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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



大晦日におこなわれた“K1 PREMIUM2006 Dynamite!!”のメインイベント、秋山成勲対桜庭和志の試合が無効となった。試合直後に、桜庭が抗議していたように、秋山が体にクリームを塗っていたためである。体に何かを塗るのは違反行為となる。

秋山サイドには反則を犯しているという意識はなかったとされているが、秋山は失格、試合結果は無効、そして秋山のファイトマネーは全額剥奪となった。ボディチェックで、違反行為を見逃した審判団のギャラも半減されるという。

しかし、なんともお粗末な事件ではないか。生死をかけた総合格闘技において、「ルール」はもっともデリケートなものである。以前、ある格闘技イベントに関わったときのこと。そのときは、相手を牽制するという意味もあり、互いが譲らない部分があって、試合当日までルールの詳細を決め切れなかった。

それが、昨年末の“Dynamite!!”では、試合をする選手も、セコンドもルールを完全に把握しておらず、またレフェリーのチェックもずさんこのうえなかったわけである。

昨年2006年は、一昨年までフジテレビが放送していた“PRIDE 男祭り”が地上波放送から消えて、対抗馬がいなくなった。“Dynamite!!”が、地上波テレビ唯一の格闘技イベントとなったがために、大きな油断があったのではないか。すでに、このブログでも言及したように、マッチメイクにおいても、その兆候がうかがえる。

責任者であるイベントプロデューサーの谷川貞治氏が、のんびりとテレビ解説をしている場合ではなかったのではないか。格闘技ファンを裏切った“Dynamite!!”に次はあるのだろうか。



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