世間を騒がしているベッキー騒動を見ていて思ったことは、
「ハーディン皇帝には、あやまらなければいかんな」
ということであった。
2016年芸能ニュースのまず開口一番を飾ったのは、人気タレントであるベッキーさんの不倫問題であった。
これに関しては
「不倫はよくない! ベッキーは謝罪しろ!」
という怒りの声から、
「そんな膠着したモラルで人をリンチするなんて、ただの魔女狩りではないか。ベッキーがんばれ!」
なんていう擁護の声までさまざまであるが、基本、芸能スキャンダルに興味がなく、ベッキーといえばタレントよりも別宮運転手が思い浮かぶ私からすると、「ベッキーのCM打ち切り」なんていう報道に思うことは、
「ハーディン皇帝、昔disってすいません」
という謝罪の意なのである。
なぜにて私がこの爆弾級のスキャンダルにそんなスットコな感想を抱いたのかというと、これがもう今からずいぶん前になるが、プレステであるゲームを遊んでいたときのことにさかのぼる。
ネタばれになるといけないのでタイトルは伏せるが、そのゲームはハードな設定や練りこまれたストーリーなどで、たいそう評価の高い作品。ご多分にもれず私もやはりハマってしまい、昼夜を問わずやりこんだものであった。
徹夜プレイで眠い目をこすりながら、いよいよクライマックスに突入。すべての謎が解き明かされ、ラスボスとの大決戦は間近。
こちらのテンションも最高潮に達し、よっしゃ、いよいよ大団円や! といきり立ったところで、驚愕の展開が待っていた。
最後の場面、世界を滅ぼそうとする悪の黒幕と対面した主人公とヒロイン。
正義のヒーローは詰め寄る、おまえはなぜそんなことをしたのか。信じられないと。
なぜなら、敵の正体は主人公の親友だったからだ。物心をついたときからすべてを分かち合い、青春期をすごし、理解しあっていた友だった。
そんなおまえがなぜ……オレはだまされていたのか、それともなにかの間違いなのか、教えてくれ!
主人公の悲痛な声がこだまする。横では同じく「どうしてこんなことになったの? もう楽しかったあのころには戻れないの……」と嘆くヒロイン。
いったいなにが親友を悪の道へと走らせたのか。どうしても理解できない二人に悪のボスはおもむろに口を開く。
「教えてやろう、なぜわたしがこれほど世界を憎むようになったか……」
そこから明かされた、思いもかけない真相とは……。
(続く→こちら)