【 Photo by Shunsuke Yamazaki 】
雨の日には雨の日の香りがする
雨があがり 晴れが広がれば
風は太陽の香りを運んでくる
香りが欲しくなったボクは
ベルガモットのアロマを焚いて
みんなとは違う流れに乗って
前へ進めないものかと考える
雨のあがった空に
虹がかかっても
傘は虹を見ることもできず
ただ次を待つ
戻り道さえも
見ることもなく
晴れの香りを
嗅ぐこともなく
ベランダで大きく葉を広げるバジルは
自分の人生を知っているのか
ただ陽を受けようと両手を広げる
太陽の香りと
自分の香りを周囲に振りまきながら
その香りが
命の輝きの香りだと知ることもなく
寄り添うように立てかけられた傘からは
さっきまでの雨の匂いと
これからの夢の匂いがして
命の悦びとは
こういうものだと語りかけ
少し濡れた右肩さえも
暖かくしていく
香りの中に命があって
そんな香りの中で生きている
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