小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

日本初のインド・マンガロール料理店、銀座バンゲラズ・キッチンに行きました!

2018-04-29 10:16:38 | Weblog

▲こちらは鯖のガッシ(カレー)に米粉のパンです♪

いわば鯖の味噌煮カレーに米粉のパンは、日本人の舌にもピッタリです。

昨日は、家内と評判のインド、マンガロール料理の店、バンゲラズ・キッチンに偵察に行きました。

マンガロールはインド南西部に位置する漁港で、ここの料理は魚介類を多用することで知られていますが、私も30年前に現地で知らずに食べていたくらい。マニアの間で、たまにイベントなどでお目見えする程度で、いわば日本人にとっては幻のインド料理とでも言いましょうか。

いつもカレーチェックに覗いているカレー細胞さんのブログで、それが紹介されたもので、これは行かねばと思っていたところでした。以前行ったランチも美味しかったのですが、はたして晩はどうかと食べたところ、これはまったく別次元のお味でしたた。

ともかくも食べたことのないお味ばかり。いや、インド料理の奥の深さに今更ながら感嘆です!

▼こちらはバナナのバンズ。サンバルとココナッツで頂きます♪

ケララの風Ⅱの沼尻シェフいわく、バナナには3種類ある。

1、果物として食べるバナナ。
2、調理用として食べるバナナ。
3、そんなバナナ・・・なんて、ウフッ♪ 

いや、このバナナのバンズはまさしく、3にあたる嬉しいびっくりのお味。デザートと言って良いバナナの甘味と、カボチャのサンバルの辛みがベストマッチではありませんか!

▼そしてこちらがスタッフド・カラマリ。イカの玉ねぎ。

こちらはまさにイカ飯。
ご飯は入っていませんが、イカ飯以外のなにものでもありません。

気取ってナイフを入れるとバラバラになるので、 一口でパックリ頂きましょう。

▼食べた順序は違いますが、こちらは緑豆のスプラウトのサラダ。

緑豆の粉はワダの材料になるなど、インドではけっこう馴染みの食材。

日本ではもやしの原料として食されてますが、こちらのスプラウトはまだ芽が出たばかりのものです。

インスタ映えはしませんが、あとを引いて美味しい。体にも良さそうなのが食感から伝わってきます。

▼そしてシメはエビのビリヤニ。

白い米とグレービーで炊いたバスマティライスが段々になっているのは、本物のビリヤニの証拠ですが、こういう風に2段重ねになっているのはわたしも初めて。

先日、ケララの沼尻シェフにご馳走になった、カニとホタテのビリヤニは極上のお味でしたが、このエビのビリヤニも素晴らしい!

次回はサワラとか魚のビリヤニを食べてみようっと♪

▼ということで、こちらがサワラのビリヤニ。

▼現地では竹筒に入れて蒸すそうです。さすがにこれは容器のみですね。

え? 実はサワラのビリヤニを食べたのかって?

いえいえ、実は間違えて運ばれてきた、隣の方が注文したものが来ちゃったのです。

「サワラのビリヤニでゴザイマス」

「え? 注文したのエビだよ」

「あ、スミマセン。エビのビリヤニでゴザイマス」

「そう、じゃ頂きますね」

「間違えマシタ。お隣のごチューモンでゴザイマシタ」

というわけで、箸はつけてなかったので、お隣の方に無事到着。
普段はみんなからウザがられる写真撮影のおかげででしょうか(笑)。

すべて食べたことのないお味で、大満足のマンガロール料理ですが、ひとつ難を言えば、このあたりですが、そこはご愛嬌。

スタッフは日本人女性にインド人男性のクマールさん。そして厨房は2人だけというシフト。さらにすべて注文されてから作るので、出て来るまでは早くありませんが、仕上がりはその分極上です。

ディナーにいかれる方は、それを知った上で、ゆっくり食事を楽しまれるのが良いと思います。

▼こちらはお約束のチャイを冷ますクマールさんの技。どこか誇らしげです。

それから、知らずに注文したインドワインがイケるのにびっくり。

シチリアワイン顔負けの濃厚さでしたが、アルコール度数見たら何と17%やて!
たぶんデカン高原あたりで採れた葡萄を使っているのでしょうが、国産ワインが美味しくなっているように、インドワインもクオリティが上がっているようです。

