通り、日本は先進国の中で最悪の「借金大国」です。抱えている長期債務残高は、国だけで897兆円にのぼります。約10年前の'08年度末の時点では546兆円だったことを考えれば、恐ろしいペースで増えていることがわかります。
 そして、ベネズエラやジンバブエなどの例をあげるまでもなく、莫大な債務を抱えた国は、歴史上例外なく無残な終焉を迎えています。
 いま50歳前後の日本人であれば、30年後は80歳ですから、誰かがケアをしてくれるかもしれません。国庫に老年人口を支えるおカネもギリギリ残っているでしょう。
 しかし、その頃40歳になる、いま10歳の日本の子どもたちが老後を迎える頃には、生活を保障するおカネはどこにも残されていません。
 結局、借金はさらに膨張し、その返済のための延命措置として増税が度々くり返されることになります。しかし、絶対的な納税人口が減少していく以上、とても返済しきれないので、今度は年金などの社会保障がすさまじいスピードで取り崩されることになるでしょう。
 日本人の生活水準はそうして徐々に悪化し、生活苦にあえぐ人々が激増し、いよいよ打つ手はなくなります。

安倍はあべこべ

 先人たちがずっと先延ばしにしてきたツケをひたすら払わされ、生活水準が目も当てられないほどに落ち込めば、当然のこととして社会不安が膨れ上がります。
 30年後、人々の鬱憤はあらゆる形で噴出し、日本は、より多くの犯罪が起こる国になります。政府に対する反乱や暴動が、毎日のように起きているかもしれません。
 そうなったとき、残された手段は国を捨てて逃げ出すか、あるいは自分の身を守るために武器をとるしかありません。冒頭の私の発言には、そういう意図が込められているのです。
 「日本は違う、そんなことが起きるはずがない」と思っていませんか? しかし、'80年代後半、日本で大型のバブルが発生したときも、「日本だけは違う、バブルではない」と強気に言い張っている人がたくさんいました。
 その後、日本経済がどんな結末を迎えたかは、皆さんがご存知のとおりです。「自分たちだけは違う」という根拠のない思い込みほど、危険な兆候はないのです。
 先ほどの日本株の話に戻すと、そもそも私が日本株を買い始めたのは、東日本大震災の直前でした。その後、震災による株価の下落を受けてさらに買い増しを進めていました。というのも、短期的に見れば、日本の景気は間もなく回復すると踏んでいたからです。
 それに、日銀も資金供給を増やすという方針を明らかにしていました。政府が印刷機を回すとき、おカネが最初に向かう先が株式市場であることは、自明の理です。
 実際、黒田東彦総裁が率いる日本銀行がジャブジャブと紙幣を刷り、日本株や日本国債をたくさん買ったことで、日本の株価は跳ね上がりました。
 逆に言えば、ここ数年の日本株の活況はあくまでも日本政府が人工的に株価を上げているに過ぎず、実態が伴っていなかった。
 景気にしても、異次元の金融緩和で円という通貨の価値を切り下げたことで、一部の大手企業がその恩恵を受けるのみでした。一般的な日本人の生活や暮らしが改善したかといえば、答えははっきりNOでしょう。
 そして、このアベノミクスの一番危険な点は、人工的に低金利の状況を作って、借金をしやすくしていることにあります。
 雪だるま式に増えている日本の借金は、猛烈なペースで進む人口減少のなかでは、健全に返済していくことはとうてい不可能です。
 将来のことを考えれば、日本政府がただちにやるべきことは、財政支出を大幅に削減し、同時に減税を進めることです。この2つを断行すれば、状況は劇的に改善したはずです。
 ところが、安倍首相がやったのはすべてこれとは真逆のことでした。彼が借金に目をつぶっているのは、最終的に借金を返さなくてはならない局面になったときには、自分はすでにこの世にいないからなのでしょう。
 これから20~30年後に歴史を振り返ったとき、安倍首相は、日本の経済に致命傷を与えた人物として、その名を刻んでいるはずです。
 そして冒頭で述べた通り、日本が抱える最大の問題は、言うまでもなく極端に高齢化が進んだ、その人口構成にあります。
 日本は世界でもっとも出生率が低い国の一つであり、かつ、国民年齢の中央値が世界で最も高い国の一つです。人口動態から見れば、21世紀の終わりを待たずして、日本の人口がいまの6割ほど、約7500万人程度になるのは明らかです。
 人がどんどん減っていくという絶対的な危機を乗り越えるには、選択肢は2つしかありません。すなわち、いまいる日本人に子どもをたくさん産んでもらうか、あるいは他国からの移民を受け入れるかです。
 現在の日本の人口を維持するには、女性1人あたり2人以上の子どもを生む必要があるとされています。ところが、実際の出生率は1・4人程度ですから、遠く及びません。
 となれば、残るは移民を受け入れることしかありません。移民の受け入れは日本にとってもはやbetterではなく、mustの選択なのです。ところが、日本政府は、事ここに及んでも、積極的に移民を受け入れようとはしていません。

