風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

秋の京都ときどき登山2-(1)

2016-01-18 | 近畿(京都・滋賀)
1-(1)からの続きです。

○ 宇治ではゆっくり

2日目。
前日はぐっすり寝て、十分睡眠をとりましたが、翌朝も早起きはしません。
京都市内に泊まる時よりも、宇治ではいつも朝ゆっくりします。
この辺りはのんびりしていて居心地いいですし、京都市内に行くにはちょっと時間がかかるので、早朝からの活動はあっさりあきらめています。

前日かなり歩いたので、この日は筋肉痛になっているかと思いきや、足は平気でした。
数日遅れて来るのかも・・・!

滞在中、借りた自転車に乗って出かけました。
うん、快適。JR黄檗駅に向かったら、思ったよりもすぐに着いたので、もう少し先の六地蔵駅までサイクリングしました。

そこから電車に乗り換えて京都市内に着いた頃には、けっこう日も高くなっていました。
京都駅八条口は、大掛かりな工事中。
この観光シーズンに、車が駅まで入ってこられないのは大変そう。何台ものホテルのマイクロバスが右往左往していました。



○ 大原の里景色

まずは大原に出かけます。
三千院には去年も訪れたので、今回は里景色を見るために。
あの辺りの、昔の日本らしい、ちょっとひなびた村の風景が好きなのです。
先ほど見た京都駅前とは、ずいぶん変わりました。



コスモスが風になびき、秋らしさを感じますが、この辺りも、あまり紅葉は進んでいませんでした。



京都の中心部よりも北だし山間なので、普段ですと紅葉も少し早く訪れるんですが。



なぜか気になる、石のすべり台。
ゆるやかなカーブがなめらかそうでいいな、と思いますが、石ってあんまり滑らないですよね。
子どもの時、よく途中で動かなくなって「・・・」状態になったことを思い出します。



大原行きのバスは乗客でぎゅうぎゅうづめですが、みんな寺院に向かうため、辺りを散歩している人はいません。
着いてしまえば、静かなひとときを堪能できます。
のんびり散策した後で、ふたたび混んだバスに乗り、大原を離れました。

○ 古来のままの神社

次に向かったのは、実相院の近くにある山住神社。
神殿がなく、古来のまま巨石を磐座(いわくら)として祀っている神社です。

前に実相院のライトアップを見に、夜間参拝に訪れたことがあります。
帰り道の途中で、暗闇の中に神社の鳥居を見ましたが、真っ暗だったのでそのまま通り過ぎました。
どうやらそこのようです。再び呼ばれている感じ。

場所ははっきりわかりませんが、岩倉駅まで行けばわかると思って、岩倉駅前バス停で降りました。
でも、きょろきょろ辺りを見回しても、駅は見えません。
困っていると、通りの向こうからおばあさんが歩いてきたので、「岩倉駅はどこですか?」と聞きました。
すると「ここだよ」と返事が返ってきました。
えー、ここ?(キョロキョロ)駅も線路も見えない、車道ぞいだけど。

なんかこのやりとり、去年もありました。
伏見稲荷のバス停を降りた車道ぞいで「伏見稲荷はどこですか?」と聞いたら、「ここだよ」と言われたことが。
地元の人にとってはそういう感覚なんでしょうね。「叡電の駅はどこですか?」と言い直して、教えてもらいました。



柿がなっている、川沿いの御屋敷。

山住神社に着きました。今では遺跡のような扱いとなっていますが、昔はどの神社もこうした造りだったんですね。



無人の境内。古い神様と向き合う私。
祠の横にある大木の根っこがすごいです。年季を感じます。



近くに行くことはできましたが、なんとなくこれ以上はそばに行ってはいけない気がして立ち止まり、そこで参拝をすませました。
神殿などない、こういったプリミティブな形式の方が、風通しがよくて私は好きかも。

○ 鴨川の秋の桜

そうして、京都中心部へ戻りました。
京都のシンボル、鴨川を見ると、嬉しくなります。少し沿道の桜の木が、赤く紅葉しています。



○ 神馬に会えず

次は上賀茂神社へ。今年は、この神社の21年ぶりの式年遷宮の年。
奈良時代から続いているといます。京都最古の神社ですからね。

ここの御神馬の神山号は、なんとかつては競走馬。
そして馬主は、作家でギャンブラー(!)の浅田次郎氏だったそうです。
白馬の御神馬がそんな驚きの過去を持っていると知ったら、改めて会いたくなります。
でも、京都に来るたびに、この神社に寄っているのに、今まで一度しか見たことがありません。
縁がないのかしらー。

白馬に縁がないから、白馬の王子様にはなおさら…いえ、なんでもありません(^_^;)



○ すぐきって?