濃厚でスパイシーなマンガロールにはピッタリのワインでした。

▼ともかく沢山あるメニュー、次回は大人数で行こうと思います♪

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これは酷い!〜宇佐見圭司先生の東大壁画処分問題

2018-04-28 07:22:27 | Weblog

宇佐美圭司壁画処分問題

この事件……昨日、大学時代の友人のFacebookで知ってびっくりしたのですが、記事は見ての通り。あまりのことに詳細を書く気もしないので、ご興味をお持ちになった方は、上記リンクを参照いただければ幸いです。

残念ながら、絵はすでに「処分」されてしまったそうです。

既成事実を作れば、あとはウヤムヤにできるという日本最高学府の人たちの高度な判断なのでしょうか。
記事の意見にもあるように、これがバーミヤン仏像を破壊したタリバンがやったことではなく、東京大学が行ったということに、怒りを通り越した無常観を感じてなりません。

いや、タリバンはイスラムの教えに従って仏像を破壊したわけだけど、東大の担当者は何も考えずにそれを行っただけ、タチがわるいかもしれません。

よく亡き父がその昔、「日本の四大悪」と呼ばれたものに、朝日新聞・NHK・岩波書店、そして東京大学があると聞かされました(この中で、岩波書店だけは現在昔の勢いはありませんが)。どれも進歩的なことを言いながら、実は権威的で自分が一番偉いと思っている、といった意味でしょうか。

ともかくも日本最高学府の鈍感力に驚きを隠せない次第。
みなさまは如何思いますでしょうか。

 
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ベルグルンドの「シベリウス交響曲全集」が凄すぎる!

2018-04-26 10:43:25 | Weblog

気にはなっていたものの、今迄あまり縁のなかったシベリウスの交響曲全集を、フィンランドの大指揮パーヴォ・ベルグルンド3度目の録音を購入しました。

シベリウスといえば、「ダイハード2」でも音楽に使われていた「交響詩フィンランディア」で知られる、フィンランドの国民的作曲家です。同映画は監督のレニー・ハーリンがフィンランド出身ということで、使われていましたが、それほどこの曲は同国のイメージを象徴しているようです。

というか、フィンランドって行ったことないし、ムーミンやガラス食器のイッタラ以外にはあまり具体的なイメージが湧かない国かな。

でもシベリウスはヴァイオリン協奏曲や交響曲2番などを、度々FMで耳にしていて何となく気にはなっていた作曲家です。

グリーグやニールセンなど北欧の作曲家というのは、空気の冷たい地域独特の透明感があるのですが、それにしてもシベリウスという人の音楽は不思議としか言いようのない響きを持っています。

このベルグルンドの「シベリウス交響曲全集」もそうなのですが、驚いたのは交響曲1番と2番くらいは、耳に残る旋律…メロディがあるのだけど、あとのものは極端な言い方をすると音色以外ないような音楽とでも言いましょうか。

何度か聞いているとちゃんとした旋律があるのはわかるのですが、さほど長い曲でもないのに、耳に残る旋律がない。それなのに、聞いている間はその音の世界にどっぷり浸かって幸福感を味わえる音楽なのです。

シベリウスは交響曲1番を発表した時、チャイコフスキーに比べられ心外だったようで、「自分とはまったく違う音楽家だ」と言っていたそうです。
たしかに1番はチャイコフスキーの系譜に聞こえる音楽なのですが、ほかのものはまったく違い、シベリウス以外には考えられない響き方をしています。

あまりに不可思議な音楽なので、滅多に目を通さないライナーノートを読んでみたら、おやおや、ベルグルンドのインタビューが載っているではありませんか。

それによるとフィンランドの巨匠でありながら、シベリウスの本質はフィンランドではないと書いてあり、愛国心や自然に関する解釈はむしろ不必要だとまで言っています。オーケストラも欧州の若手名手たちを集めて結成した、ヨーロッパ室内管弦楽団を起用しているのも、フィンランドに関する余計な先入観がないからなのだとか。

