続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『ズビネック・セカール展』④

2014-01-29 06:31:02 | 美術ノート
 無題〔鳥〕(テンペラ、油彩、紙)という作品がある。
 いかにも可愛げな鳥の姿ではある。

 しかし、これは明らかに空想上の鳥であって、こんなに尻尾の長い鳥はいない。たとえ酷似した鳥がいたとしても、それは飛べない鳥である。尾長鳥は飛べるかもしれないが、空高く舞い上がり飛んでいくだろうか。
 鳥は一般に軽い、ゆえに飛べるし電線に止まることも可能である。そういう類を鳥と総称している。

 人から見た鳥のイメージは、どこへでも飛んでいける=自由であるという観念めいた憧憬の念が強い。

 セカールは胴体の太さに等しい尾の膨らみを描き、か細い足ではとうてい支えきれないような姿を、あたかもこんな鳥が存在しているように描いたのである。鳥の足はたいてい身体全体を支えるように位置している都合上、尾の付け根近くにある。にもかかわらず、この鳥の足はむしろ前方にある。


 つまり、セカールは《鳥は飛べるもの》というイメージを利用して、《飛べない鳥=異端》を描いたのである。空高く舞い上がることの不可能な鳥を、静かにやさしい面持ちで描いたのである。この皮肉は画面の底深く隠蔽されている。

「わたしの作品を解釈してはならない」というセカールの言葉がわたしの中にうずく。血を吐くような悲しみを誰にも悟られたくない、それを暴くものは許せない・・・余韻が響いて止まらない。

『ポラーノの広場』224。

2014-01-29 06:16:10 | 宮沢賢治
巨きな桜の街路樹の下をあるいて行って警察の赤い煉瓦造りの前に立ちましたらさすがにわたくしもどきどきしました。


☆虚しく往(人が死ぬ)涯(終わる所、果て)、露(あらわれ)授かる解(悟り)の考え。
 継(つなぐ)冊(書きつけ)の釈(意味を明らかにする)を、連(ならべてつなげている)。
 我(わたくし)は蔵(すべてのものを包み込む、隠す)により、然(そのように)留めている。

『城』1519。

2014-01-29 05:53:44 | カフカ覚書
あなたのおっしゃったことを誤解していたのですから。と言いますのは、わたしは、いま間違いだということがわかったのですけれど、あなたのさきほどのお言葉をうかがって、語苦かすかではあるにせよ、自分に希望があるのだとおもいこんでしまったのです。

 言葉/Worten・・・暗号。
 希望/Hoffnung→Hof/太陽の暈(ハロー)
 *Hofを暗号として、ハロー(死の入口)と考えている節がある。

☆あなたに死の責任があるのではないでしょうか。というのは、あなたを誤解していました。わたしはいま間違いだということが分かったのですが、先ほどの言葉を聞いて、すべての先祖が、ハロー(死の入口)に存続していると思いこんでしまったのですから。