風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

山陰1200キロ横断ドライブ 4 [宮津]

2013-11-17 | 近畿(京都・滋賀)
● 金刀比羅神社(丹後のこんぴらさん)
● 大宮売神社(丹後国二の宮)
● たんたんトンネル
● 成相寺(西国三十三観音)
● 元伊勢篭神社(丹後国一の宮)
● 伊根の舟屋泊
● お食事処「兵四楼」

出石からの続きです。

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●  金刀比羅神社

出石を離れて、一路京都を目指しました。
到着したのは、京丹後市。
毎年秋に京都旅行をしている私ですが、京都市内を離れたのはこれが初めて。
楽しみです。



縁日なのか、参道で市が開かれており、賑やかでした。
池には亀が甲羅干しをしており、境内には等身大の馬の像がありました。



競馬のモニュメントのようですが、絵馬の代わりの奉納でしょう。かなりゴージャスな感じです。
ご本殿も古めかしく立派。三本ある神鈴の紐が長くて、どれも地面を引きずっているのがちょっと気になりました。
なにか意味があるのかしら?



ここにどうしても来たかったのは、狛犬ならぬ、珍しい狛猫がいるから。



狛猫のほかにも、ここにはたくさんの狛犬がいて、もうテンションが焼ききれそうに大はしゃぎしました。
まさに狛犬パラダイスです。ここはすごい!!踊り狂っちゃいます。
これまで見たうちで、最多数を誇る神社です。
しかし、その話はまた別所で。(いずれリンクを貼る予定です)
ああ、近くに越してきたい!
この子たちのように、「グリコ」して大きくなりたかったわ!



もう大満足でした。
興奮冷めやらぬ私は、最後には花音に「もういいでしょ」と腕を引かれて、ズルズルと車に乗り込みました。
いやー、外は寒いのに、私は熱いわー。
ちなみに先ほどの狛猫、なぜ狛犬ではなく猫なのかというと、養蚕の隆盛期に天敵のネズミを見張るため、だからだそうです。
この辺りは、蚕の産地なんですね。

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● 大宮売神社(丹後国二の宮)

大宮という地名はところどころにあって、どこもその土地を代表する大きな神社が地名の由緒となっています。
ここもそうでしょうか。
丹後国の二の宮。一の宮だけでなく、二の宮、三の宮も好きな私たち。
やはり立派な長い参道が、拝殿まで伸びていました。



ここの神様は、大宮売神(おおみやめのかみ)。よくわからない、なぞめいた神様なんだそうです。
でも絵馬にはその御姿が描かれていました。



気になったのは、灯籠が屋根付きだということ。
なのに、そばにいる狛犬は雨さらしです。
これ、逆じゃないー?かわいそうだわー。
まあ、灯籠の奉納者が屋根もつけたということなんでしょう。 



摂末社に秋葉神社があり、賽銭箱に重なり積もった落ち葉をかき分けて、花音はお賽銭を入れていました。
ここの神社、私はとても気に入りました。
一の宮のような華やかさはありませんが、それでも二番手を守るしっかりとした風格。
二の宮もまた、オツなものですね。なんだか目覚めてしまいそうです(笑)。



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● たんたんトンネル

再び車に乗り込み、峠をいくつも越えていきました。たんたんトンネルという名前が、かわいい。

「たんたん温泉」もありました。きっと「丹後と丹波」という意味でしょうね。

山の中をずっと走っていたと思ったら、とつぜん日本海が見えてきました。
そして天橋立も。ただ、横に長い普通の木立のように見えます。
この日本三景は、高いところに行かないと堪能できないものなんですね。
まあ、松島も、遊覧船に乗らないと見えませんからね・・・

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● 成相寺(西国三十三観音)

いよいよ宮津市に入りました。
車は国道178号線をそれて、どんどん山を登っていきます。
ありえないくらい急な傾斜で、後ろにのけぞりながらアクセルを踏んで登っていく車。
なんというすさまじい坂でしょう。道の向こうには空しか見えない~
「帰りはごろごろ転がるか、スキーでいけそうだね」「私はソリがいいな」と話しながら、ふんばって上がっていきました。

ここは成相寺。ずっと神社巡りが続いていた今回の旅なので(なぜかというと私が狛犬好きだから~♪)、久しぶりのお寺参拝です。
そしてここは西国三十三観音の札所。
そう、いよいよ私たち、西国三十三観音巡礼デビューをすることにしたのです!