アジア最貧国へ転落

 日本は、21世紀に入ったいまも相変わらず外国人参政権を認めておらず、'18年には国連から「在日外国人に対する雇用差別、入居差別、教育差別がある」と勧告を受けているほどです。
 その根底にあるのは、同質性の高い国民性や同一言語を当然のものと考える、鎖国以来の意識ではないでしょうか。
 ここで思い出されるのが、かつてアジアでもっとも裕福な国だったビルマ(現・ミャンマー)のことです。
 1962年以来、独裁政権によって支配され外国人を追放したビルマは、アメリカの経済制裁やインフラ不足を背景に、わずか50年のうちにあっという間にアジア最貧国のひとつへと転落してしまいました。「日本の場合は大丈夫」といえる根拠は、どこにもありません。
 人口減少に、移民の受け入れの遅れ、そして巨額の公的負債―。ここまで指摘してきた危機に対して、私は15年も前から警鐘を鳴らし続けてきました。別に、予言という程のことでもありません。
 なぜなら、こうした事実は足し算や引き算ができて、統計を見ることができれば、簡単に割り出すことができるからです。しかし、多くの日本人は、この現実から目をそむけてきました。
 もう一度言います。皆さんはいまこそ問題を直視し、現実的な対策を取るべきです。自分や子どもたちの未来は、自分でしか守ることができないのですから。(了)


どうする日本 韓国内は与野党一致「反安倍」で固まった。アホでもわかる 日韓衝突の虚構

2019-07-29 12:47:30 | Weblog

2019/07/28 日刊ゲンダイ

 韓国の聨合ニュースが22日、「安倍“戦争可能改憲”打撃」と参院選開票速報を流し、改憲勢力が3分の2の議席を割った安堵感が大統領府に伝わった。 同日、文在寅大統領は 「(安倍首相の)技術覇権に打ち勝つカギは技術革新」と強調し、「家電、電子、半導体、造船などで日本を追い越した。輸出規制をチャンスに変え、素材・部品の国産化を推進」と力をこめた。 消息筋は「安倍とのガチンコ勝負は経済が決め手になるとみて、克日で総力を結集する戦略だ」と明かす。
 日本では聞き慣れない“克日”だが、反安倍感情(注=反日ではない)とともに韓国社会に急拡散し、文大統領の支持率を押し上げている。 激しく対立する野党・自由韓国党の黄教安代表すら「“克日”に同意」と声を合わせ、国会外交統一委は与野党全会一致で「輸出規制撤回要求決議案」が可決し、事実上の対日挙国体制を確立した。
 輸出規制の当初こそ、「持ちこたえられるのは3、4カ月」と朝鮮日報などが韓国内の動揺をあらわにしていた。しかし、サムスン電子、SKハイニックスなど大手の内情に精通した筋は 「半導体の現物価格急騰で雰囲気が一変、ホワイト国適用除外もさして心配していない」 と近況を伝える。世界初の5G実用化で勢いに乗るベンチャー業界も活発化している。

 日本からの金融制裁を恐れる声があるが、金融当局が「日本の対韓投資額は国内与信額の2%以下、外資全体の2%以下。外貨保有高も世界9位の4000億ドル超あり、1997年のアジア通貨危機の再来はない」と沈静化に努めている。
 文大統領は挙国体制確立で自信を深めている。その覚悟のほどを不遇の時代から知っている梁東準・日韓親善協会副理事長は「元人権派弁護士として、文大統領は使命感が強い。元徴用工問題でも『個人請求権は消滅していない』と一歩も譲らないだろう」と推し量る。
 もちろん、“克日”といっても、韓国政治の暗部には“親日”と“反日”が横たわっているから、挙国一致など絵に描いたモチという楽観的見方が日本国内にあろう。だが、“克日”の礎を築いたのは、ほかならぬ親日派の朴正煕元大統領である。だから、娘の朴槿恵前大統領の下で首相を務めた黄教安・自由韓国党代表が「“克日”に同意」と発言したわけだ。それだけに、この韓国内の「反安倍」挙国一致の動きを甘く見ない方がいい。
(作家・河信基)


S-400究極の撃墜(Finian Cunningham)

2019-07-27 13:03:03 | Weblog

2019年7月17日スプートニク

 ロシアのS-400防空システムをトルコが受領したことに対するワシントンの激しい反応には、いくつか要因があるが全てアメリカ戦略上の権益への大打撃によるものだ。
 二年にわたるアメリカのいじめと恫喝の後、トルコは最終的に先に進み、今週S-400システムを受領した。ワシントンのぼう然とした反応は、2017年最初に署名したロシアとの契約に対する制裁というアメリカの恫喝をアンカラが振り切ったことへの驚きを示している。

だから何よりも、これはアメリカの威信と、下位の国々を傲慢な要求で屈伏させると考えられている権力への打撃だ。ワシントンが息を切らせて怒っても、トルコはロシア防空システム購入を中止しろというアメリカの命令を無視したのだ。

 トルコの先例に倣って、他の国々がロシア防衛システムを購入する道が開かれたのだ。報道によれば、インドや他の国々が、ワシントンの叱責に対するトルコの反抗的態度に励まされ、S-400購入に列をなしている。

