【 Photo by Reiko Kawano 】
あさで ひとりで とてもしずかで
いつもとちがう 匂いのなかにいる
きっと けさのわたしには
いつもより うすい影が のびている
あさで だれもいなくて つかれてて
思いだせなくなった 日々が 顔をだす
勝手に すてた 匂いなのに
まだゆれている まだ笑ってる
あさで 素足で すこしさむくて
サイレンをならし 消防車が通りすぎる
そのあいだに ゆうべの夢をわすれ
あたらしい匂いがほしくて コーヒーをいれる
どこかでスマホがなっている
朝らしい 明るい子どもの 声がする
かすかに残る 匂いのしまい場所は
日記でも アルバムでもなく
もう聴かなくなった歌になった
あさは わたしを無色にする
色の消えた わたしのすきまから
じわっと にじみ しみて でる
この匂いと まだ 生きている
あさで なきむしで 孤独がすきで
孤独といるから ひとりじゃない
Copyright ©2011~2021 My Blue Heaven Missing link All Rights Reserved