続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

忘却力の増進。

2013-04-13 07:03:09 | 日常
 はっと気づくと、小論文の締め切りが近い。なのに、テーマが何だったのか思い出せない。
「・・・」


 しばらく考えてやっと・・・(ああ、そうだ『固執』だったっけ)
 固執・・・。


 すべてがこんな風であり、部屋の片付けよりも頭の片付けがとっくの昔に空洞状態になっていることに気づく。
「思い出そうとするだけでも脳は活性化されます」という脳科学者の言葉に甘えてはいるけれど、身体全体がゆっくり衰退していくのを実感する昨今であれば、すでに再起、回復の階段は崩落しているような気がする。


 あの物はどこへ行ったんだろう、今ここにあったはずなのに、確かにこの目で見たのに消えてしまった。

(そんなことがあるはずがない!)

 さんざん探し回ったあとで、確かに《ここ》にあったというようなことが再三起きると、自分自身にさえ確信が持てなくなる。

『固執』
 人間が最後まで失わずにいるものは自分自身である。その自分への確信が薄らいでいくとき、人は人の資格を欠いてしまう。
 固執とは記憶かもしれない。何としても放してはならないそのものへの欲望・・・。
 固執は忘却力の増進に反比例していくけれど、その強弱に於いては推測の域を出ない。

「忘れたいのに、思い出せない」というギャクがあったけれど、忘却力の増進に関しては一笑に付す気楽さで、そのこと(忘却力の増進)自体を思い出したくない。

『セロ弾きのゴーシュ』57。

2013-04-13 06:42:49 | 宮沢賢治
 「いまあけてやるから待っていろったら」ゴーシュがやっと二寸ばかり窓をあけたとき、かっこうは起きあがって何がなんでもこんどこそというようにじっと窓の向こうの東のそらをみつめて、あらん限りの力をこめたふうでぱっと飛びたちました。


☆字が示す寸(ごくわずかな)相(すがた)の詭(あざむく、だます)。
 化(形、性質を変えて別のものになる)の双(二つ)の考えは套われて幻(まぼろし)であり、道(物事が動くみちすじ)は、秘(秘密)である。

『城』1241。

2013-04-13 06:31:23 | カフカ覚書
やがて、お内儀は、ゆっくり台所へもどっていった。フリーダの待っている自分の部屋へいそぎ足で去っていくKには、もはや一瞥すらあたえなかった。

 台所/kuche→kirche/教会、信徒。
 部屋/zimmer→Thema/題(テーマ)
 ~ない/keinen→kahn/小舟(Kain/カイン・兄弟殺し)
 (一)瞥/Blick→Blitz/電光、稲妻。

☆そのとき、お内儀(監視)はゆっくり教会の方へ去っていった。Kのためにフリーダ(平和)の題(テーマ)をいそいだのである。小舟は閃光であった。