これには、かなりの、なかなかの決意が要りました。
だって関東からはるかに離れた場所の観音巡礼ですから。
どう考えても、大変に壮大な巡礼になるのです。

「ああ、全部集めきれないかも~」と、まだぐちぐち言う私に、
「いいじゃない、一生かければ」とこともなげに言う花音。ら、ライフワークですね!
それにしても、激しい勾配です。
ここに務めるお坊さんたちはすごいわ。その場所にいるだけでもハードな修行です。
そして昔の巡礼者たちは、このとんでもない坂を徒歩で登ったのですから、頭が下がるばかりです。

フルスロットル状態で急勾配を上がり続け、ようやくのことでたどり着きました。
なんだかエンジンが焼け焦げた匂いがしています。車だって大変だったのです。



紅葉が有名なお寺と聞いていたとおり、境内はちょうど紅葉で美しく色づいていました。
急な石段を上がる途中にいたお地蔵様にご挨拶します。
一言地蔵といって、一つだけお願いを叶えてくれるのだそう。
願い事ひとつだけ 叶えてくれるなら♪
(さすがにこの霊気あふれる古刹では歌っていませんよ)



ここの観音様は見目麗しいと評判だとのこと。まずは参拝をします。
般若心経を取り出して、読み始めましたが、石段を上がりたてでまだ息が上がっているのと、久しぶりの読経のため、なんだかほにゃほにゃした呪文のようになってしまいました。
美人観音様、すみません。



そののちに、御朱印をいただきます。
西国三十三観音用に新たにおろすのは、高野山の檜の御朱印帳。
お坊さんに渡すと、すぐに「これは高野山のものですね」とわかってくださいました。
ここは真言宗寺院だから、ピンときたのでしょう。



境内社に熊野大社がありました。狛犬もいました。うれしいわん! 
こちらは、手水舎のようですが違います。
鉄湯船といって、その名の通り、鉄製の湯船なんです。(重要文化財)
昔の人の入浴風呂。といってもかつてはお湯に浸からず、お湯を身体にかけていたそうです。



お寺の更に上には、展望台がありましたが、日が落ちる前にまだ行きたい場所があるため、そちらには寄らずに戻ることにします。
ただ、境内の五重塔を私がぜひとも見たいと言って、そばまで行ってきました。
五重塔が好きなのです。



すると、そこから天橋立が一望できました。うわあ、絶景かな~。



今回は、傘松公園にも行く時間がなさそうで、下手をすると天橋立を上から見渡せないかもしれないと心配していただけに、とても嬉しくなりました。
これで私、日本三景(松島、天橋立、宮島)を全部観たことになります!ようやっと!

ちなみに、山を降りたあたりでは、こんな顔ハメパネルを見かけました。
ブレてしまいましたが、よーく見ると、上下逆に「あまのはしだて」と書いてあります。
そう、これを撮って、写真を逆さにしたら、股のぞきしているようになるということですね!



