３週間ほど、体調を崩していました。
また今日から復活します。
よろしくお願いします。
今年の桜は元気がない
高らかに
冬が終わったと
宣言してくれない
いつでも桜と春は 身勝手で 無遠慮で
人の気持ちなど関係なしに
ダンスを踊らせようと上着を脱がせ
「遊びましょ」と
無理やり手をひいて
真ん中へひっぱり出す
わかっている
お気に入りのあの公園では
工事で低くなった川面は ただ黒を写し
大きかった空は半分ビルになり
陽の当たらない枝には鳥も止まらない
でもあきらめているのは
春ではなく
わたしなのかもしれない
歎くことをやめ
絶望を捨てたとき
グレーの空は割れはじめ
静かに春が顔をだす
半分になった空には
永遠の青が広がり
その前で白い雲がほほえみかける
黒い川面も桜色の点で埋まりはじめた
母と子が見あげる花は
ふたりの声に煽られて輝きだし
すっと肩と肩が近くなった男女は
ただ黙って花を見つづけ
車椅子の特等席で老人たちが
満面の笑顔で声をあげる
この国を この星を
どう生きようと
どう壊そうと
心までも消し去ろうと
ほんの一瞬 さし込む 春をみつければ
春は 輝きを ふりまいてくれる
春の 美しさに 影はいらない
いつか わたしたち みんな あの春へ 帰っていく
だから 春が散るのは 悲しくないのだ
小さく春をうたおう
たとえすべての影が消えなくても
さし込む光がうめつづけてくれるから
Copyright ©2024 a day beginning and end All Rights Reserved
