【 Photo by Tokuyuki Takashima 】
いつまでも
どこまでも
いけるならいいけど
とまっていることだって
ぼくなんだとおもうんだ
すすむのを
まえをむくのを
やめるわけじゃないけど
ひかげですこしやすむのも
いきかただっておもうんだ
がんばることと
もっとがんばることが
できないんじゃないけれど
うしろにおいてきたものを
とりもどしたいっておもうんだ
いまやすまなきゃって
みんなゆうけど
せっかくじゆうになったんだって
ぼくだってわかってるけど
じゆうの しゅだんが たりないんだ
いつも
すにーかーをはいてる
ぼくは
ぼくのくつおとを
わすれてしまった
でもきみは
どあのさきのあしおとで
ぼくだって
わかるといってたね
ぼくの
じゆうのあしおとが
きこえるかい
ほらここにいるよ
じゆうを
ほんとのじゆうを
さがしてる
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【 Photo by Kenji Oouchi 】
あそこには音があった
規則正しく刻まれる電子音
メトロノームじゃなく
ただ今だけを刻む音
乱れないでおくれ
まだ続いておくれ
そう願わざる音が
ボクを眠らせなかった
携帯が震える音
迷子みたいに怯える心を
突然揺らして
また余計に怯えさせて
お前は大丈夫かと
心配しているフリをする
友よボクは大丈夫だ
どこからか聞こえる嬌声
新しい命の誕生を
素直に喜べる思いが
大きな音へと変わっていく
もののはじまりとおわりとを
音は残酷にひとつに丸め込んで
一緒に消し去っていく
あの日の音は
いつまでも消えずに
記憶のひとつとして
残りつづけ
ボクを
あの瞬間に押し戻し
永遠に解けないクイズを
何度も何度も出し続ける
そんな音の中で生きている
ふとめざめた時に聞いたような
小さな音と
その時がきたら自然に分かる筈の
大きな音と
いつかは全部分かるって
誰かが言っていた
無音のように暗い音と
これからボクは
そんな音の中で
生きつづける
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【 Photo by Keiko Aoki 】
そこで
見ていれば
つづきが見えるかい
キミが
笑顔でボクを見るから
ボクも
笑顔になっていく中で
伝えたいことは
きっと
笑顔と笑顔の
空白の中にあって
その空気感が
またイイ感じにゆれて
言わなくていいことは
コップの中で
揺れていて
お酒と一緒に
飲みこんだら
口からはみ出して
どっちかを傷つけて
どっちかを汚して
でも
また言葉と空気は
揺れて
転がって
また不思議な空白を作って
どっちかを
笑顔にしたら
もう片っぽも
笑顔になって
そうしているうちに
微妙にいい距離の中
つづきを話しはじめる
さあ
つづきが
見えてきたかい
つづきは
近くにいるかい
つづきは
笑ってるかい
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【 Photo by Kenji Oouchi 】
気がつくと
この間まで
春がいた空が
とても
おしゃべりな
顔になっていた
夏はおしゃべりだ
そして
みんなが話す口説き文句や
爆発しそうな心とかの
相手をしてくれる
なぁまだ夏を楽しんでいいかい？
だってまだ
抜け殻じゃないんだ
残ってる約束だってある
だから夏から逃げるんじゃなく
夏といろんな話しがしたいんだ
ビールのためでも
努力アピールのためでもない
気持ちイイ汗をかきながら
だから
空に向かって
大きく深呼吸するんだ
夏に
しゃべり負けないように
昔得意だった
口説き文句だって
まだ使えそうだしね
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