前回(→こちら)に続いて、カルチョ・スタジアム見学記第4弾。
「サン・シーロは、一度見ておいた方がいい」
そう建築のプロからアドバイスを受けて、セリエAはインテルの試合を見に、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァをおとずれた私。
そこではイタリア技術のすごさを、これでもかと見せつけられたのだが、話はここで終わらないところがさらに驚愕。
もうひとつ、サン・シーロが魅せてくれた「ワザ」は試合終了後のことだった。
サッカーにかぎらず、こういった大きな施設で心配なのは、帰りの混雑である。
関西なら大阪城ホールでのコンサートとか、PLの花火大会など、山ほど人が集まるイベントでは、やってる途中は楽しいけど、その帰路がとにかく大変なのだ。
人混みで列は進まず、そのせいでみなイライラし、ついにはケンカになったり、最悪の場合ケガ人が出たりすることも。これでは楽しい時間が台無しだ。
私も子供のころ、友だちと甲子園に高校野球を観に行ったら、その日は当時大人気だった池田高校の試合が組まれていた。
そのせいで、帰りが大渋滞になってしまい、オジサン同士が派手に口ケンカをはじめたりしたこともあったのだ。暑かったしね。
そんな記憶があったので、大丈夫なんやろかと多少ビビるところはあった。なんといっても、このサン・シーロ最大収容人数約8万人の大スタジアム。
おまけに、客層もセリエAとなれば、それなりにガラも悪かろうというもの。もしかしたら、観客同士がなぐり合ったり、スタジアムに火をつけたりといった狼藉を働くのでは。
そうなったら、われわれ日本人も、「次はイタリア抜きでやるなどゆるさん!」なんてことになって、ボコられたりするのではと心配していたが、あにはからんや、なんと試合終了後の撤収作業は、わずか10分ほどで終わってしまったのである。
いや、これは本当におどろいた。終了の笛が鳴って、選手がロッカールームに戻って、さて帰りのバスはどうなってるかいなと歩き出したら、そこからスルスルと、無茶苦茶スムーズに客出しが完了したのだ。
その間、本当に15分もなかった。あまりによどみなく人が動くので、ちょっと自分の席で待ってみたら、気がついたら客席に人が一人も残っていなかった。
まさに太平洋ならぬ、サン・シーロひとりぼっち。すごい撤収能力だ。どうやったら、こんな簡単に8万人を動かせるのか。
おまけに、こっちはのろのろと無人のスタジアムを出ていったのに、帰りのバスはちゃんと残っていて、すぐに乗ることもできた。
そこから、これまたスムーズに次々とバスは発進し、どこまでも混雑やもめごととは無縁なのであった。「もし混みあって終バス逃したら」とかいうのは、完全に杞憂に終わったのだ。
すげえな、イタリア! サッカーだと、ここまでちゃんとした作業できるんや。なんでそれを、別のところで生かせられへんねん!
なんてつっこみを入れたくなるところだが、実を言うとこれもまた、私にサン・シーロのすごさを教えてくれた建築青年が語っていたことなのだ。
「あそこは、観戦するにもいいんですけど、もっとすごいのが、試合終了後なんです」
そういって、楽しそうに笑うのだ。中身については「行ってのお楽しみ」と保留されたけど、なるほどこれはもったいぶるだけの価値はあるなあ。
なんでもこれは、多くの観客をサバくため、
「計画段階から、そのように設計されていた」
らしく、これまたイタリアの技術の粋のおかげなのだ。ただただ脱帽です。
ただ不思議なのは、前回も言ったけど、なんでこのグレイトな面を、サッカー以外で使えないのか。
もうちょっと他の面でもしっかりしたら、外国の旅行者の間で、
「この宿はイタリア人が泊まってないから、荷物とか安心だよ」
なんてヒドイこと言われんですむのに。人というのは、ホントわからんもんですね。
(続く→こちら)
「サン・シーロは、一度見ておいた方がいい」
そう建築のプロからアドバイスを受けて、セリエAはインテルの試合を見に、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァをおとずれた私。
そこではイタリア技術のすごさを、これでもかと見せつけられたのだが、話はここで終わらないところがさらに驚愕。
もうひとつ、サン・シーロが魅せてくれた「ワザ」は試合終了後のことだった。
サッカーにかぎらず、こういった大きな施設で心配なのは、帰りの混雑である。
関西なら大阪城ホールでのコンサートとか、PLの花火大会など、山ほど人が集まるイベントでは、やってる途中は楽しいけど、その帰路がとにかく大変なのだ。
人混みで列は進まず、そのせいでみなイライラし、ついにはケンカになったり、最悪の場合ケガ人が出たりすることも。これでは楽しい時間が台無しだ。
私も子供のころ、友だちと甲子園に高校野球を観に行ったら、その日は当時大人気だった池田高校の試合が組まれていた。
そのせいで、帰りが大渋滞になってしまい、オジサン同士が派手に口ケンカをはじめたりしたこともあったのだ。暑かったしね。
そんな記憶があったので、大丈夫なんやろかと多少ビビるところはあった。なんといっても、このサン・シーロ最大収容人数約8万人の大スタジアム。
おまけに、客層もセリエAとなれば、それなりにガラも悪かろうというもの。もしかしたら、観客同士がなぐり合ったり、スタジアムに火をつけたりといった狼藉を働くのでは。
そうなったら、われわれ日本人も、「次はイタリア抜きでやるなどゆるさん!」なんてことになって、ボコられたりするのではと心配していたが、あにはからんや、なんと試合終了後の撤収作業は、わずか10分ほどで終わってしまったのである。
いや、これは本当におどろいた。終了の笛が鳴って、選手がロッカールームに戻って、さて帰りのバスはどうなってるかいなと歩き出したら、そこからスルスルと、無茶苦茶スムーズに客出しが完了したのだ。
その間、本当に15分もなかった。あまりによどみなく人が動くので、ちょっと自分の席で待ってみたら、気がついたら客席に人が一人も残っていなかった。
まさに太平洋ならぬ、サン・シーロひとりぼっち。すごい撤収能力だ。どうやったら、こんな簡単に8万人を動かせるのか。
おまけに、こっちはのろのろと無人のスタジアムを出ていったのに、帰りのバスはちゃんと残っていて、すぐに乗ることもできた。
そこから、これまたスムーズに次々とバスは発進し、どこまでも混雑やもめごととは無縁なのであった。「もし混みあって終バス逃したら」とかいうのは、完全に杞憂に終わったのだ。
すげえな、イタリア! サッカーだと、ここまでちゃんとした作業できるんや。なんでそれを、別のところで生かせられへんねん!
なんてつっこみを入れたくなるところだが、実を言うとこれもまた、私にサン・シーロのすごさを教えてくれた建築青年が語っていたことなのだ。
「あそこは、観戦するにもいいんですけど、もっとすごいのが、試合終了後なんです」
そういって、楽しそうに笑うのだ。中身については「行ってのお楽しみ」と保留されたけど、なるほどこれはもったいぶるだけの価値はあるなあ。
なんでもこれは、多くの観客をサバくため、
「計画段階から、そのように設計されていた」
らしく、これまたイタリアの技術の粋のおかげなのだ。ただただ脱帽です。
ただ不思議なのは、前回も言ったけど、なんでこのグレイトな面を、サッカー以外で使えないのか。
もうちょっと他の面でもしっかりしたら、外国の旅行者の間で、
「この宿はイタリア人が泊まってないから、荷物とか安心だよ」
なんてヒドイこと言われんですむのに。人というのは、ホントわからんもんですね。
(続く→こちら)