境内には「すぐき」がダイナミックに奉納されていました。
去年、親と訪れた時にもこんな風に重石を載せてあり、「これはかぶらの一種よ」と母に教えてもらいました。
関東ではなじみがありませんが、千枚漬・しば漬けと並んで、京都三大漬物と呼ばれているそうです。

すぐきは、上賀茂・西賀茂地区の農家でしか漬けていないため、京都の外にはあまり流通していないのだそう。
それで、よそではあまり知られていないんですね。
はもや水菜も、かつては京都でしか食べられなかったそうです。



○ 境内散策

優美な形の朱楼門。
お寺とは違う、神社としての和を感じます。



昨日は、あちこちで新郎新婦がウエディングアルバム用の撮影をしているシーンを見かけましたが、今日は本当の結婚式を多くみかけます。
ここでも、御朱印に並ぶ列ができていました。
前はこんなことなかったのに。本当にはやっているんですね。



御祈祷が続いて、神主さんたちは忙しそう。
境内に何人もの姿を見かけました。

○ 紫式部も恋愛祈願



縁結びの神様、片岡社(かたおかのやしろ)の絵馬はハート型。飾るところも立体的なハート形。
紫式部がここで恋愛成就の祈願をしたそうです。
『源氏物語』を書き切った、今で言う恋愛のカリスマのような彼女でも、やっぱり恋には悩んだんですね。

ちょっと話がずれますが、中学生の時の歴史のテストに
「紫式部は、○○小説『源氏物語』の作者である。空欄を埋めよ」
という問題が出て、意気揚々と「恋愛」と書いたら、×でした!
「長編」が正解でした。

確かに教科書には、長編小説と書かれていましたが、恋愛小説でも当たっていませんか~?
「中学生なのに、まだ早い、却下!」と思われたのかしら?
でも当時すでに、女子はみんな『あさきゆめみし』を読んでいました。
ものすごーくめずらしーく100点が取れるかと思ったら、その減点で95点になったので、グレようかと思いましたよ!
今でも腑に落ちないままです!(根に持ってる)



神殿の屋根の上に、若木が生えているのを発見。
そのうちにどんどん伸びて、ジャックと豆の木風に大木になるのかしら。ありがたやー(?)



○ 瀟洒な庭園

境内奥の方にあるひとけのない美しい場所に、今回入ることができました。
渉渓園(しょうけいえん)という庭園だそうです。



作庭家の中根金策氏によるもので、平安時代末期の様式を真似て造られたそう。
自然な苔の感じがすてき。



水の流れが曲線に作られており、曲水の宴をやったら絵になりそうだなと思ったら、毎年4月に「賀茂曲水宴」が行わるそうです。
桜の下で行われる歌会。さぞ風流でしょうね。



奥には、渉渓園の舞殿がありました。



○ 瀬織津姫の祠

楢の小川のせせらぎに沿って歩いて行きます。
小川沿いにいくつかちいさな神様のほこらが並んでいます。



見るともなく目を向けると、そのうちの一つに「末社17 梶田神社 ご祭神・瀬織津姫神」と書かれてありました。
まあ!
私が一番気になる神様が、瀬織津姫(せおりつひめ)なんです。
思わぬ出会いに嬉しくなって、お参りしました。



○ 縁の下の力持ち

式年遷宮だからか、日がよいのか、神主さんや巫女さんも外に出て神事を行っており、結婚式や七五三の人々で境内は華やかでしたが、境内の塀の目立たないところでは、左官屋さんがせっせと塀を白く塗り直していました。
こういう人たちがいてくれるから、神社もきれいになり立っているんですね。
まさに、縁の下の力持ちです。



その2に続きます。



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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2016-01-20 15:25:52
馬主が浅田次郎氏?
そうなんですか。
随分浅田次郎にはまりましたから
『あの印税が馬に・・・』

「すぐき」
さんまか紳助がテレビで絶賛してましたよ。
「美味しい」って。

中学生が源氏物語を「恋愛小説」と
答えるリカさん、
そりゃ先生『ある意味正解だけど〇はあげれない』だよね。

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アネッティワールドさんへ (リカ)
2016-01-21 02:32:28
浅田次郎氏は、「カッシーノ!」というカジノ巡りの本も出している、生粋の(?)ギャンブラーだそうですよ。

すぐき、食べたことがないんです。いつかぜひ・・・。

歴史の先生はお堅い人だったので、あれを恋愛ものとは捉えなかったのかもとも思います。まあ、今こうしてネタにできているので、5点分はとんとんになりました(笑)。

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