なるほど、これは目からウロコですね。

ベルグルンドはフィンランドに対する愛国心は、他国の音楽家がシベリウスを演奏する上での障壁にさえなる。日本やアメリカで人気があり、ドイツなどヨーロッパの特定の国々で演奏されないのはそういうわけだと言ってます。

今、制作中のヘビロテは「シベリウス交響曲全集」の4枚なのですが、まだどんな音楽なのかよくわかりません。

特に3番以降、7番までの音楽は謎すぎて、どう形容してよいのか言葉が見つからないのですが、北欧の森から星空を眺めるような、透明な音の響きが美しくて何度聴いても飽きないのが素晴らしい。
シベリウスって、もっと暗いイメージがあったのですが、この演奏についていえば、それがみじんもないですね。

北欧にまったく興味なかった私ですが、このシベリウス交響曲全集は本当に素晴らしい!

万人にオススメではありませんが、ご興味ある方はご一聴いただければと思います。

 
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メルセンヌ素数「惑星Rocks」と合体です♪

2018-04-23 08:59:28 | Weblog

先日、メルセンヌ素数の虹色社(なないろしゃ)に遊びに行った時に、なぜか素数の話で大盛り上がりでした。

1冊の総重量が1.5kg、1つの数字が電話帳より小さな文字で700ページ、延々と並べられているだけの本がなぜかベストセラー??
見たってわからないし、何に使うかもわからないものなのに、不思議と惹かれるメルセンヌ素数ですが、かねてから絵のバックに入れてみたいと思っていたので、試してみることにしました。

ちょうど今、制作中の「惑星Rocks」とカーリー(インド・ヒンドゥー教の女神)を描いた作品は、宇宙的なイメージという点でうってつけ。

絵の背景にメルセンヌ素数を入れてみたところ、果たして、自分ではなかなかピッタリ来そうな予感がしてきました。描いてる作品を途中で公開できるのも、ネット社会の面白いところです。

▲こちら部分図は、素数を書きはじめた最初のパーツ。

はじめは小さく書いていたのが、だんだんイヤになってきて文字が大きくなっていってます。作者のあきっぽさがよくわかりますね(笑)。

「惑星Rocks」はホルストの「惑星」のような、占星術的イメージで制作されたキャラクターたちです。実際にプロの占星術師の方のアドバイスを参考に作られました。

巨大なメルセンヌ素数ですが、二進法で表現すると、すべての桁の数字が「1」になるそうです。何か宇宙の組成に関係あると考えても不思議ありません。

NHK−FMの「気ままにクラシック♪」で、ふかわりょうさんが素数や円周率を、ホルストの惑星やフォーレのレクイエムなどをバックに朗読していますが(いみじくも、この記事を書いてるたった今!)、そういった数字のロマンが人を惹きつけるのかもしれません。

ただ、作品はこのままでは数字があまりにうるさいので、見た目をスッキリさせる処理をしないといけません。

完成はまだ未定ですが、近くイベントや展覧会で発表する予定ですので、お楽しみに!

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「ザ・グレイティスト・ショーマン」見てきました!

2018-04-19 09:35:14 | Weblog

伊東マリンタウンのパンフレット、リニューアルですが、まるでパズルです。

先週の土曜、三越イタリア展の前に遅ればせながら、「ザ・グレイティスト・ショーマン」を見て来ました。

遅ればせながらと申しましたが、逆に言えばそれだけロングランしているということで、この日も日本橋のシネコンは満員御礼でした。一番後ろの端っこの席で見ることになりましたが……いや〜、一見の価値はありますね!

素晴らしい!

