風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

秋の京都ときどき登山 2-(2)

2016-01-20 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

上賀茂神社参拝後、神社の境内から流れ出る明神川に沿って歩き、大田神社に向かいました。



山住神社のような古代神殿ではありませんが、いつ訪れてもほとんどひとけがなく、風の通り抜けるようながらんとした神殿が好きな私にとって、居心地のいい場所です。
境内に咲くかきつばたが有名で、見頃の5月にはとても賑わうそうですが、いつも訪れるのは秋なので、花が咲いているのを見たことはなく、なおさら閑散とした感があります。

○ 瀬織津姫ふたたび



ふたたび川沿いに戻りながら、明神川沿いの樹齢500年の古木の下にある小さな祠を参拝しました。
すると、ここも瀬織津姫がご祭神でした。
まあ、姫づいているわ。
水の神様なので、水際に祀られているのでしょう。

小さいながらも藤木社という上賀茂神社の境外末社だそうです。



○ 社家の町

上賀茂神社に隣接した辺りは、かつて神官の住まいが並ぶ集落で、いまは上賀茂伝統的建造物群保存地区となっています。
落ち着いた雰囲気のいい界隈で、屋敷には細い水路に架かった橋を渡って入ります。
この家は、すすきが生い茂っていますが、これも橋。下には川が流れています。
苫の庵という感じ。雨宿りに駆け込んだら、狐が美女に化けて迎えてくれそうですね。(住んでいる方、すみません!)



再び鴨川を通ります。秋の桜(秋桜ではありません)の葉がきれい。



○ ここにも愛宕社が

上賀茂神社参拝後には、鴨川の流れに沿って下鴨神社へ。
西参道から入ると、手水舎の向かいに愛宕社がありました。





ここでも会いましたね、愛宕の神様。今回京都に来てから、これで3箇所目です。
瀬織津姫といい、愛宕の神様といい、意識してみるとよくよく巡り合うもの。
神様の方から、近づいてきてくれるのかしら。
「明日、本殿をちゃんと参拝できますように」とお祈りしました。



○ カラフル八咫ガラス

境内には見慣れぬ巨大なカラフルな鳥がいて、ビックリ。あ、あれはなに?
京都造形大学の学生さんが作成した、八咫ガラスだそうです。



カラフルなので、カラスというより極楽鳥のよう。
あっ、でも極楽は神道ではなく、仏教の世界ですからねー。
数えてみたら、きちんと脚が3本ありました。



下鴨神社も、上賀茂神社と同様に式年遷宮の年です。
いつ訪れても整った美しい境内。
黄金が降り落ちたようでした。



○ 糺の森の馬車

糺の森を通り抜けたら、馬車が走っていました。



式年遷宮だからだそうですが、洋風クラシカル。
牛車の方が雰囲気が出ると思うんですけれど。
このお馬さんたちは、神馬ではなさそうです。白馬でもありませんでした。(やっぱり…)



ぱっかぱっかと馬車が駆けて行った後を追うように、糺の森の瀬見の小川沿いに歩いていきます。
参拝帰りの和服の人もいて、すてき。



○ 美人のお宮に灯がともる

美人の宮、河合神社へ。
ちょうどぼんぼりに明かりがともったところでした。



境内の鴨長明の方丈も、さりげなく中がライトアップされていました。



初めてこちらを見た頃には、
「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
と、学校で習った『方丈記』の冒頭を思い出して、ひたっていましたが、そうは言っても目の前を川が流れているわけではないので、最近では
「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」
の歌を思い出しています。
天智天皇の歌ですが、こういう光景なのかなあって。
百人一首をちゃんとおさらいしたいなあ。『ちはやふる』も最近読んでいないなあ。

○ 鴨川デルタ

そのまま表参道を通って糺の森の先まで行き、なおも進むと鴨川デルタ。
夕暮れ時になっても、亀石をつたって川を渡っていく人たちは大勢います。



○ ふたば行列

せっかく近くまで来たのだからと、おいしい出町ふたばの豆饅頭を買おうとお店に向かいました。
道の向こうの、お店の前にずらりと並ぶ、恐ろしいほどの行列を見て、びっくり。
(ブレた画像で済みません。動揺のあまり...)
信号が青になると、私の前を歩いていた人も、後ろの人も、みーんなふたばに向っていたと判明。
これはもう無理ですね。あきらめました。