もう一つの要素は、国防総省とアメリカ軍産複合体の莫大な長期的事業損失だ。

 今週、トランプ大統領は、S-400取り引きの結果、ステルスF-35戦闘機、100機を、アメリカはトルコに売らないことを確認した。
 トルコは最先端のアメリカ戦闘機を注文していたが、S-400購入に対する「罰」として、ワシントンにキャンセルされた。ジェット機一機の販売価格は約一億ドルなので、製造業者ロッキード・マーティンの減収は100億ドル以上になる。
 トルコへのF-35キャンセルを発表しながら、トランプはアメリカの事業と雇用の損失を嘆いた。
 S-400が、この航空機の性能弱点を発見しかねないので、国防総省はS-400近辺でF-35を運用する可能性を懸念している。
 アメリカのF-35が過大評価され、非常に高価過ぎることは、長い間、独立した航空専門家たちに推測されていた。一機がF-16と比べて二倍もし、購入には費用がかかるが、「最新世代」とされる戦闘機には、その性能への技術的問題と疑問がつきまとっていた。

皮肉にも「F-35開発計画から外される」のは、トルコにとって実際は「罰」ではないかもしれない。アンカラは多くの浪費を節約できさえするかもしれないのだ。

 さらに、もし他の国がその先例に従って、ロシアのS-400を買えば、アメリカは、F-35の将来の注文を更にキャンセルするよう強いられるだろう。航空機の開発費が何兆ドルにもなることからすれば、アメリカ連邦政府や国防総省請負業者にとって、財政的に破滅的なものでないにせよ、他の国々に対する販売が減少する将来は陰気なものだ。
 それは全て各国がロシアのS-400を購入するせいだ。またアメリカの地政学の戦争行為がロシアに向かって法律的に追い込まれている。「敵対者に対する制裁措置法」(CAATSA)として知られているアメリカ法は、ロシアを悪者化することが狙いだ。ロシアのS-400を購入しているトルコのような、ロシアと事業をする他のあらゆる国に対して、アメリカが制裁を課す義務があるのだ。それが法律上の必要性からF-35プログラムが中止された理由だ。言い換えれば、アメリカは、非合理なロシア嫌悪という自縄自縛で、壊滅的な打撃を与える可能性がある財務損失で墓穴を掘ることとなったのだ。

 トルコのS-400契約でワシントンが激怒しているのには、もう一つの戦略上の要因がある。
 トルコは、アメリカ率いるNATO連合で、二番目に大きな軍事力だ。ロシアとのこの大規模な防衛契約を強化するアンカラの動きは、ロシアをアメリカとヨーロッパに対する実存的脅迫として描く方法を探している、ワシントンと大西洋主義者の宣伝を徹底的に弱体化する。NATOの本当の暗黙の狙いは、何らかの「有害勢力」として冷戦時代のモスクワ悪魔化を引き延ばすことだ。もしNATO加盟国トルコが、ロシアに航空防衛の提供を安心して任せれば、モスクワを悪者にするNATO茶番は丸ごと崩壊する。
 NATOの付随する戦略上の機能は、ミサイル防衛システムと軍用飛行機の売上高一兆ドルの買い手が売り手を選べない市場を、アメリカ軍産複合体に与えることだ。買い手が売り手を選べない市場は、ロシアが、アメリカ同盟者が、高価なアメリカ兵器によって、それから守られる必要がある敵だという、全く偽りの前提に依存しているのだ。

 最も堅く守られている秘密は、アメリカのミサイル防衛システムが、ロシアのS-400より劣っていることだ。欧米の防衛専門家たちでさえ、S-400がアメリカ製パトリオットや終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を凌ぐ最も良い「万能」システムであることを認めている。ロシアの航空防衛技術は、アメリカの同等品より経済的であるだけでなく、航空機とミサイルの標的設定、高度、速度と探知範囲の全ての分野で、この両者を上回る。

トルコによるS-400購入は、更に多くの国がS-400と比較評価をする機会があるだろうから、アメリカ航空防衛システムがより劣っていて高価過ぎることが暴露されるだろう。

 そこで、本当の「敵」が、ロシアではないことが広く理解されるかもしれない。本当の敵は、アメリカ軍国主義と、ロシアで人を不安に陥れ、顧客をだまして行われている法外な価格の兵器を売る寄生的慣行だ。それこそが究極の撃墜だ。

** Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

 

(一歩)S400の射程距離は400Kmでパトリオットより高性能らしい。しかも移動式だというから、固定式で設置と同時に敵の標的になるイージスアショアより良さそうだ。 企業には「合見積もり」で経費のムダを抑える制度があるが・・・聞いてみたいなS400の値段。


年寄りもいろいろ

2019-07-26 13:05:25 | Weblog

 朝の五時半を過ぎると明るくなって、遠くの人も見分けがつく。  いつもの彼女が向うからくる。だいたいの人は顔を知っていて、すれ違いざまに声をかけるか頭を下げるくらいの挨拶はするのだが、今日の彼女の連れは見かけない顔だった。   三叉路で私を待っていた二人のうち、知らない一人がUターンし私と同じ方向にまた戻った。

「毎朝歩いていますか?」 と声をかけてきた。

(最近は歩数も減っているし、万歩計が働いていない日もある)