予備知識なしで見て、一番驚いたのはその内容というかストーリーです。
「まさか、こういう話だと思わなかった」という感想で、広告会社はそれを一切公開せずに宣伝したようです。

ともかくも言うとネタバレになってしまうので、これからご覧になる方は、何も知らずに見ることをオススメいたします。

「レ・ミゼラブル」では屈強の男ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンですが、今回はお髭を剃ってフィニアス・T・バーナスという実在の興行師という役どころ。ヒゲがないと、ジャックマンさん、意外とつるりとしたお顔をされています。

元々ミュージカルの人なので、どちらの役もお見事なのですが、今回ヒゲがない分か、ジャン・バルジャンとは対照的にダメ男な側面がよく出ているのが面白いところ。

下層階級から這い上がってきた夫バーナスは、成功を手にしても「もっともっと」とガツガツしているのと対照的に、上流階級出身の妻は「もういらない」というのが人間の面白いところでしょうか。

半分主役みたいだったのが、ザック・エフロンとゼンデイヤのカップルでした。

これもまた、上流階級と下層階級の組み合わせで、男女が入れ替わっているのが面白いところ。それでもでも押し付けがましい、差別反対みたいな匂いはカケラもないところが好感の持てるところでしょう。

ともかも、見たあと何やら希望の湧いてくる一本に仕上げっていて、三越イタリア展も楽しく見ることができました。

まだの方はぜひ、この機にご覧くださいませ!

 
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海洋大学柔道部ポスター〜今年は女性主将がつとめます!

2018-04-18 10:19:34 | Weblog

昨日は海洋大学で火曜会柔道でしたが、学生の新入部員、および入部希望者も大勢集まり、総勢20人近い活気ある稽古になりました。
ケガ人も出ず、良い雰囲気でまことにけっこう♪

これはもちろんポスターの効果もあったでしょうけれど、在校生の部員が明るく良く稽古をしていることがあるでしょう。

そして、今年の柔道部の主将は、100年の歴史を誇る海洋大学柔道部はじまって以来、初めての女性主将。しかもハーフで長身の美人です。
まあ、今年はポスターだけじゃなくて、それが人気の理由でしょうか。

美人なのでストーカーでもついたら困ると思って書かないでいたのですが、火曜会屈強の猛者たちが、「そんなのオレたちが撃退する」と言ってましたので筆をとった次第……いやいや、実を言うと、それというだけではありません。

実はこの女性主将にわたくし……2年前、この人がまだ白帯だった時に、恥ずかしながら左の親指を折られたことがありました(苦笑)。そのあとで火曜会の柔道仲間から言われたこと、言われたこと!

「女子に足を折られるとは何たる軟弱なヤツよのう」

「相変わらず、女に弱いな」

家内に至っては、その話をすると「美人に折られて良かったね」やて。
まあ、 それはそうなんですけどね(笑)。

ともかくも若い人が大勢柔道しに来てくれたら嬉しいです♪

 
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「三越イタリア展」に行きました!

2018-04-15 11:24:14 | Weblog

昨日は日本橋のシネコンで「ザ・グレイティスト・ショーマン」を見たあと、三越で開催されている「三越イタリア展」に行きました。

デパートの人ばなれが言われている昨今ですが、さすがにイタリア人気は大したもの。会場は大勢の人の熱気で、ほとんど酸欠状態でした。

イタリアの工芸品やブランドなど、もちろんいっぱい並んでいましたが、何と言ってもみなの目的はイタリア食材です。

さすがは三越、そんなに安いものはありませんが、相場に比べてかなり値引きしたチーズやワインがところ狭しと並べられています。もちろん試食もいっぱい!
開催は19日までですので、ご興味ある方は足をお運びくださいませ♪

▼こちらはブッラータチーズ。シンプルにオリーブオイル+胡椒、塩で頂きます♪

▼こちらはブッラータとピエモンテ産の白ワイン。下に書いてあるTre Donneは三人娘という意味。醸造所のオーナーが三人娘なようです。

▼こちらはイタリアで食べ損ねたお米のコロッケ、アランチーニです。
中はリゾットとひき肉、チーズでボリウム満点!

 

▼生ハム、プロシュートの種類も豊富。

フォルマッジョ(チーズ)がいっぱい♡

▼ピッツァを仕込むイタリア人職人さん。

 

 
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三田誠広「空海」読了です〜拙著「中学生にもわかる仏教」が電子書籍になります!