日が落ちて、風が冷たくなってきたので、中心部に戻ろうと、やってきたバスに乗ります。
バスは京都駅に戻りたい乗客でぎゅうぎゅう。ようやく乗れたものの、足の置場もありません。

あまりの混雑に耐えかねて、京都市役所前で降り、地下鉄に乗り換えました。
学生2人が同じように移動しながら「あの混みっぷりはないわ。あかんわ~」とぐったりしていました。
今回の旅で、京都人の「あかんわ」を聞いたのはこれで2回目。昨日の東福寺の紅葉に続く、ダメ出しです。

○ 夜には別の顔

一旦駅に戻り、日中ロッカーに預けていた荷物を取り出しました。
朝の光景。なんのへんてつもない木でしたが・・・



夜になると、こんなにきれいなイルミネーションがつきました。
ファンタスティーック!



○ 喧騒の四条河原

次の目的地は四条河原町。
四条駅で地下鉄を降りて、再びバスに乗り換えます。
バス停2つ目なので、3分くらいで着くだろうと思いましたが、行楽シーズンの大渋滞で道路が全く動かず、バスの中に籠城状態。
そういえば四条は町の中心。京都で一番道路が混んでいる場所でした。
普段は避けてなるべく通らないようにしているんですが、今回はその中心部に用があるので、人混みの中に向かっていかなくてはなりません。

乗客はみんな地元の人風で、慣れているのかイライラしているような人はいません。
急いでいたら、バスを降りて歩くところでしたが、待ち合わせにはまだ時間があったので、私ものんびり行くことにします。
結局、20分くらいかかって着きました。

○ 阪急から丸井に

夜は、先月京都に赴任になったばかりの友人タッキーと、夕食の約束をしています。
待ち合わせ場所は京都一目立つ場所、丸井の前。
ここ、ほんのちょっと前までは、阪急のビルだったのに、気がついたら変わっていました。
見慣れたHankyuの大きなロゴが、いつの間にか丸井マークに変わっていました。
友人はこのオープンしたての丸井京都店に呼ばれたのです。



ボケた画像で済みません。
丸井のビルではなく、外で写真撮影をしているモデルさんを遠目に撮ってみたものです。
寒風が吹く中、肩を見せたウエディングドレス姿でにこやかにポージングしており、プロ根性を見ました。

○ 三角球のモニュメント

店の前の植え込みの中には、三角すいと球体の形をした、不思議な標識がありました。
京都市が北緯35度に位置しているというモニュメント。
ニューヨーク、パリ、ロンドンも北緯35度上にあるんだとか。
じゃあ東京はいくつ?横浜は?と調べてみたら、どちらも北緯35度でした。
あら同じ。みんな仲良くしようね。



○ 先斗町は人だらけ

仕事上がりのタッキーと会って、先斗町に繰り出しましたが、すごい人でどの店にも長い行列ができています。
ハイシーズンの土曜日の夜。混んでいるはずですね。
タッキーごひいきのお店をいくつか周ってみましたが、どこもいっぱい。
「先斗町の店はどこも無理そうだね。こっちの人が行く普通の店でいい?」と聞かれました。
もちろん。



歩きながら撮ったので、先斗町の画像はどれもブレてしまいました。
「平日の日中はここも閑散としてるから、チャリで走ってたら、店のおかみさんに”ちょっと、自転車に乗ったらあかん”と怒られちゃってさ」とタッキー。
ひえっ、先斗町を自転車で駆け抜けたと?
京都人はしないだろう、驚きのフリーダムっぷり!
またまた京都人の「あかんわ」が出ました。ピリッと叱られたんでしょうね~。



○ ・みんみん

観光客がいない通りに移動して、(みんみん)に入りました。
店内は、見事に空いています!加えて観光客っぽい人は誰ひとりいません。
見るからに地元の人ばっかり。やった(笑)!
店名から「ここ、宇都宮餃子で有名なところ?」と聞いたら「こっちオリジナルの店だから、別なんじゃないかな」との返事。
たしかに宇都宮の方は、ひらがなで「みんみん」でした。ほかにカタカナの「ミンミン」というお店もあるみたい。
どれも響きは一緒の餃子屋さんなので、何か関係がありそうですね。