「なんやかや自分に理屈をつけてサボっています」と答える。

「おいくつですか?」に「74です」と答えると

「お若くてうらやましい」・・・90才を超えたと言う。

ギョギョギョ

その齢の割に背は真っすぐだし、私の返事もちゃんと耳に届いている。

声も疲れていない。

朝だけで1時間というが、さっきまで一緒に歩いていた彼女はけっこう速足の方だ・・・そのほかの用足しも加えたら日に一万歩くらいになろうか。

10分くらい同行のあいだ話はつきなかった。

このあいだ、団地の年寄の飲み会があった。20人ほどの集まりに90才近くの人が二人いた。酒を飲む口は元気なのだが10分足らずの帰り道をタクシーで帰ると言ってきかない。大違いだ。

私も大きなことは言えないが齢の差からみれば完全に負けている。


韓国企業、輸出規制受けフッ化水素を増産 日本製品の代替目指す

2019-07-25 10:44:26 | Weblog

2019年7月23日ニューズウィーク)

 日本が半導体材料の韓国向け輸出規制を強化したことを受け、韓国国内での増産の動きが始まったもようだ。 韓国のオンライン経済ニュース、マネートゥデーは23日、ソウルブレインのフッ化水素工場が9月に操業を開始し、日本製品に代替できることを期待していると、同社関係者の話として伝えた。

 日本政府は今月、フッ化水素など3種類の半導体材料の韓国向け輸出規制を強化した。 韓国の半導体大手、サムスン電子とSKハイニックスはこれらの材料を主に日本から調達しているが、フッ化水素については、中国企業や韓国企業からも調達している。 ソウルブレインの資料によると、同社はすでにサムスンとSKハイニックスに一定量のフッ化水素を供給している。
 同社の広報は、報道についてコメントを差し控えた。
 23日の韓国株式市場で、ソウルブレインは一時26.5%急伸し、6.5%高で終了した。


黒田勝弘氏「韓国、日本からの3億ドルのおかげで発展…忘れたのか」

2019-07-24 14:37:34 | Weblog

07/05  中央日報日本語版

 2018年10月30日、韓国大法院全員合議体が強制徴用被害者起こした損害賠償請求訴訟再上告審宣告公判で原告勝訴の判決を下した原審を最終確定した。

 日本が強制徴用賠償判決に対する報復措置として輸出規制を実施したことを受けて韓国内で日本製品の不買運動世論が拡散している中、日本のある極右メディアの元ソウル支局長がすべての責任を韓国に転嫁するような発言をして論争になっている。

 5日に放送されたCBSラジオ『キム・ヒョンジョンのニュースショー』に産経新聞特派員として30年以上韓国で過ごした黒田勝弘・元産経新聞ソウル支局長が出演した。黒田氏は、強制徴用被害者に対して日本企業が賠償するよう命じる昨年10月の韓国大法院の判決を取り上げて「個人の補償問題は(1965年の)日韓請求権協定、条約によって解決している。ノ・ムヒョン政府の時に補償もした。ところが今になって大法院の判決が下されたから日本企業にお金を出せというのは約束違反というのが日本政府の立場」と話した。黒田氏は「日本企業に賠償するように言うのではなく、韓国政府が国内的に解決してほしい」とも話した。これに対して司会者が

「協定を結びながら日本は『私たちが間違っていたので賠償する』と言って与えたものではなく、独立祝い金あるいは経済協力資金として与えたのだ。したがって被害者個人が個別企業から賠償を受ける自由は依然として存在し、我々大法院もそれが正しい判断した」と反論したが、黒田氏は自身の主張を続けた。黒田氏は「大法院の判決は韓国の国内事情による結果だ。条約は国際法だ。国際法が優先かどうかというのは国ごとに見解が違うが、日本側では国内的な事情があっても国際的な約束は守ってほしいという立場」と話した。
 黒田氏は1965年韓日国交正常化の時に日本が韓国に与えた3億ドルが「韓国の現在の発展の基礎になった。韓国がその当時どれほど貧しい国だったか。国際的な評価もなかったが、韓日国交正常化によって韓国の国際的地位が高まり、他の国々も韓国に協力するようになった」と主張した。日本は3年支配したフィリピンに5億5000万ドル、インドネシアに2億2308万ドルを支払った。36年を支配した韓国には当時ちゃんとした謝罪もなく経済協力資金名目で3億ドルだけを支給した。
  また日本が36年間の日帝強制期間中に犯した蛮行に対して真の謝罪や反省なく葛藤だけが生まれると「1965年3億ドルやったではないか」と言うという指摘に、黒田氏は「1998年金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相の日韓共同声明でお詫び、反省という表現を使い、安倍もそのような表現を使った」と主張した。
 特に「〔朴槿恵(パク・クネ)政府が結んだ協定によって〕慰安婦被害者のうち生存者の70%が慰労金を受け取った。受け取ったということは合意を肯定評価したということだ。韓国側の要求に対して日本なりに一生懸命努力した」と話した。
 「日本が36年韓国を支配しながら我々に犯した蛮行や、我々がそれによって受けた被害について考えないのか」という批判に黒田氏は「1965年以降、韓日国交正常化を契機に日韓間で協力関係が始まったのだ。その結果が今の韓国の発展の基礎になったのだ。その当時の状況を知るべきだ。韓国がその時どれほど貧しい国だったか。国際的な評価もなかった。日韓国交正常化によって韓国の国際的地位が高まって他の国も韓国に投資して協力することになったのだ。そのような効果があったということも評価しなければならない」と主張した。
 引き続き「その当時の韓国の状況、国際環境を考える時、日本からのそのお金がどれほど大切で貴重だったか、それを考えなければならない。日本は過去に対する申し訳なさから韓国に対して多く協力してきた」と付け加えた。
 黒田氏の主張に司会者は「この話をずっと聞くことについて、リスナーは非常に気持ちが良くない。助けようという気持ちで自由貿易をしたという話ではないのか。一生懸命努力している韓国企業に今、非常に侮辱的という考えすらする。日本の立場が『我々が助けてやった。3億ドルをやったから、我々がこれほど助けてやったから、お前たちがここまで豊かになったのではないか』という気持ちが基本的にあるから、引き続きこのように謝罪と反省が成立しないという気がして複雑な気持ちだ」と述べてインタビューを締めくくった。(了)

