続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『オーステルリッツの喧嘩』

2020-04-27 07:01:16 | 美術ノート

   『オーステルリッツの喧嘩』
 ミニチュアの窓:木とガラスに油彩

 タイトルと提示物の因果関係が不明確である。オーステルリッツの戦い(三帝会議)は近代的大戦の最初である。大戦をミニチュアの窓に置換する意図は何か、しかも何万人もの死者が出た悲惨な戦争を喧嘩と称している。

 膨大な数の死傷者、大量の血が流れた戦いを喧嘩のレベルにまで収縮させる真意は?愚かしさと言えば、それまでである。

 一見煉瓦造りに見えるものは、薄いレンガ模様を張ったに過ぎないものではないか、一見開くように作られた窓は開かないのではないか・・・。ガラス窓にはガラスがありますという証がペンキで記されている。
 窓はしっかり閉じられているが、存外手薄で華奢な防備である。

 大勝利を収めた大戦、後にナポレオンはトラファルガーの海戦で大敗している。
『オーステルリッツの喧嘩』は、デュシャンの失笑ではないか。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』137.

2020-04-27 06:38:15 | 国木田独歩

其処の店先に一人の琵琶僧が立っていた。

 其処はキ・ショと読んで鬼、所。
 店先はテン・センと読んで、展、遷。
 一人はイツ・ニンと読んで、逸、認。
 琵琶僧はビ・ハ・ソウと読んで、備、把、総。
 立ってはリツと読んで、律。


☆鬼(死者・亡霊)のところ(場所)を展(ひらく)。
 遷(移りかわること)が逸(隠れていること)を認(見わけ)備(あらかじめ用意してあるもの)を把(つかもこと)が総ての律である。


『城』3407。

2020-04-27 06:28:47 | カフカ覚書

フリーダにその地位まで棒にふるような気持を起させたものは、ほかには考えられませんわ。あの人は、蜘蛛が巣の中にいるように、この酒場にでんと腰をすえ、いたるところに自分の知っているかぎろの糸を張っていました。


☆フリーダにそのポストを引き渡す気にさせたものは他に考えられません。彼女は蜘蛛が網の中に入るように来世の死の入口に座り、いたるところに網を張っていたのです。