前にも別の友人と、鴨川沿いのレトロな東華菜館本店で、食事をしたことがあります。
駅前東塩小路の、ディープな中華そば店に入ったこともあります。
親と一緒の時には、懐石料理かおばんざいですが、京都では案外中華を食べる機会が多いような気がします。



お店自慢の餃子をたっぷり食べました。
赴任してまだひと月の上、引継ぎなどで毎週東京本社に出向いているというタッキーですが、忙しい合間を縫って、京都ライフを楽しんでいる様子にほっとします。

お酒が入り、話が弾みます。
高校生の頃、私がのほほんと女子とばかりつるんでいた間に、彼は7人の女の子から告白されたそう。
えー、7人? ラッキーセブンね!
じゃなくて、すごすぎる~!そんな人もいるんですねー。(ひとごと)
言われてみれば、確かにモテそうな人です。
それなのに、誰とも付き合わず、高校では部活に明け暮れていたんだそう。
もったいない!でもそれも青春ね。

そういえば、別の丸井勤務の友人に「うちは接客業だから、職員は男女ともキラキラした人ばっかりだよ」と言われたことがあります。
その人は「私は店頭に立たないシステム担当だから、見た目で選ばれてないの」と笑っていましたが、十分きれいな人でした。

当時、8番目にフラれていたら、今こうして笑いながら餃子をつついてなんていられなかったでしょうから、彼の魅力に気づかなくてよかったわ~(笑)

モテモテだったというほかに、彼が鉄ちゃんだということも知りました。
梅小路公園に京都鉄道博物館ができる話で盛り上がります。

「いまでも現役で使われている古い電車が好き」と聞いて「群馬の高崎から下仁田までの電車とか?ええと、なんだったかな」と言ったら、間髪おかずに「上信電鉄上信線だね、いいねー」と言ったので、鉄ちゃん宣言は嘘ではないと証明されました。

いろいろな四方山話をしていたら、あっという間に終電近くなりました。
阪急電鉄に乗って帰ります。マルーン。



○ 明日が心配

一駅だけ乗り、烏丸駅でタッキーとお別れして、電車を乗り換えて宇治に帰りました。
宿に着いたのは真夜中過ぎ。辺りはシーンとしています。早く寝ないと明日に響きそう。

明日はいよいよ愛宕山に向かいます。
一緒に山に登るチカラ君から、メールが届いていました。
「明日のために今日はトレーニングをしておきました!」わあ、爽やか~。
対する私は、夜遅くまで食べて飲んでの遅い帰宅。
まずいわ、山で差を付けられてしまいそう。

急いで寝る準備をしましたが、ベッドに入った時にはもう2時でした。
明日が心配だわ。でも神様にお願いしておいたから、まあいっか。(ザ・神だのみ)

3日目に続きます。



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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2016-01-24 15:35:26
狐が美女に化けて迎えてくれそうですね。(住んでいる方、すみません!)

プッ(^v^)
本当ですね。
住民の方怒りますよ。(^v^)

八咫ガラス(ヤタガラス)が出てきて
びっくりポン!


八咫ガラスって奈良県吉野にある造り酒屋の銘柄なんです。

吉野川が流れる川沿いにある酒屋さんで
車で2時間かかるんですが
美味しい日本酒や酒粕を買いに行くのですよ。
そのヤタガラスの記事にびっくりです。

眠眠の餃子は好きですよ。
皮が薄いので隣の餃子にくっついて
皮が破れたりしますが、あの薄い皮が
美味しいんです。

京都は楽しいですね。

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アネッティワールドさんへ (リカ)
2016-01-27 14:12:17
八咫ガラスっていうお酒があるんですね。知りませんでした。
美味しい日本酒の蔵があるということは、水がきれいなんですね。
いつか吉野のお花見もしてみたいです。

ミンミンは、名前は聞いていましたが、実際に入ったのは初めてでした。食べやすかったし、地元の人たちに大人気でした。

ところで、全国で横浜市民だけが、ギョーザよりシューマイをたくさん食べているそうですよ。崎陽軒パワーですね!
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