 

(一歩)この放送の前日7/4には韓国に対する輸出規制がスタートした。その最中、わざわざ出かけて行き安倍首相の代弁をして韓国を侮辱する発言をした黒田勝弘の目的はなんだったのだろう。「日本製品を買うな」「日本に行くな」反日運動も計算に入れてのものだったら、安倍政権の次の一手は何だろう。日韓秘密軍事情報保護協定の更新期限(8,24)も近い。


「 ロシア、2島返還協議入りも拒否」何なんだよ、このザマは!

2019-07-19 10:29:00 | Weblog

(7/16まるこ姫の独り言)
領土問題が悲惨なことになっている。
安倍首相事あるごとに「私の代で解決する」と威勢の良い言葉を声高に叫んできたが、結果はこのザマだよ。

ロシア、2島返還協議入りも拒否 政権支持率低下を懸念
7/14(日) 21:00配信  共同通信
>安倍政権が進める日ロ平和条約交渉で、ロシア側が日米同盟による脅威などを理由に、1956年の日ソ共同宣言に明記された歯舞群島と色丹島の2島引き渡しの協議入りも拒否していたことが14日分かった。複数の日ロ関係筋が明らかにした。プーチン政権内で領土問題の譲歩による支持率低下の懸念が高まったためという。

国にとって重大な事なのに政権に不都合な事はなかったことになっているが、現実はロシアが「2島返還協議入りも拒否」・・・これは外交の大失敗じゃないか。
1ミリも進まないどころか、どんどん後退して安倍以前より悪くなっている。
領土問題がむづかしいことは重々承知だが、安倍首相は領土問題も支持率に利用して来た。
事あるごとに、「私とプーチン大統領が領土問題に終止符を打つ」と言ったり、「私の世代で、この問題に終止符を打つ」と御大層なことを言ってきたのはどこの誰なんだ?
挙句、経済協力の名のもとに3000億円もボッタクラレ。
何なんだ?この後退感は。。。
「外交の安倍」の実態は国益がどんどん失われていく

>ロシア主導の交渉が続けば、さらに譲歩を迫られる恐れがある
え?まだ・・・これ以上の譲歩って何なんだろう。
行き詰りも何も初めから相手は良いカモだと思っていただけなのではないか?
少し持ち上げておけばその気になって金を出すと
25回も26回も首脳会談をやっても、初めから足元みられていたんだ。

結局領土問題は、安倍政権の支持率アップに利用され、その実どんどん後退し、多額の国富をロシアに献上しただけで終わりか・・・
安倍首相、手柄と思しきものはしつこいくらいに成果を強調してきたが、聞いてみると何十円単位なんだよな。
今年の年金受給額が上がったと盛んに宣伝してきたが67円だよ。
最低賃金が上がったと事あるごとに手柄話にしてきたが、実態は時給20円とか30円。
自分たち政治家は、政治資金で銀座や赤坂のバー通いをしていると噂されているのに、庶民の値上げ幅は何十円規模。
庶民には子供の小遣いにも満たないような上げ幅なのに、自分の手柄として大自慢大会。
庶民にはその程度上げれば生活が成り立つとでも思っているのだろうか。

十分だとでも思っているのか。
住む世界が違うと庶民へ寄り添う姿勢や想像力が無くなる見本みたいなのが安倍政権で。
こんな二世・三世議員を応援する方もどうかしている。
政権のありとあらゆる嘘が噴出しているのに、相も変わらず、自公を応援している有権者たち。
自分の頭で考えない思考停止の国民がいかに多いかと言う事か。


韓国、中国からフッ化水素調達か 日本の規制強化対象

2019-07-17 07:40:09 | Weblog

7/16(火) 【北京共同】

 中国紙、上海証券報の電子版は16日、中国の化学企業、浜化集団(山東省)が韓国の半導体メーカーからフッ化水素を受注したと報じた。日本がフッ化水素の対韓輸出規制を強化したため、韓国企業が代わりの調達先として中国を選んだ可能性がある。
 報道は日本の措置との関連を指摘した上で、浜化集団が製品検査などを経て韓国企業と正式な協力関係を結んだとしている。

