つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡スナック紀行。

2017年06月17日 10時45分46秒 | 日記
日本の「スナック」は、アルコール類と一緒に軽食を提供する酒場…
欧米の「SNACK BAR」を端緒とするが、源流とは趣を大きく異にしている。

責任者は「ママ」と呼ばれる女性。
従業員(ホステス)はママよりも年若い女性。
営業時間は、割合に深い。
客は、乾きもの(米菓、ナッツ、珍味)やチョコレート、チーズ等をつまみながら、
酒を飲み、会話、カラオケに興じ、〆に焼うどんを食べる。
…時代、地域、店舗による違いはあるだろうが、
そこでの様子は、概ねこんな感じだろうか。

今から半世紀以上前、昭和39年(1964年)、
バーやキャバレーなどの風俗店が都道府県条例改正により、
24時以降の営業が不可能になった。
その空白を埋めたのが、深夜も商売できる新たな形態。
カウンター越しの接客を主とし、客室に見通しを妨げる仕切りなどがなく、
ダンスをする踊り場のない「スナック」である。

やがて、1980年代には、キャバレーやクラブよりも安価で、
カラオケが楽しめる盛り場の定番スポットとして需要が拡大。
スナックへの賃貸を目的とする雑居ビルが林立し、
バブル景気が頂点を極める流れに乗って、店舗数も増大した。
どことなく華やかで昭和的な印象が香るのは、
こうした歴史的な背景が影響しているのかもしれない。

さて、近年スナックの数は減少傾向。
カラオケボックス・カラオケ専門店や居酒屋などの人気に押された。
以前と比べ、人々の酒量が減り、飲酒の習慣も薄れた。
かつての顧客、店の経営者、どちらも高齢化が進んだ。
様々な要因から、扉を閉める店が多い。
一方で、居抜き物件を活用した新規開店のケースも少なくない。
最近、ご近所に新しい店がオープンした。

「喫茶 スナック 夢」。
住所は津幡町清水、住之江橋の袂に位置している。
ここは、長年スナックが暖簾を構えてきた。

スナックは現金商売で、飲食店の中でも利益率が高く、収益性は悪くない業種と聞く。
継続の鍵を握るのはリピーター。
ぜひ、常連さんを獲得し地域に根付いて欲しいと思う。

続いて、何件か町中心部のスナックを紹介したい。

左上:津幡町横浜「スナック リッチモンド」。ベルスコッチの看板が目印。
右上:津幡町津幡「ラウンジ 多恋人(たれんと)」。JR中津幡駅傍。
左下:津幡町津幡「スナック 貴様」。名前がユニーク。
右下:津幡町加賀爪「スナック 蓮(れん)」。以前は、喫茶・スナック「スペイン」だった。

左上:津幡町庄「スナック・喫茶 白樺」。四ツ角・おやど橋近く、リバーサイドテラス席有。
右上:津幡町清水「千歩里(ちぼり)」。町商工会議所向い。
左下:津幡町北中条「VEGA」。以前は喫茶店。
右下:津幡町庄「スナック&コーヒーみや」。ローソン本津幡傍。

わが津幡町は人口そこそこのベッドタウン。
故に、地元で羽目を外す「夜の街」はない。
物静かな闇に包まれるからこそ、
落陽を合図に明かりを灯す「夜の店」を見かけると、妙に心が落ち着くのである。

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