2018-04-09 10:27:16 | Weblog

先日、拙著「中学生にもわかる仏教」を電子書籍用に原稿を出したタイミングもあって、しばらく前に読了した三田誠広さんの「空海」について取り上げてみたいと思います。
先達の芥川賞作家の作品に、自分の本を引き合いにするのは憚られますが、そこは自分のブログゆえご容赦ということで(笑)。

三田誠広「空海」のあとがきでも書かれているように、現在、伝説以外の弘法大師史観というのは、ほぼ司馬遼太郎の「空海の風景」に依っていると言って過言ではないでしょう。司馬氏の同書の評価はここでは控えますが、そこからまったく違った空海像を描き出したというところに、この本の面白さがあると思います。

三田誠広という作家は、物理学や仏教など専門外の分野を、ひじょうによく調べて文章にすることに長けている人ですが、同書「空海」もそのような本であります。

さすがに小説家らしく、史実にないエピソードも折り込んで書いてはいるのですが、史実をわかって書いているため違和感がありません。

たとえば空海の幼少期〜真魚(まお)と呼ばれた時代に、実在しないと思われる修験道者や女性が登場する場面。山岳を自由に行き来する10代の空海の姿は、まさにそうだったろうと思わせるほどです。
「空白の三年間」と呼ばれる、空海が歴史から姿を消えてしまった三年間も独自の解釈で描いています。全国にある弘法伝説にちなんだのか、ここで空海は東北で坂上田村麻呂と阿弖流為(アテルイ)との架け橋になるのですが、それもさもありなん。話としては面白い限りです。

拙作「まな板菩薩」(横浜バージョン)。

また、単純に空海の足跡をたどるという物語ではなく、密教そのものに深く入り込んでいる点が注目です。

ご存知ない方のために注釈をしておくと、密教は紀元5世紀くらいにインドで生まれた、必ずしもお釈迦さまの教えに従ってない仏教です。あくまでブッダは、宇宙に普く仏の一人であり、その中心は大日如来を本尊にする点が特筆されます。

汎神論と呼ばれる「宇宙全体が仏であり神である」という思想が流れており、さらには文字通り秘密の教えなため、修行を積んでない人間にはその本質はわかりません。

しかしながら三田誠広「空海」では、その教えの片鱗が文字として書かれているのが面白いところでしょう。密教関係の人は、外部にその教えを決して漏らさないと言いますから、たぶん推測で書いているのでしょうが、伝法潅頂と呼ばれる儀式の様子なども描かれているのは興味深いところ。

密教の深い部分は修行を伴わない未熟な人間に伝わると危険なため、教えないというのがその大きな理由ですが、一方で弘法大師の教えは字の読めない人にも、それなりに用意されているのが、空海の教えの優れたところと言われています。

▲さて拙著の話になりますが、久しぶりに自分が書いた文章を読み返しましたが、けっこう書いたことを忘れていて、かえって面白く読みました(笑)。

密教を取り上げた章は、一番気持ちを入れて書いたようで、分量もイラストもそれなりにボリュームがありました。

電子書籍として上梓される日程は、まだ未定ですが、近く発刊される予定です。
ネットでも同書は残り僅少。この機にぜひお手元に置いていただければ幸いです。

余談ながら、拙著「インドのアチャールくん」ですが、絶版にはなっていないはずですが、ネットでは 7,800円から13,000円の価格で売られていました。ちょっと前まで1円で売られていたのですが、嬉しいようなさびしいような複雑な気持ちです。

近く「アチャールくん」と「シエスタおじさん」をカップリングした短い絵本を上梓する予定です。こちらも合わせてよろしくお願いします。

 
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大相撲「女性は土俵を降りて」で、飯山陽の「イスラム教の論理」を思い出しました。

2018-04-06 12:01:38 | Weblog

大相撲「女性は土俵を降りて」アナウンスへの批判

 私が子供だった時分、よく親父は”大相撲が前近代的だ”、という話が出ると「いまだにチョンマゲ結ってる連中だ。何つまんねえこと言ってやがる」なんて言っておりました。

父は学者でしたが、浅草生まれで家では口が悪かったけど、子供心にそうだなと思ったものです。だから女性知事や女性市長などが「土俵で挨拶させて」というのは、土俵の神さまに失礼だと思っております。