 

安倍首相「韓国叩き」大誤算…関連株下落で日本孤立の一途
2019/07/16 日刊ゲンダイ
 参院選の真っただ中。株価連動内閣と揶揄される安倍政権の韓国叩きが裏目に出ている。元徴用工問題をめぐる事実上の報復措置として発動した対韓輸出規制がブーメランとなって跳ね返り、日本の半導体素材企業の株価を押し下げているのだ。
 安倍政権は1日にフッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、エッチングガスの3品目に対する輸出規制を発表し、4日に発動。発表前の先月28日と先週末12日の株価を比較すると散々だ。フッ化ポリイミドとレジスト関連のJSR(3.4%減)、信越化学工業(2.9%減)、エッチングガス関連のステラケミファ(4.6%減)、昭和電工(0.5%減)と軒並み下落。日経平均株価は400円超も上げている中で、である。

 ここにきて、周辺国の韓国支援の動きが目立ってきた。ロシアは韓国企業にフッ化水素供給を提案。北朝鮮は連日にわたって激しいアベ批判を展開している。対外宣伝メディア「わが民族同士」(15日付)は、こうコキ下ろしていた。
・〈国際社会の嘲笑と軽蔑を受けている日本が、こうした幼稚なことをして何かを得ようとしているのなら、それこそ愚かなこと〉
・〈惨めな立場に陥った今こそ、安倍一味が正しい判断をしなければならない時〉

「米朝協議をめぐり、金正恩指導部は文在寅政権に厳しい注文を付けてはいるものの、朝鮮半島の緊張緩和に向けた基本的な立場は同じ。とりわけ、日本の戦後処理に関わる問題は民族共通の課題ですから、韓国擁護に回るのは当然です」(南北外交事情通)

 安倍首相が日朝首脳会談の無条件実施に方針を百八十度転換し、拉致問題について「最後は金正恩委員長と向き合って解決しなければならない」といくら繰り返しても、見向きもされないわけである。公示後のテレビ出演では「残念ながら、北朝鮮に対していま一番発言力があるのは習近平中国国家主席、トランプ米国大統領だと思う」と文在寅大統領をコケにしていたが、一時は韓国に北朝鮮との橋渡しを依頼していたというから唖然だ。
 韓国の中央日報(9日付電子版)によると、安倍サイドが仲介を要請したのは昨年3月と9月に来日し、安倍と面会した徐薫国家情報院長一行。徐薫は米朝首脳会談実現に汗をかいた情報機関のトップだ。その後、北村滋内閣情報官と朝鮮労働党統一戦線部幹部が7月にベトナム・ダナン、10月にモンゴル・ウランバートルで接触。この幹部はハノイ会談失敗で粛清され、極細ラインも途絶えたとされている。

 “外交のアベ”は孤立の一途だ。


脱税総理の消費増税は説得力がないぞ!

2019-07-16 10:34:20 | Weblog

2014.11.04参院予算委員会で、社民党の党首が安倍首相の相続税3億円脱税疑惑を質問した。 「2007年に相続税3億円脱税疑惑が報道されています。脱税は時効になっていますが自発的に納税してはどうでしょうか?」

これに対して安倍首相は                    「重大な名誉毀損だ。議員として恥ずかしくないのか。全くの捏造だ」と激怒。「まるで犯罪者扱いではないか。失礼だ。答弁できない」 と述べ、国会の審議を中断させてしまった。

日ごろ、「ウソ」と「はぐらかし」に慣れた安倍だが、この件についてだけは、仮にウソでも説明したことはない。

説明がなければ脱税疑惑は晴れない

こんな人が、消費増税を選挙公約に挙げている

もし、自民党に少しでも正義があるなら

アベを辞めさせ、

別の内閣をつくって消費増税を求める提案すべきではないか。


明石順平が斬る「老後2000万円不足」問題

2019-07-15 09:15:41 | Weblog

7/15周プレNEWS

 「平均的家計では、年金以外で2000万円の蓄えがなければ、老後の生活費が不足する」という試算を盛り込んだ、金融庁金融審議会の報告書が波紋を呼んでいる。  今月の参議院選挙での争点化を避けるかのように、麻生太郎副総理兼金融担当相は、この報告書を「政府の政策スタンスと異なる」として受け取りを拒否。森友・加計学園問題や厚労省の毎月勤労統計の不正調査問題など、都合の悪い事実を隠蔽・改竄する政権の体質が、改めて浮き彫りになった。
 ベストセラー『アベノミクスによろしく』の著者で、今年2月に賃金統計偽装について国会で公述し、6月に新刊『国家の統計破壊』(インターナショナル新書)を上梓した弁護士の明石順平氏は、今回の問題をどう見ているのか。実感なき景気回復策といわれるアベノミクスの正体とともに聞いた。