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● 元伊勢篭神社(丹後国一の宮)

この日最後に訪れた寺社は、元伊勢篭神社
丹後国の一の宮です。
今回の旅は、移動が多いため、毎日一の宮を参拝できているという贅沢さ。
しかもこの日は、但馬に次いで二国目の一の宮です。すごいわ~。罰当たりだわ~。(参拝してるのに)



さらにこの神社で特記すべきなのは、狛犬。
ここの狛犬は、(狛犬関係の)場所で必ず話題に上る、(その世界では)非常に有名な一対。
(だから、普通はわからなくても問題ありません)

鎌倉時代の作で重要文化財に指定されており、「日本化された狛犬の最大傑作と云われる」との説明書きがありました。
胴と脚も、デフォルメされたようにどっしりとしたすごい迫力。アメフトの選手みたい。
あまり日本っぽく見えませんが、中国獅子の系統からは完全に外れたタイプが生まれたということなんでしょう。
狛犬好きの私でも、そばにいると威圧されて、どうも落ち着きません。
彼らが威嚇したら、それはもうどんな魔物でも入ってこれないでしょう。



昔この狛犬が橋立に現れて悪さをしたので、岩見重太郎なる人物が斬ったことによると伝えられています。
この狛犬と戦ったなんて、岩見さんは日本のヘラクレスでしょうか。--->
拝殿横にはカラフルな茅の輪がありました。茅の輪を見るのも初めてという花音と、ぐるぐる茅の輪くぐりをします。



摂社に、真名井神社があり、狛龍がいました。
これでこの日の寺社めぐりは終了です。
池の亀の石像の上で、本物の亀さんがひなたぼっこをしている姿を見て、ほっこりしました。


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● 伊根の舟屋

あとは、宿に向かうだけ。
くねくねとした海沿いの細道を通って行きます。
どんどん暗くなってきますが、明かりが少なく、少し不安になる道。
ようやく、この日の宿に到着しました。

そこは、丹後半島の伊根町。
舟屋で知られる場所です。
今回は、その舟屋の宿に泊まってみることにしました。

宿についても施錠されていたため、電話をかけると、女将さんが通りの向こうから来てくれました。
「ここは一組の貸し切り宿なんですよ」
なんと、驚きました。2室をまるまる使えて、窓の外にはもう海が広がっています。
歌に名高い、伊根の夕陽が落ちていきました。



こたつも出ていました。わー、うれしい。
今では、家でも実家でもこたつを使わなくなっているため、久しぶりに入りました。
宿の説明を済ませると、女将さんはまた母屋に戻ります。
贅沢な宿です。

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● お食事処「兵四楼」


宿で一息入れてから、食事処に向かいました。
訪れたのは「兵四楼」



鮮魚料理屋さんで、私は海鮮丼、花音は焼き魚定食を頼みました。





海鮮丼にはさわらのお刺身、焼き魚定食には鯛のおかしらがついてきました。



う~ん、おいしい。
海と魚に誘われて、地酒も頼みます。近くにある向井酒造の「京の春」をいただきました。

宿に戻って、テラスから月を眺めます。
夕陽が有名ですが、月もまっすぐに上がって、とてもきれい。
詩心がかきたてられます。



辺りにはコンビニもスーパーもなく、昔ながらの個人商店があるきり。
wi-fiもつながらず、水洗もまだ完全ではありません。
でも、こういう場所では、その不便さがいいのです。
こたつに入って丸まって、のんびりぬくぬくと過ごしました。

毎日、急ぎ足の行程ですが、それほど予定を犠牲にせずに回れています。
この弾丸プランに慣れてきたのかもしれません。


とてもすてきな夜。ああ、眠りたくない!
と思いましたが、お酒も飲んだし、やっぱり眠気は来るもので、夜更かしをすることもなく、おとなしく就寝しました。
静かに寄せる海の音を子守唄にして。

5日目に続きます。

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     ◆ 2013 山陰旅行 index
     ◆ 1st day-(1) [米子→出雲]
     ◆ 1st day-(2) [出雲→米子]
     ◆ 2nd day-(1) [米子→大山]
     ◆ 2nd day-(2) [倉吉→鳥取]
     ◆ 3rd day-(1) [鳥取→若桜]
      (本日の話はここ)
     ◆ 5th day-(1) [伊根→丹波]
     ◆ 5th day-(2) [柏原→篠山]
     ◆ 6th day-(1) [篠山→加西]
     ◆ 6th day-(2) [加西→米子]


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