でも先日の救急のように人の命がかかった場合は、話が別ですね。土俵の神さまだって、「いいから早く助けてやれ」と言うに違いありません。

舞鶴市長も一命を取りとめたから良かったけど、もしもという時は世間の非難が大変だったでしょう。ああいう時、協会はダメですよね。

ただ、この話。色々と問題が違う方向に行ってるように思えます。
何と言うか、違う価値観でモノを言っているので、話がかみ合ってないというか。

緊急事態で女性医師が土俵に上がるのと、平時に女性市長が土俵に上がるのでは、問題が違います。

それを「民主主義の世の中なんだから、普段かも女性を土俵に上げなきゃダメ」というのは、話がややこしくさせるだけなんだけどなあ(苦笑)。

でも、この話。いつまで経っても平行線だろうな。

この一件で、私は先日読んだ、飯山陽という若いイスラム研究家が書いた「イスラムの論理」という本を思い出しました。

読んで衝撃的だったのは、「基本的に私たち日本人の価値観で、イスラム教の基本的な考え方は推し量ることはできない」ことが理解できたことでしょうか。

オビの文言にもある「”イスラム国”のイスラム教解釈は間違っていない」は、同書を読めば、まさにその通りであるのですが、それは私たちの価値観と相容れません。
(どう違うのかは、本書をお読みくださいませ)。

まあ、そこまで価値観の違いはないにせよ、人どうしの話がすれ違う理由が少しわかった気がしました。

相撲の話とすり替わってしまいましたが、興味持って頂いた方はぜひご一読を。

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藤家寛子の「就活記」と「闘病記」、読了いたしました!

2018-04-02 11:03:23 | Weblog

花風社さんから上梓された電子書籍、「藤家寛子の就活記」と「藤家寛子の闘病記」、読了いたしました。

出版前に浅見社長は、この「就活記」と「闘病記」を2冊で出した方が良いか、1冊にまとめた方が良いか、SNSで質問の募集をしました。
私の記憶では、圧倒的に「1冊にまとめた方が良い」との声が多かったはずで、私自身も同じ意見でしたが、実際に出されたものを見ると、少数意見だったはずの2分冊になっていました。

しかしながら、出されたカバーを見た瞬間、「ああ、これは2冊に分けるべき本だったな」と思い、読みながらその思いを深くしました。
これはわたしの勝手な感想ですが、1冊にまとめてあったら、「闘病」 があって「就活」に進んだプロセス、コントラストが薄まる気がしたからです。これも電子書籍ならではの試みと言えます。

ともかくも肝心な方は、何と言っても「就活記」でしょう。ここには発達障害を抱える人たちだけでなく、多くの一般読者にも光を照らし力を与えてくれる言葉があります。それは気休めとか慰めではありません。
この2冊には、紆余曲折ありながら、きちんと道を歩いてきた人が自分自身に起ったことを、自分自身で書いた間違いのない言葉があります。そこには紛れもない真実があるのです。

「就活記」から読んでみるのも良いという浅見社長のオススメだったように覚えてましたが、実際に私は「闘病記」から読みました。「あとがき」にも書かれていたように、私も藤家さんの一番大変だった時期を知っていて、だからこそ、その軌跡をなぞってみたいと思ったからです。

大変な状態から、就活まで上ってきた藤家さんの努力には頭が下がりますが、大切なことは彼女が発達障害を抱える特別な能力をもった人間だからというわけではありません。

誰もが正しく精進すれば、道は開けてくる。

人生は映画のようなハッピーエンド、あるいは逆に悲劇のエンドばかりで出来てるわけでなく、多くの過程が複雑にからまっています
これからも藤家寛子さんには、良いこと悪いこと、普通のことなどな様々な道が待ち受けているでしょう。まあ、それは私を含む、世の誰もが同じことであります。

彼女なら、それをきちんと開いて進んでいくに違いありません。今後の活動に期待したいと思いますし、これからも講演なども聞いてみたい。

今回はイチ読者として感じたことを書かせて頂きました。

 
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