マクロ経済スライドとは「年金実質減額システム」
――6月3日に金融庁が「高齢社会における資産形成・管理」の報告書を公表して以来、いわゆる「老後の生活費2000万円不足」問題が物議をかもしています。
<明石> いきなり「老後の生活資金として2000万円用意しろ」という具体的な数字を出されたので、皆さん面食らってしまったのでしょう。ただ、2000万円という数字で驚いていますが、この試算の中には介護費用などは含まれていません。だから、2000万円でも全然足りていないというのが実情です。
 この計算は、「現実の高齢夫婦無職世帯の収入(その大部分は年金)と支出を比べると、"毎月約5.5万円"の赤字になる」という『家計調査(2017年)』の数字に基づいています。これに、2015年の人口推計における「全人口の約4分の1が95歳まで生存する」ことを前提に単純計算すると、30年間で約2000万円(360ヵ月×5.5万円)の金融資産の取り崩しが必要となったわけです。
 金融庁としては、こうしたデータを出して「長期・積立・分散投資で資産形成の検討」を促す意図があったのでしょう。つまり、安倍政権の生命線である株高を維持するために、「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、株を買わせるように仕向けたかったのです。「預金が目減りするよ」と脅して、「だから投資しなさい」と。
今回の金融庁金融審議会の試算は、現在の物価がずっと続くということが前提となっています。しかし、現在の物価が変わらないという保証はありません。かつては物価が上がれば、それに伴って年金支給額も上昇していました。ところが、現在では「マクロ経済スライド」により、物価が上昇しても年金の増額が抑制されるようになっています。

マクロ経済スライドとは、簡単に言えば少子高齢化が進んでも年金制度が破綻しないように、年金給付額の伸びを賃金や物価の上昇率よりも抑えるための仕組みです。計算式は「年金改定率=賃金(物価)の伸び率-スライド調整率」となっています。「スライド調整率」とは、「公的年金全体の被保険者数の減少」と「平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」を加えたものです。
このスライド調整率は、2025年度までは年平均0.9%程度と見込まれています。例えば、物価の上昇率が1%のときは、年金改定率は「1.0%-0.9%=0.1%」となるわけです。
だから、名目値(額面通りの値)だけで見ると「年金が上がった」というふうに見えても、物価を考慮した実質値(物価変動の影響を取り除いたもの)だと全然足りていないといった事態が発生するのです。マクロ経済スライドなんてわかりづらい名前をつけていますけれど、実態は「年金実質減額スライド」としか言いようがありません。
なぜ「実質」とつけるのかというと、名目値で見たら「いや、減ってないよ」と言ってくる人がいるからです。先日の国会で野党批判をした三原じゅん子参議院議員が、「安倍政権では今年、年金支給額はプラスとなった」と言っていましたが、物価上昇率1.2%に対して年金の上昇率はたった0.1%です。少し考えればわかることですが、この仕組みがある限り「物価上昇に対して、年金は永遠に追いつかない」ようになっています。

――自民党支持層はそのことをわかっているのでしょうか?
<明石> 「アベノミクスでデフレから脱却!」と盛り上がっている自民党の支持者たちがたくさんいます。しかし、物価が上がる意味とその影響を本当に理解していたら、支持する理由などどこにもありません。結局、年金の原資となっているのは、ほとんどが働き手の賃金です。高齢者のために年金財源を安定させようと思ったら、現役世代の賃金を上げなければならない。しかし、実際にはどんどん労働者の賃金は削られています。

アベノミクスは高齢者いじめの「貧乏ノミクス」?
――物価が上がっているのに、年金支給額が減っていくと、預金も目減りしますよね。
<明石> この状況は「高齢者の首を、真綿でゆっくり絞めている」ようなものです。私から見たら、マクロ経済スライドは完全なる「高齢者いじめ」でしかありません。
「日銀は物価上昇目標を達成できていない」という点が盛んに報道されていることから、国民の多くは「物価が上がっていない」と勘違いしているように感じられます。しかし、日銀の目標というのは、「前年比2%の物価上昇」、すなわち「毎年2%ずつ伸ばしていく」というものです。確かに、前年比2%の物価上昇という目標には届いていません。しかし、アベノミクス開始(2012年末)以降の6年間を通算すると、増税分も含めて物価は6.6%も伸びています。
これは、例えばアベノミクス前の年収が400万円だった人の場合、426万4000円以上になっていなければ、実質賃金が下がったことになってしまうのです。こうした具体的な数字で見ると、その凄まじさがわかるでしょう。アベノミクスとは結局「国民全体窮乏化政策」だったのです。

 ――ここまでお話を聞いて、アベノミクスの実情がよくわかりました。しかし、安倍首相は成果を誇らしげに語っています。例えば「民主党政権時代と比べると、失業率も有効求人倍率も改善された」とか。
<明石> 失業率の低下も有効求人倍率の上昇も、アベノミクス前からずっと改善されています。民主党政権時代からの傾向がずっと続いているだけで、別にアベノミクスのおかげで良くなったわけではありません。理由としては第二次安倍政権誕生以降、単に世界的な経済危機が起こっていないからです。
実際、増えた雇用者数の内訳を見ると、医療・福祉が2位以下を大きく引き離して、ぶっちぎりの第1位となっています。それも当然で、なぜなら高齢者が物凄い勢いで増加しているからです。
医療・福祉の雇用者数は、2012年と比較して125万人も増えています。第2位の卸売業・小売業と第3位の宿泊業・飲食サービス業を合わせた数よりも多いくらいです。これは明らかに高齢者数の増加が影響しています。
また、卸売業・小売業が増えているのは、フランチャイズという「スーパー搾取システム」によって出店が増えているからです。雇用が増えているので一見、景気がよくなっているように思えますが、賃金が上がらないという問題はまったく解決されていません。

