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1809号天竺葵(ゼラニウム)

2015-03-23 19:34:40 | Weblog
長い冬に色彩豊かなゼラニウムは、姑の家老母の家にもたくさん鉢がありました。
阿蘭陀や天竺の名を冠す花木は多く、植物の時間をかけた長旅を思わせます。ゼラニウムの葉の形は葵に似ています。
「今昔物語集」は大部で、本朝(日本)の前に晨旦(唐)天竺の巻があり、話の内容によっても分かれていました。『本朝仏法部』はきちんと読んでいません。
なぜ芥川「羅生門」が高校国語教科書の載るのかと言えば、黒澤明映画のお蔭でしょう。(文学史年表に載るかどうかも映画ヒット力大。「二十四の瞳」がよい例です)師漱石の讃辞があるデビュー作「鼻」や、「芋粥」とともに今昔に題材を取った作品。高校生の中には映画を観る人、今昔物語集や他の古典を手にする人がいるかも知れないという期待でしょうか。言葉の古さで云えば、受験古文の王道平安王朝文学よりはぐっと現代文に近く具体的な描写です。
なぜ芥川が説話集から題材を選んだかは不明です。ただ、小学生の時にその短編を繰り返し読み、中高生になってからその原型の古典説話を読んだ一読者の感想としては、芥川は〈長々と語らず短く完結する話〉が持つ想像をかきたてる力とその余韻を好んだのではないか。
「河童」などの長編作品が無い訳ではないのですが、何だかそちらは読んでても辛そうです。「南京の基督」のような見事なオチがなくても、異界の香に溢れた「アグニの神」「奉教人の死」を創作できる才能があった龍之介はうたかたの如く現れては消えるような話の群に馴染んだのではないでしょうか。龍之介の羞恥と太宰の羞恥は全く違う。
天竺の話も、いつか読んでみます。
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