新人指導の役割を担うことになりました。
実際に自分が経験したことを話してみようと考えていますが、
その際には、成功事例がいいでしょうか、それとも失敗事例がいいでしょうか。
ある新人指導担当者から質問を受けました。
そうですね、新人指導を行う先輩の立場となれば、
自分がいままで苦労してやっと成し遂げることが出来た成功体験を話したくもなりますね。
しかし世に中には、いわゆる成功事例は数多くあります。
これはビジネスにおいては、成功への道筋が数多く存在するということの証ですね。
そこで、自分はこうして成功した式の話を中心にしますと、
新人であるあなたも、このやり方をしなさいと云う限定したものになってしまいます。
場合によっては、先輩に教えられた通りにやれば間違いない式のメッセージにもなりかねません。
新人によっては、先輩に頼り切ってしまい、
仕事の遂行場面で、自ら考えることを見失ってしまうことにもなりかねません。
逆に、自分はこうやったから失敗してしまったという体験を話してやれば、
新人としては、そーか、先輩の失敗したその方法だけは止めよう・・
失敗した方法以外のものを探してみよう・・自ら考え、工夫も始まります。
これは仕事をうまくやり遂げる方法を、自ら主体的に考えることにも繋がりますね。
また先輩もいろいろ失敗してたんだ、自分と一緒なんだ、という意識も芽生え、
信頼関係が深まることも考えられますしね。
そうなると指導者であるあなたの教えることが、より一層伝わり易くもなりますね。
新人の将来のことを思えば、ここは失敗事例がいいと思います。
もっとも、確実に出来なければならない事柄や危険防止や安全に関する事柄は、
具体的な事例で、正しく確実に詳細に教えることが前提ですので、そこは誤解のないように。
新入社員の指導者研修で、質問に応えました。