――「アベノミクスのおかげで景気が回復した!」という言葉にだまされてはいけないのですね。
<明石> アベノミクスは、「戦後最悪の消費停滞」を引き起こしているのですから、実際は悪化していますよね。現に、景気回復を実感できない人たちがたくさんいます。
アベノミクスの異次元金融緩和で通貨を大量に供給したことにより、円高から大幅な円安になりました。通貨が大量に供給され「円が安くなる」と予想した投資家たちが円売りに走ったのが主な原因です。円安で輸出が増加すれば景気もよくなると期待したけれど、結果として円安がさまざまな原材料費等の輸入価格を上昇させ、消費者物価指数を押し上げてしまいました。

――安倍首相は「悪夢のような民主党政権」というフレーズをよく使いますが。
<明石> 今のほうがまったくの「悪夢」ですよ。こんなに円安インフレになるような政策を行なって、国民の生活を苦しくし、消費を冷え込ませてしまったわけですから。経済が停滞しているのに、物価だけは上がっています。食料価格指数だけ見ても10%以上の伸び率です。必然的にエンゲル係数も爆上げしています。
国内実質消費から見れば、これはスタフグレーションと呼んでいい状態でしょう。スタグフレーションとは、「stagnation【停滞】」と「inflation【インフレーション】」の合成語で、経済活動は停滞しているのに物価が上昇するという意味です。アベノミクスの正体は、実は「貧乏ノミクス」だったということを数字が証明しています。
結局、アベノミクスの失敗は「賃金がほとんど上がらないのに、物価だけ上がってしまって消費が落ちた」ということです。まずは賃金を上げるべきなのに、完全に順番を間違えています。

選挙で求められるのは「労働者側に立てる政党」
――明石さんは新刊『国家の統計破壊』(インターナショナル新書)で、安倍政権の偽装体質を、詳細な数字によって暴いていますね。
<明石> 2018年8月に「賃金21年ぶりの伸び率」というニュースが出ました。これは景気がよくなったからではなく、賃金の算出方法を政府が変更したことによって起こった現象です。
ここには重大なカラクリがありました。端的に言うと、賃金の算出方法を変え、従前よりも高く出るようにしていたのです。これをそのまま過去の数値と比較すると、異常な段差ができてしまいます。だから、通常なら遡って過去の数値も改定しなければならないのですが、厚労省はなぜか遡及改定をやめました。その結果、2018年の賃金が異常に高い伸び率を示すことになったのです。
 これは、ちょっと背の高い別人にシークレットブーツを履かせて、身長が伸びたと言っているようなものです。これにより、それまでの<5年間で1.4%>しか伸びていなかった賃金が、2018年の<1年間で1.4%>伸びるという異常な現象が起きました。しかし、同年の物価は1.2%上がったので、結局実質賃金は0.2%しか伸びませんでした。2018年の実質賃金は、アベノミクス前より3.6%も低い状態です。6年経っても実質賃金が民主党時代よりはるかに低いままなのです。
『国家の統計破壊』では、2018年の暮れに発覚した、厚労省による「毎月勤労統計調査」の不正問題について、そのからくりをグラフや表、国会議事録を使って分析しました。また、安倍政権によって意図的に隠された事実や日本経済の悲惨な現状についても、ファクトを積み重ねながら解説しています。

――なぜ安倍政権は、すぐに見破られるような偽装を行なうのでしょうか?
<明石> 要は目先のことしか考えていないからでしょう。森友・加計学園問題での対応が象徴的ですが、「大きな声でウソをつき続ければ、そのうち国民は忘れてしまう」ことに味を占めてしまったわけです。このように自民党がやりたい放題できるのは、選挙で無敵状態だからでしょう。それを支えているのが、1選挙区ごとに1名のみを選出する「小選挙区制」です。もともと固定客が多い「自民一強」という状態の中で、相対するのは「脆弱な野党」だけですからね。拮抗する二大政党があってこそ小選挙区制という選挙制度は成立するのに、ずっと一党独裁状態が続いています。
だから野党としては、アベノミクスの失敗を正しく国民に理解してもらったうえで、対案として「労働者の賃金アップ」をアピールしていくべきでしょう。現在の日本経済停滞の原因は、低賃金・長時間労働です。これを解消することは自民党には絶対にできません。自民党のスポンサーは経団連なので、経営者側の立場でしか政治を行なえないからです。
さらに、長時間労働の温床となる「裁量労働制」や残業代支払い逃れの「固定残業代制」も廃止すべきでしょう。自民党はいろいろな抜け道を巧みに使って、経営者側に有利な法案を作り続けています。自民党固定客だけでなく、無党派層の心にも届く「労働者側に立てる野党」こそが、選挙で求められるべき政党なのではないでしょうか。